ひったくり警官、高校生が”逮捕” 岡山(2009.6.6)

 最近はニュースの見出しをちゃんと読まないと、誰が加害者なのだか分からなくなる。4日、岡山県警岡山中央署は、岡山市内で女性から財布をひったくったとして、愛媛県警松山南署刑事一課の巡査部長の男(29)を窃盗の現行犯で逮捕した。捕まえたのは男子高校生2人であった。
 
 岡山県警によると、4日午後7時50分ごろ、岡山市中区森下町の路上で、歩いていた同市内の女性(75)の背後から近づき、女性が持っていた財布をひったくった。被害にあった女性は「どろぼう」と叫ぶと、近くを通りかかった私立高校の男子生徒2人が自転車で250メートルほど追跡、2人が男の前後を自転車で挟み込むと、男は「もう逃げん、逃げん」と言って奪った財布を差し出した。生徒の1人が110番通報。岡山中央署員が駆けつけるまでの間、男は観念した様子でおとなしかった。
 
 愛媛県警によると、男は数日前から無断欠勤していたと言う。同県警の大塚泰博警務部長は「本県の警察官が窃盗事件を起こしたことは極めて遺憾で、被害者や関係者に深くお詫びする。岡山県警の捜査状況をふまえ厳正に対処する」とコメントした。
 
 最近はこの不景気で警察官志望者が増えているという。東京・警視庁は年3回に警察官の採用試験を実施している。今年度の第1回試験では、昨年度同期比で2000人多い約13,000人が応募した。志願者が多ければそれだけ優秀な人材も集まりやすい。
 
 しかし、警視庁の幹部はこう言っているという。「本当にいいんですか?と若者に問いたいですね。刑事は月に1、2日の休みで犯人を追い、交番勤務では一睡もせずにパトロールします。警察官は時に、自分の命を犠牲にしてでも国民の生命を守らなければなりません。公務員としての安定を求めるのではなく、一生の仕事として警察官という職種を希望して欲しいのです」。
 
 警察法第1章第2条(警察の責務)にはこうある。「警察は、個人の生命、身体及び財産の保護に任じ、犯罪の予防、鎮圧及び捜査、被疑者の逮捕、交通の取締その他公共の安全と秩序の維持に当たることをもってその責務とする」。
 
 捕まった男もこの文言は警察官である限り知っているはずだ。なぜ、その志が消えてしまったのか。警察官が不祥事を起こすたびに、同僚や一線で働く全国警察官がどれだけ迷惑することかを考えられないのが残念だ。同時に、不況だから警察官を選ぶ、そんな軽い気持ちで採用試験に臨むような若者がいないことに期待したい。
 
 警察官を”逮捕”した私立関西(かんぜい)高校3年生の伊井飛鳥さん(17)と1年生の宝来隆太郎さん(15)が報道陣の質問に答えた。捕まえた容疑者が警察官だと知ったときに、伊井さんは「世も末だな」、宝来さんは「本当は悪い人を捕まえるはずなのに」と呆れていたという。そして逮捕された男は盗犯係主任、つまり、ひったくりや空き巣などの窃盗犯を捜査する刑事であった。
 
 伊井さんと宝来さん、あなたがたのような若者がいる限り「世も末」ということにはならないですよ。
 
    
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★ ひったくり警察官、高校生が追いかけ捕まえる 岡山(読売新聞・09/6/5)
★ 【Re:社会部】本当にいいんですか?(産経新聞・09/6/3)
★ 「世も末だ」と捕まえた高校生、容疑者は窃盗捜査の主任(読売新聞・09/6/5)
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