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大阪・西成警察署前で労働者200人が騒動(2008.6.14)

 
 平成2年10月、大阪市西成区萩ノ茶屋の通称あいりん地区で、労働者数百人が西成警察署前に集結、暴動に発展する事件があった。暴動のきっかけとなったのは、同署刑事課に所属していた40代の巡査長が暴力団員から賄賂を受け取っていたことが発覚し逮捕された事による。それ自体は直接労働者に関係はなかったが、日頃から日雇い労働者の日当を暴力団員にピンハネされていたことに対する不満、それが巡査長に渡ったという思いから労働者の怒りが爆発したもの。
 
 抗議の群衆に対して大阪府警は機動隊を西成署周辺に配置、石や火炎瓶を投げる群衆に対して盾で防戦していた。しかし群衆に警察署が囲まれたことにより、交通事故処理にも出動できない事態になった。身内の不祥事が発端となっているだけに気勢の上がらない大阪府警だったが、暴動は近隣の商店への略奪や駅に放火などエスカレート。さらには、無関係な若者たちがこれに加わっていることで防戦から検挙へと強い姿勢で臨んだ。この暴動で数十人が逮捕されて5日間続いた暴動は収まった。
 
 いわゆるドヤ街である同地区周辺は治安があまりよくなく、白昼堂々と違法なビデオソフトが売られていたり、覚せい剤の密売が行われていたりする。先日も焼きいも屋に扮した暴力団員が覚せい剤密売をしていたことが分かり逮捕されている。
 
 そして昨日の午後5時半ごろ、日雇い労働者ら200人が西成署前に集結する騒ぎがあった。西成署員が近くの飲食店で無職の男性に暴力を振るった、という抗議であった。大阪府警は機動隊員数百人を動員し、投石などをした7人を公務執行妨害などの現行犯で逮捕した。同署は「男性に対する暴行の事実はない」としている。
 
 西成署は全国の警察署でも稀有な存在であるといえる。あいりん地区にあり、労働者が気軽に立ち寄る場所として存在。かつて「防犯コーナー」という部屋が1階にあり、そこに労働者が立ち寄っては話をしていくという光景があった。あえてこの警察署を赴任希望する警察官もいた。近くの公園では労働者のためにイベントが開催され、洋服などを無償で提供、こうした催しにも同署は協力している。
 
 それゆえに、平成2年の暴動のきっかけとなった警官の汚職は労働者にとって許せないことだったのだろう。その暴動のとき、盾を持って静かに並んでいる機動隊まで2メートルくらいの所へ来て、投石をした車いすの女性の姿は印象的であった。
 
 
 
★ あいりん労働者ら200人が警察署前で騒動、6人逮捕(読売新聞・08/6/13)
 
 

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