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力士死亡、元時津風親方ら逮捕・愛知

 
 危うく一人の死が闇に葬られるところであった。愛知県警捜査一課と犬山署は序の口力士だった斉藤俊さんを死亡させたとして、元時津風親方ら4人を傷害致死容疑で逮捕、同署に捜査本部を設置した。
 
 当初、警察は「急性心不全」と病死扱いし、立件しなかった。しかし、遺体にある多数のあざに不審を抱いた遺族が行政解剖を依頼、二つの医療機関で「外傷性ショック死」と診断されたことを受け、再捜査していた。
 
 これには愛知県警の初動捜査にミスがあったとされても仕方がない。最初から持病でも持っていたのならともかく、納得のできる死でないことは明白だった。これでは、閉鎖的なところでおきている暴行事案が簡単に処理されていることも少なくないのではないか、そういう疑念を持つ。
 
 一年間に警察が扱う変死体は15万件。それに対して全国の検視官は147人。まともに現場で対応できていないのが実情だ。検視官が臨場できないときは、現場の警察官が事件性の有無を判断することになる。会見に臨んだ愛知県警幹部も初動捜査のミスを認めた。
 
 一方、暴行現場を目撃した人は「3人で寄ってたかって1人を蹴り上げていた」などと証言。悲鳴に近いものも聞こえたという。よってたかって暴行を加えることに躊躇はなかったか。スポーツの現場では気合いや根性が大事な部分もある。しかしそれは「かわいがる」側に必要な技術ではない。教えられるほうが自然に身につける技術である。その技術を冷静に教えられないのはスポーツマンどころか人間としての品格を激しく欠く行為である。
 
 たった17歳の少年だった、斉藤さんのご冥福をお祈りします。
 
 
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★ 力士傷害致死、元時津風親方と兄弟子3人を逮捕 (読売新聞・08・2・7)
 
 

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