映画の字幕 業界が苦慮

 
 映画の字幕、つまり翻訳する人というのは大変だと思う。通常の通訳であれば、一字一句ニュアンスを大切にしながら訳していく正確さが求められるであろうが、映画の場合は字数が限られている。限られた字数の中で言葉を並べなくてはならない。
 
” This is a long long story. You got a few minutes ? ”
 
 ある映画の一コマでこれを字幕では「話せば長くなるけど、聞く?」と訳してあった。
 
 戦争映画で兵士Aが兵士Bにいう。
 
A ” You got it ? “ (狙いは?)
B ” I got it.” (バッチリさ)
 
 1980年代の映画で、男が車を女の子に見せびらかし、

” This is 80’s ” (最新型さ)
 
 意味をくみ、かつ、流れを妨げないように字数を気にしながら訳さなくてはならない字幕の世界。ところが最近、映画業界が字幕を作るのに四苦八苦しているという。若者が「漢字が読めない」「中学レベルの歴史認識もない」という理由だ。例えば「ソ連ってなんですか」「ナチスって何ですか?」という感想が来るらしい。
 
 漢字にはふりがなを、字数は出来るだけ短く、といった対策を施しているという。そして吹き替え版も有効策なのだという。吹き替え版はどちらかというと、字幕を追うことが出来ない子供や年配者などに人気がある。しかし若者の映画離れにならないように苦肉の策が続いているようだ。
 
 吹き替えも結構だが、俳優自ら声を発しているものはやっぱり迫力が違う。ある映画で電話の受話器を取って安否不明者の名前をため息混じりに呟くシーンがある。吹き替え版で聞いてみると、ため息混じりではなく、何事もないように名前を呼んでおりガッカリした。
 
 一時は落ち込んでいた映画の興行成績もシネマコンプレックス(複合映画館)の普及で良好のようである。テレビで観るのと違うのは、音と大きな画面の迫力が違うからである。それを損なわないための字幕作りに映画会社の模索は続く。
 
 
☆ 文章の中の、ここの個所は切り捨てたらよいものか、それともこのままのほうがよいか、途方にくれた場合は必ずその個所を切り捨てなければならない。いわんや、その個所に何か書き加えるなど、もってのほかというべきであろう。(太宰治)
 
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★ 映画字幕で業界が四苦八苦 若者の知的レベル低下が背景か?(産経新聞・08/5/10)
 
 

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