電話窓口置かないIT企業

 以前、ヤフーが個人情報の漏洩事件を起こした。そのときに、自分の持っているヤフーIDに不具合があったことから電話をしたことがある。結局その不具合はこちらの手違いで、私の情報が悪用されるようなことはなかった。同時に、電話窓口を持っているのはさすがヤフーだな、と感じた。その当時から、問い合わせ窓口として電話番号を掲載しているところはあまりなく、ほとんどがメール対応であった。
 
 かつてPCに不具合が出たときの東芝、架空請求メールが来たときに電話した警視庁ハイテク犯罪センターは、電話のやりとりゆえにとても迅速で、その場で対応してもらえて心強かった。昔の腕時計が故障したときもセイコー側が電話で対応してくれて助かったことがある。
 
 読売新聞によれば、こうした苦情や問い合わせの窓口を、メール限定とするIT企業が増えているという。昔あったはずのヤフーを調べてみると、確かに電話番号はなくなっていた。そもそも困ったときに問い合わせをする場所を探すのが、どこのIT企業でも難しいし面倒だ。
 
 たとえばミクシィ。ユーザーが1000万人を突破しているが、ミクシィの従業員は300人にも満たない。単純比較するのはおかしいが、人口1000万人の東京の都職員数が2万人を超えることを考えると明らかに少ない。二百数十人でメール対応さえおぼつかないと言われても仕方がないだろう。
 
 現に、ミクシィに2、3回メールで問い合わせをしたことがあるが、すぐに来たメールはフォーマットされたメールで「お問い合わせありがとうございました。ただいま返答させていただくのに時間を要しております」といった内容のメールであった。そのあとに来た担当者からのメールも、こちらの意図とは違う摩訶不思議な内容となっており、「IT企業は所詮こんなものか」とあきらめた。電話の問い合わせなら1、2分で済む内容なのに、全く歯がゆい思いをした。
 
 読売新聞の記事によれば、グリーは「メールの方が対応の記録を管理しやすいし、電話対応だと人件費がかさむ」、ヤフーは「電話が殺到すると業務の混乱を来す」との理由だ。両者に共通しているのは、自社防衛の文言だけ。無料でユーザーを機械的に増やしておきながら、肝心の問い合わせには消極的なのだ。電話は苦手、ネット上のやりとりなら得意、そんな若者気質すら感じさせる若いIT企業。
 
 要するに、無料でサービスを利用しているユーザーは”お客様”ではないのだ。本当のお客様は広告主であるスポンサーである。何か製品を買った消費者であれば、メーカーは電話窓口を持っているが、タダでサービスを利用しているユーザーは、ユーザーであって消費者ではないのだ。
 
 毎日新聞の万能川柳で「詳しくはブログを読めという会見」(久喜市・青毛のアンさん)という川柳があったが、言葉を発することに恐れをなしている日常が当たり前になってしまった。携帯電話やネットの普及は、個人も法人も、口に出すことに躊躇する人口を増やしているだけなのかもしれない。
 
 
  
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★ 電話も通じぬIT企業、増える「窓口はメールのみ」(読売新聞・08/12/27)
★ カスタマーサポートに問い合わせ(本ブログ・04/12/18)
 
 

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