IP電話見積もり2億円→820万円で構築 秋田県大館市

200717639_52 秋田県大館市二井田にある寺へ祖父母の墓参りに行くと、必ず手を合わせるお墓がある。江戸時代の思想家であり医師であった、安藤昌益の墓だ。母の先祖になるので、多少は私も血を引いているかもしれない。近くには石碑もあり、”観光スポット”にもなっているようだ。
 
 失礼ながら、その大館市というと話題がなかなか出てきてくれなかった。秋田犬の原産地であること、骨格に秋田杉を使った「大館樹海ドーム」は話題になった。合併した旧比内町は比内鶏で有名だが、産地偽装事件があった。
 
 そんな大館市から話題。IP電話を自前で構築したというのだ。最初に業者が提示した見積額は2億円であったが、自前でシステムを構築した結果、総額820万円で済ませてしまった。大館市は旧比内町と旧田代町と合併し現在に至るが、旧町役場などの建物を分庁舎や事務所などとして利用。8庁舎9事務所間の連絡に通常の電話回線を利用していたため、電話料金が多く発生していた。
 
 市がIP電話導入を検討という話が出たときに、それをたまたま耳にした職員が「自前でIP電話を構築したらどうか」と提案した。商工課の中村芳樹さんだ。中村さんは中学時代からパソコンを使い、独学でプログラミングも学んだ。IP電話網の構築にオープンソースソフトウエアである、Asterisk(アスタリスク)の利用を提案したのだ。
 
 その2007年当時、導入事例が多くなかったことから、中村さんは実際にIP電話をこの方法で構築した。自宅で使用し、市庁舎に20台のIP電話を導入、通話に問題がないことを確認した。総延長9kmに及ぶケーブルも職員が敷設し、08年4月に大館市はIP電話に移行完了した。IP電話は停電時には使用できないので、予備電源で補強を施した。緊急時に対応できるように、これまで使用していたアナログ回線も複数本残した。IP電話間の通話は無料(例外あり)なので、従来の電話代の3分の1に当たる400万円ほどが節約されたという。
 
 私は最近、インターネットで通話のできる無料ソフト「Skype(スカイプ)」のボイスチャットを経験した。「音声不明瞭」との噂を聞いており不安であった。だが、携帯電話より悪い気もするが無料でこの品質なら不満はない。IP電話は通常の電話回線より比較的音質が悪いが、大館市のように庁舎間での通話であれば問題がないと言い切れる。
 
 どの自治体も企業も、節約できるところは徹底したコスト削減がされている昨今である。日本航空では飛行機を少しでも軽くして燃料費節約のために、座席においてあった機関誌を廃止、食器も軽量なものに替えるなどの涙ぐましい努力をしている。
 
 そこまでやるかという気もするが、日本人はこういう局面には強いと思う。「もったいない」精神は日本から世界に発信されている。大手企業は次々に人員削減をしているが、大館市の中村さんのような人は必ずいる。そうした潜在的能力のある人員まで削減してしまっては、本当にもったいないことになるだろう。
 
 現場の声を拾い上げ、それを実行に移した大館市。「皆で働き、誰もが平等」という安藤昌益の精神に通じるところがあるかもしれない。
  
 
☆ いいアイディアなら、さっさとやってしまうことだ。許可を得るよりも、謝るほうがずっと簡単なのだから(Grace Murray Hooper) 
 
 
★ IP−PBX導入による、IP電話システムの構築について(秋田県大館市)
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★ 愛犬が飼い主救う 米国(本ブログ・08/10/1)
★ 秋田県、大きく減少 存続危機(本ブログ・08/6/24)
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