首都圏で大規模停電(2006.8.14)
昭和60年11月、私は通学中の電車内の異変を感じていた。ダイヤが乱れ、下り方面であるにもかかわらず、車内は大混雑。「これは間に合わない、遅刻だ」。そして学校に到着すると、教室にはほとんど生徒がいない。
担任の先生が「今日はダイヤが大幅に乱れているので、休校にします」。帰りの電車はさらに大混雑。帰宅してニュースを見てみると、過激派が国鉄(現:JR)の主要通信ケーブルを切断、国電(当時の通称)と乗り入れしている私鉄、営団地下鉄(現:東京メトロ)、都営地下鉄などが完全にストップ、主要駅周辺は電車を待つ出勤途中の人であふれた。当時はこの事件を「国電同時多発ゲリラ事件」といっており、「テロ」という言葉は使われていなかったようだ。
そうした記憶があったので、今回の首都圏での大規模な停電は「テロか」と一瞬疑った。お盆休みで混雑している都内の主要駅や施設は軒並み機能停止、道路信号も消えて警察官が交通整理する事態になった。
とりあえず、テロでもなくこれといった人的な被害がなかったのは幸いではあるが、人が集まるところというのはちょっとしたライフラインの寸断で簡単にマヒをする。略奪行為もなく、この部分は日本的ですくわれた。
電力に頼って生活していることを思い知らされた事故ではあるが、こんな簡単なきっかけで我々の生活は乱れてしまうのである。。災害に備えて、普段の心構えをもう一度確認しておくべきであるが、夏休み中のスキをつかれた事故であった。
☆ 左手は右手ほど器用ではない。だが、だからこそ右手より役立つことがある。 (パウル・クレー)
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★ 首都圏で大規模停電、139万世帯に影響(産経新聞・06/8/14)
★ 国電同時多発ゲリラ事件(Wikipedia)