広島女児殺害事件 被告に無期判決
昨年11月に広島市で起きた、小一女児殺害事件の判決が広島地裁であった。検察側の死刑求刑に対し、判決は無期懲役だった。判決理由で裁判長は「陵辱したあげく、尊い命を奪ったが、被害者は1人であり、計画性はなく、前科も立証されていない」などと述べている。また「一生を持って償わせるのが相当であり、仮釈放は可能な限り慎重な運用がなされることを希望する」と付け加えた。
この事件だが、当初は殺害行為のみが報じられていたが、実は非情なわいせつ行為が伴っていたことが明らかになった。これは報道側の配慮もあったことだが、被害者の両親が「真実を世間に公表して欲しい」との訴えがあり公になった。
厳罰を望む世論に対して、裁判所の判決はそれとはかけ離れたものになっている文言がある。死刑選択の基準を明示する際によく出てくる「被害者は1人」というのがそれだ。犯罪が凶悪化している現状で、その態様が劣悪であれば、被害者の人数や負傷の程度を、加害者の量刑のために過度に考慮する必要があるのか疑問が生じる。
加害者の矯正も大切ではあるが、被害者の無念さをどう理解すればいいのか。この被告、わいせつ行為のあとに殺害している。犯意が2度起きているのに、「計画性がない」という部分はいかがなものか。被害者の受けた恐怖や絶望感は想像することができない。
「悪魔の声に支配されていた」という、ペルー国籍のホセ・マヌエル・トーレス・ヤギ(34)被告側の主張。こどもは天使であるというが、悪魔に支配されてしまったのは、木下あいりちゃんという、たった7才の天使である。
★ ヤギ被告に無期判決 広島女児殺害事件(朝日新聞・06/7/4)
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