96年の立教大生殺害 父親が「捜査終結」を要望 警視庁は「捜査は続ける」 東京・池袋
96年(平成8年)4月11日午後、東京都豊島区のJR池袋駅で、立教大生のSさんが男とぶつかって口論となり、山手線のホームで殴られて転倒、死亡した事件で、Sさんの父親が捜査打ち切りの要望書を警察庁に提出した。父親は「法改正前に発生した息子の事件にさかのぼって(時効撤廃を)適用するのは法の平等に反する」と語っていた。
この事件は当初、傷害致死事件として捜査され、時効直前の03年に殺人罪容疑に切り替えて時効が延長された。その後、殺人罪などの時効が撤廃されて捜査が継続されている。警視庁池袋署によると、Sさんを殴った男は当時年齢24〜38歳で身長は170〜180センチ。右目尻に3カ所の古傷があった。
父親は今年に更新のあるはずだった事件への公費懸賞金の更新をしなかった。父親は「事件捜査を継続することで、他の事件捜査への負担になってはならない」と語ったという。しかし遺族として犯人が捕まらない思いは変わらない。事件発生当時は、目撃証言を基に千葉県内まで行って張り込みをしたこともある。
遺族として勇気のある行動である。しかしながら当然、警視庁では「遺族の思いにかかわらず捜査は継続する」としている。法的に捜査をやめる根拠がないのであるから当然である。
駅でのトラブルというのは珍しいことではない。痴漢、スリ、酔った上でのケンカなど多岐にわたる。近年では駅員への暴行事件もあり、身近な犯罪を取り締まることは体感治安を良くすることにつながる。Sさんの事件では、将来ある若者が理不尽に殺害された。この犯人は一生かかっても補足されなくてはならない。
犯人がこのニュースを読んでいるのなら聞いてみたい。あなたが手をかけた青年のみならず、年老いた父親までもが人生を狂わせられた。人の命を取る行為がどれだけの多くの命を傷つけるのか考えたことがあるのか。出頭して区切りをつけようとは思わないのか。自分の人生で、それでいいのか。
※ 犯人の似顔絵はこちら↓
★ JR池袋駅山手線ホーム立教大生殺人事件(警視庁)
★ 立教大生殺害事件の捜査打ち切り要望 遺族、時刻巡り(朝日新聞・12/4/16)
★ 立教大生殺害事件で捜査集結を要請 被害者の父「法の原則ゆがめる」(産経新聞・12/4/16)