言葉のリサイクル

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13歳のわんこが倒れた日

 母から電話があり、「ナナが散歩中倒れた」と涙声であった。ナナというのはミニチュワシュナウザーのメスで13歳になる。もう一匹の9歳ペコと散歩中、柴犬と遭遇した。吠える柴犬とペコ。そしてナナも吠えた瞬間、倒れて動かなくなった。すぐにくるりと回って生まれたばかりの子馬のようによろよろ立ち上がったという。
 
 動物病院に連れて行き診てもらうと、高齢のために心臓が弱っている、とのことで、散歩は庭先でトイレを済ませる程度にすることになった。あとは興奮させずに余生を送らせるとのことである。
 
 ナナが来た当時は雑種犬がおり、若かったナナは雑種犬にケンカを売るようにパンチを食らわせていたほど元気だった。
 
 ナナは奇跡的にうちに来た犬であった。ペットショップで働いていた妹が具合の悪い犬や猫を置いている部屋にたまたま行き、そこを出ようと何気なく振り向くと、「子犬だったナナがこちらをみていた」のだという。そのままナナはうちの家族の一員となった。
 
 元々具合が悪かったこともあり、いつもビクビクしながら近寄ってくるわんこ。そんなナナに異変を感じたのが今月のゴールデンウィーク。いつものように「ナナ!」と近づくと、オドオドしているはずのナナが「ウーッ!」とうなり声を上げた。散歩に連れて行っても途中で止まって動かなくなった。
 
 平成12年に雑種犬が天国に旅立ったとき、当然悲しかったが、その時と同じ悲しみをもう一度体験しなくてはならない、そんな時期が近づいている。
 
 ナナは「お座り」「お手」「おかわり」しかできないが、ただそこにいるだけでいい、そんな家族同然の存在だ。
 
  
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