言葉のリサイクル

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教習所の思い出

 自動車の教習所というと「公認」のところが当たり前だが、私は「非公認」の所に行った。ここの宣伝文句が「最短で10日間で免許取得可能!」ということで、これならば、と思ったのである。
 
 自宅近くの事務所から無料送迎バスが出ていて、そこから1時間ほどの教習所に行った。待合所はタイヤもとれてさび付いて壊れたバスの中。6月だったのであつかったが、クーラーも何も無し。ここで名前が呼ばれるのを待つのである。
 
 ここの教習所は「好きなだけ予約して運転の練習ができる」というのが利点だが、非公認なので、学科試験も実技の試験も「運転免許試験場」にいって受験しなくてはならない。これが大変だった。
 
 学科試験は独学で難なくパスしたが、運転実技試験が大変。運転免許試験場の試験官というと現職の警察官である。試験コースの中を指示通りに走行するのだが、怒鳴られたし、萎縮してしまって大変だった。
 
 仮免は実に3回目で合格。
 
 本免になると試験場の外を運転するのだが、ここでは仮免の時とうって変わって試験官は優しくなった。ところがうっかりミスを犯してしまい不合格となった。
 
 後日の2回目も不合格。
 
 「俺は運転する才能がないのでは」
 
 そう、しょんぼりしてしまい、しばらく試験場に行くのをやめた。そして非公認教習所に通い始めてから5ヶ月。本免4回目でやっと合格できた。
 
 そんなわけで、先日の免許の更新もそこの運転試験場は避け、新宿の更新センターに行ったという訳である。
 
 ただ、何度も教習所で練習したこと、試験場では試験官に怒られたことがいい経験となり、運転そのものは自信がついたのである。
 
 そこの教習所は残念ながら数年前に潰れてしまった。
  
 
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