2009年のニュースを振り返る・6【ネット犯罪】

【スマイリーキクチさんのブログ炎上】———-
 
 「足立区出身の元不良」。お笑いタレントのスマイリーキクチさん(37)がデビュー当時に掲げたキャッチコピーが騒動の始まりだった。足立区で89年に起きた少年らによる「女子高生コンクリート殺人事件」の犯人ではないか、そういう事実無根の誹謗中傷がスマイリーキクチさんのブログコメント欄に殺到した。「殺人犯のくせになんで芸人をやっているんだ」「人殺し」。
 
 スマイリーキクチさんは警視庁中野署に被害届を提出。警視庁で執拗な書き込みをした18人を特定し、名誉毀損容疑で書類送検した。ブログの”炎上”で検挙者が出たのは全国でも初めてのことである。容易にコメントが書き込める部分が芸能人のブログにアクセスしやすい環境を産む反面、悪意のない発言でも誹謗中傷の危険にさらされる。スマイリーキクチさんの場合は全く事件とは無関係なのは明白である。殺人犯がタレントとして芸能活動ができるはずがないことは考えれば分かることである。警視庁は送検した18人以外にも、「殺す」と書き込みをした20代の女を脅迫容疑で書類送検した。
 
 
【ブログやプロフでも個人攻撃】———-
 
 学校裏サイトなるものが開設され、そこでは実名を上げて「○年○組の△△は生意気だ」「死ね」などと誹謗中傷の限りが尽くされていた。言われなき事に対して、相手は匿名であり対抗手段がない。ひどいものになると本人になりすましたブログが開設されて個人情報が勝手に公開される被害も出ている。被害者の中にはノイローゼになった人もいれば、不登校になった人もいる。
 
 警察庁によると、08年にブログなどで中傷された被害は11,516件にも上り、問題の根深さが明らかになっている。名誉毀損罪は書かれた内容の真偽は問わない。殺人犯に「人殺し」といっても名誉毀損罪が成立する。それだけ人の名誉や権利については法で手厚く保護されている。
 
 こうした犯罪になり得る書き込みは「ばれない」と思っている者が多いようだが、多くはIPアドレスやリモートホストなどから追跡ができる。ブログやホームページなどでは、アクセス解析機能をつけている人もおり、迷惑コメントがどの地域からのアクセスかを知ることは容易だ。住所の詳細までは分からないが、それを元にプロバイダや警察が発信元を特定することが可能なのである。そうした迷惑行為を収集し、公開しているサイトも存在する
 
   【闇サイト殺人、2人に死刑、1人は無期判決】———-
 
 「話を聞いて」「お願いだから殺さないで」。07年8月、帰宅途中のIさん(当時31)は男3人に拉致され、車内に監禁された。包丁を突きつけて脅し金やキャッシュカードを奪った。そのあと男たちは情け容赦なくIさんを恐怖のどん底に落とし、殺害した。
 
 逮捕された男3人は、インターネット上の「闇の職業安定所」で出会った面識のない者同士。それが面識のない被害者を拉致して殺害した。インターネットがなければ起こらなかったであろう犯罪。3人は強盗殺人などの容疑で逮捕される。  
 
 3月18日の名古屋地裁は神田司(38)、堀慶末(33)の2被告に死刑判決を言い渡した。死刑の判断基準となっている「永山基準」は「要素の一つで、絶対的な基準ではない」とした画期的な判決だった。つまり、被害者が1人でもその事件態様が悪質であれば死刑になる判断をした。当然の判決である。被害者が少ないために極刑にならないのであれば、犯人たちは相手を数えて事件を起こしうる。もう1人のK被告(42)は事件翌日に「被害者の懇願する声が頭を離れない」と警察に自首した来たことで無期懲役となった。
 
 3被告はそれぞれ控訴をしたが、死刑判決を受けた神田被告は控訴を取り下げ、死刑が確定した。検察は無期懲役となった、K被告に対しても死刑を求めて控訴している。
 「闇サイト殺人」は最悪の例であるが、スマイリーキクチさんやプロフなどで個人攻撃を受けて恐怖におびえた生活を余儀なくされる被害者がいる。平穏な生活を壊すだけでも十分罰に値する。もう一度書くが、誹謗中傷などの迷惑コメントは”アシがつく”ということを肝に銘じたほうがよい。テレビやラジオ同様、双方向でやりとりできる生放送であることに気付かなければ、ネットから現実社会に引きずり出される覚悟が必要である。    
 
 
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★ ブログ「炎上」させた18人を名誉毀損で検挙へ(本ブログ・09/2/5)
★ 闇サイト殺人、3被告に死刑求刑 名古屋(本ブログ・09/1/20) 
 
 

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