2009年のニュースを振り返る・7【千葉県内の3事件】

【女性店員刺殺、次女監禁の男の容疑者逮捕 逃げられなかった次女】———-
 
 千葉市花見川区の花見川団地内で、洋服店従業員の女性(61)が首を切られて刺殺され、その次女(22)が連れ去られた事件は、住所不定職業不詳の男の容疑者(28)を特定して指名手配した。容疑者が逃走に使った乗用車を手配し、Nシステム(ナンバー読み取り装置)を利用し追跡したところ、東北道佐野インターで降りたことが判明、千葉県警は佐野市内を中心に捜索を始めた。
 
 しかし県警は別の可能性も考えていた。被害者関係者名義で、沖縄行きの航空券が買われていた情報を得て、捜査員を沖縄県に派遣した。その結果、那覇市内の携帯電話ショップ前で容疑者を発見、捜査員20人が取り囲み身柄を拘束した。その様子はテレビカメラにも収められていたが、抵抗こそしなかったものの、ふてぶてしい態度に見えた。連れ去られた次女は自分の名前を名乗り無事に保護された。
 
 8月13日、千葉地検は女性を刺殺した殺人・銃刀法違反容疑で容疑者を起訴、次女の連れ去りに関しては捜査中であることについて処分保留とした。次女が身体的な拘束をされておらず、逃げる機会があったにもかかわらず容疑者と行動をともにしたことについては、ストックホルム症候群の状態になっていた可能性を指摘している。
 
 ストックホルム症候群は、監禁や誘拐などの被害者が、長期間に渡って容疑者と行動をともにすることで、容疑者に対して同情や好意を抱くなど特別な感情を持つ心理状態を指す。1973年にスウェーデンで発生した銀行立てこもり事件で、解放された人質が容疑者をかばうような発言を繰り返したことから命名された。こうした心理的な監禁でも有罪になった例は過去に判例がある。地検は翌9月に、次女を監禁した逮捕監禁罪で、沖縄に行く前の1日間についてのみ、容疑者を起訴した。
 
 この事件の前に、名古屋市内で次女が容疑者に車で連れ回されて保護される事件があった。この時、容疑者の車にはナイフがあったが、愛知県警は立件せずに厳重注意して帰した。警察庁は積極的に事件として立件するように全国の警察本部に指示を出したが、ストーカー被害が完全になくなっているとは言い難い。
 
 そもそも、女性をつけて歩く不審者は実際はもっと多い。私の知り合いでは、事件まで発展しなくても、「家の前に着いたところでナンパされてショックを受けた。家まで尾行されたことに気づかなかった」という女性もいる。また、別の女性はあまりにも不審者が多かったことから転居を余儀なくされるなど、警察に相談するところまでいかない事案もあるときいた。
 
 実際にこうした事案で警察に相談して、果たして防犯がどれほど機能するものなのだろうか。警察も人員的に限界がある。そうなると、ストーカーを寄せ付けない雰囲気を相手に抱かせることが重要になってくるが、それでも早めに警察に相談することにためらわないことだ。
 
  
【英国人講師殺害・遺棄、整形して逃走の男の容疑者逮捕】———-
 
 有力な情報がなかった事件だが、事件が急展開をしたのが11月。千葉県市川市でイギリス人講師の女性を自宅に遺棄したとして指名手配されていた男(30)が名古屋市内で整形手術を行っていることが分かった。病院からの通報で分かったものだが、その後、整形前と整形後の写真が新たに公開されることとなった。
 
 男は大阪府内の建設会社に勤務していたことも判明。会社の寮を家宅捜索したところ、男の指紋が検出された。警察は府内のネットカフェなどを集中的に捜索していたところ、大阪市住之江区内のフェリーターミナルに「男に似た男がいる」という通報を受けて大阪府警の捜査員が男を職務質問、自ら捜索していた男であることを認め、住之江署内で逮捕された。
 
 千葉県警行徳署に移送されたあと、男は2週間ほど断食や黙秘をするなどして”抵抗”したが、その後は食事もするようになり、死体遺棄罪で起訴された。男は「殺意はなかった」などとしたが、千葉地検は殺人と強姦致死罪で追起訴した。
 
 首を絞めて死に至ったことについては、性的暴行の一部であり、殺害行為でもある「観念的競合」と地検幹部は判断している。1つの犯罪行為が複数の犯罪を構成するもので、刑法54条では罪の重い方で罰することを定めている。奈良市の女児殺人事件、広島市の小1女児殺人事件でも適用されている。(参考・読売新聞/東京朝刊・09/12/24)
 
 男は「殺すつもりはなかった」、「逃亡生活の中でも謝罪の気持ちを持ち続けていた」などと話しているという。整形までして逃走した男に、謝罪の気持ちがあったとは到底思えない。長期にわたり逃亡しておきながら、とってつけたような”謝罪の気持ち”など信用できない。
 
 
【千葉大女子学生殺人放火事件、被害者口座から出金の男の関与か】———-
 
 10月22日、千葉県松戸市内のマンションで、千葉大学4年の女子学生(21)が殺害された上に放火されているのが見つかった。何らかのトラブルが原因かと思われたが、事件は別の可能性を示唆している。
 
 被害者のキャッシュカードを使ってATMから現金を引き出した男の写真が公開された。その後、千葉県内で起きた強盗強姦未遂事件で逮捕された男(48)が、女子学生のキャッシュカードから出金していたことを認めた。しかしそれ以上の供述は得られておらず、千葉県警松戸署は慎重に捜査を進めている。
 
 被害者のキャッシュカードを持っている以上、女子学生の死亡に何らかの事情を知っているものとみられているが、今では男の供述を崩すしかないようである。被害の状態が、相手を脅して乱暴し、キャッシュカードの暗証番号を聞き出すなど共通点が多い。「キャッシュカードは拾った」といっている男の供述を精査しなくてはならない。男の欲望のために何ら落ち度のない被害者が生まれてしまうことが残念でならない。警察の底力を是非見せてほしい事件であり、早期解決こそが被害者へ供養となり得るだろう。
 
 平穏な生活を壊すような者というのは、規範意識が崩壊している。そんな人間からどのように身を守ればいいのだろうか。強盗、窃盗、ひったくり、そうした罪を犯すものは犯罪が生活の一部となっている。捕まえても捕まえても凶悪事件はなくならないところにむなしさを覚えることもある。しかし、間違いは間違いだと声を上げることを忘れてしまうことも、そうした輩の欲をのさばらせておくことになるのである。
 
 
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