防衛「庁」が「省」へ昇格へ
防衛庁が防衛省に昇格される法案が衆議院で可決され、通過した。参議院で審議された後に正式に発足する見通しとなる。これまで自衛隊の最高指揮を執っていたのは首相であるが、有事の際の手続きが煩雑で、トップダウンに時間がかかった。省に昇格することで迅速な対応が期待できるという。
イラクの自衛隊派遣など、自衛隊は一定の国際協力を評価されている。国際平和維持活動(PKO)などに迅速な対応ができることは、国際社会で日本が生きていくための重要な仕事である。
防衛省になると軍事国家になるのではないか、という向きもあるだろうが、日本海で北朝鮮による不審漁船が侵犯してきたとき、海上保安庁の巡視船が発砲したことがあった。当時の海上保安官は「これは大変なことになる」と感じたという。国際問題に発展するかもしれない事案に「海の警察」ではその任務に限界がある。あの時、海上自衛隊がすぐに動いていたら、事態は変わっていたかもしれない。
多くの国が軍隊を持ち、防衛省なみの権限のある組織がある中で、防衛庁でやりくりしてきた日本を誇りに感じていた。
それは日本国憲法9条で、
1 「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」
2 「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」
とあるからだ。これは日本国民の心の中にある不文律である。防衛組織が昇格してもこれだけは変わることがないことを期待したい。
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★ 防衛「省」昇格法案、衆院通過 来年1月発足へ(産経新聞・06/11/30)
★ 8月15日(本ブログ・06/8/15)