言葉のリサイクル

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大津市の人身事故

 
 かつて遭遇した事故は東京・渋谷区内の表参道の道路。左折しようと速度を緩めたところで後ろから追突された。そのはずみで左前方に駐車していた黒い乗用車にぶつかってしまった。3台の事故だが、車の軽微な損傷はあったものの運転手は全員無事であった。
 
 もしあの時、追突されたはずみで歩道にいた多くの人たちに突っ込んでいたらどうなっていたのか。それを考えると今でも背筋が凍る。
 
 大津市で起きた事故では保育園児の男女2人が亡くなった。園児たちは保育士の女性3人といつものように並んで歩道で信号が変わるのを待っていただけである。そこに交差点を右折しようとした女の容疑者(52)が運転する乗用車と、直進してきた女性(62)の軽自動車が接触。そのはずみで女性の軽自動車が近くの歩道にいた園児たちに突っ込んだ。
 
 いわゆる「右直(うちょく)の事故」である。人や車が交差する交差点はこの種の事故が多い。事故を防ぐためには交通規則を守るしかない。報じられている事故はほとんどが運転手の過失によるところが大きいように感じる。
  
 運転をしていると保育園児数人が保育士の先生たちと小さく歩いている光景を見かけることがある。先生は私を見つけると園児たちをとめて私をやり過ごそうとする。先生はみんな私の方を見ている。その期待に応えるべく、園児たちの隊列と大きく距離をとってゆっくり通過した。別のときでは交差点を渡ろうとしていた園児たちを発見したので3メートルほど手前で止まって譲った。
 
 至って当然の行動なのだが、このときに考えたのは園児たちを怖がらせないことよりもむしろ、園児をかばうようにこちらを見ている保育士の先生たちを安心させるためであった。とにかく保育士先生たちは園児を連れて外で歩いているときには車の動きに目を光らせているのがよく分かる。
 
 10連休前にも神戸・三宮と東京・池袋で大きな人身事故が起きた。被害者には何の落ち度もない事故であった。被害者やその家族にとって明るいはずの未来が暗転した。呼吸をするかのように訪れる時間が奪われた。優しい、かわいい、勇ましい、そんな魂に触れることができなくなってしまった。亡くなってしまった人たちの無念を忘れずにいたい。自戒を込めて交通ルールの確認を広めたい。
 
 大津市の事故について、記者会見で園長先生の女性が号泣されていた。こういうときに自分が目の前にいたとしても、かけることのできる言葉があまりにもなさすぎて、とても辛い。

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