男性の被害者
男だが、痴漢被害に遭ったことが3回ある。
最初は中年で大柄な外国人女性だった。完全に”ストライク”であり、電車内の揺れのせいとか混雑が理由ではなかった。2回目は30歳前後のサラリーマン風の男。「混雑しているから当たっている」と思っていたが、気持ち悪いから車内を移動するとついてきた。ここまでは私が若かったころの話である。
3回目は60代くらいの男。車内は混雑しておらず、吊革につかまっていた男は明らかに不自然に体勢で私の足に触れてきた。周りの女性もその光景を奇異に感じていたらしく、その男を見ていたがその被害に遭っている私もかなり惨めな状態であった。これは昨年の出来事であり私は若くない。ちなみに私の近くに若い男の子がいたのだが、そういうことではないらしい。
いずれにせよ、こんな状況に遭遇したら痴漢被害に遭っている若い女の子が声を上げるなんて相当な勇気がいる。通勤通学中は時間が無いし、なんだか面倒なことになりそうだ。実際に私もそう感じた。頭にはきたものの、その手を捕まえて警察に通報しようという気はなかなか起きない。そもそも警察は取り合ってくれるのだろうか。一笑に付されたらかえって嫌な気になる。
小川たまかさんというかたが、「声とかでないし、逃げられないと思った」という男性痴漢被害者の声を聞いている。ここに出てくる被害男性は警察に通報しておらず、「怖いと思った」というのが共通認識である。小川さんによれば、女性でも「痴漢被害に遭っても警察に通報・相談しない」と答えた人は304人中271人(89.1%)であるから、周りの協力が得にくい男性被害者の潜在的な数というのはもっと多いのだろう。
痴漢行為は都道府県の迷惑防止条例で取り締まられ、その態様よっては強制わいせつ罪や暴行罪や器物損壊罪にもなりうる。被害者側も加害者側を携帯電話で撮影する、相手の”所持品”を確保するなどの対抗策を講じている。継続的に被害に遭っている人は警察に相談している。鉄道事業者も駅や電車内に防犯カメラを設置するなどしている。
最近では「痴漢は犯罪です。私は泣き寝入りしません!」というカードをバッグに付けて防衛に成功した女子高校生の話が話題になっていた。言葉というのは時に大きく人の気持ちに訴えかける。犯罪被害者のみならず、世にはびこる悪い気持ちを中和するのはこのようなささやかな一歩である。
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