ネットでの書き込み信用性は? 食べログで客激減 飲食店が提訴
ネットで母親に贈るチーズケーキを探した。何しろチーズケーキ大好きな母である。とはいうものの、ネットで食べ物を探すというのは冒険である。とりあえず見つけてみたが、口コミのレビューがあまりよくなかった。「小さい」「高い」というものばかりで不安であったがとりあえず購入した。
飲食店の口コミ情報などを載せているサイト「食べログ」に、事実に反する内容が投稿され、客が激減したとして、札幌の飲食店経営会社が同サイトを運営する「カカクコム」(東京都)に対して、情報の削除と損害賠償220万円を求めて札幌地裁に提訴した。
同社は食べログに店の情報を登録したが、「出てくるのが遅い」「まずい」などの投稿が掲載され、メールでカカクコムに削除を要求。しかしカカクコム側は「内容に違法性がないので削除には応じられない」と拒否した。
人の感覚、主観というのは十人十色だ。だから参考にするにしても、絶対的ではない事を承知するべきである。逆に良い評判しか書いていないのも勘ぐりたくなる。ネットは気軽に投稿できるのがよい反面、それを鵜呑みにしてしまう人たちがいる危険も考えなくてはいけない。
違法な書き込みならともかく、「まずい」という程度では書き込み自体に違法性がないのは明白だ。しかし、それが営業に直接結びつく可能性のあるものであれば、それを放置したサイト側は営業妨害、つまり偽計業務妨害罪に問われる可能性がある。「書き込みによって業務を妨害された」というのは、「学校に爆弾を仕掛けた」といった内容に似ている。今回提訴した会社は民事訴訟による損害賠償請求であるが、刑事罰を求めたとしたら、カカクコム側はどう対応するのであろう。
母に贈ったチーズケーキ。母から電話があった。「ありがとう。あれ、ご近所にも分けてあげたら『どこで買ったの?』と言われるくらいおいしかった。悪いけどもう一度送ってくれる?」と感激した様子であった。あれだけ感激されると贈った方もうれしい。
再度贈ったついでに自分でも食べてみた。器は素っ気のないアルミの器であったが、確かにおいしかった。至福の時間を口に頬張りながら思ったことは一つ。ネットの情報は自分で確かめなければ当てにならない、ということだった。
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