車での避難で巻き込まれた人 震災時の車は禁止 被災地と首都圏

 3月11日の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)では地震そのものよりも津波の被害が大きかったといえる。高台に避難した人、建物の屋上に避難した人は難を逃れたが不運にも波にのまれてしまった多数の方がいた。
 
 被災地では車で避難をしようとして高台方向に車が集中して渋滞が発生した。そこで車を置いて逃げた人は運が良かったが、車を捨てなかった人の中には波にのまれたケースも多かった。ある男性は有料道路が”唯一の高台”と考え、道路点検のために封鎖されていた料金所を突破して道路本線に入った。その数十秒後に後ろで流されていく車を多数見たという。
 
 東京は震災発生時に多くの帰宅困難者が路上に溢れた。JRは「本日電車の運転はありません」とアナウンスし、多くの乗客を駅構内から出した。そしてタクシーもバスもほとんど乗れない状態になり迎えの車が都心に集中。その結果、車がほとんど動かない大渋滞が発生した。
 
 新宿区ではJR四谷駅周辺の学校を帰宅困難者のために開放するが、瞬く間に毛布が無くなった。毛布の補充を手配するが、備蓄倉庫からわずか3キロ程度の道のりは大渋滞し、届くまでに3時間かかった。同区では今後、備蓄倉庫の数を増やして対応していくのだという。
 
 行政の対策としてはそれで良いが、車が大渋滞したこと自体は憂慮すべきことだ。
 
 非公認の自動車教習所に通っていたとき、学科試験のための勉強は独学であった。そこで覚えた項目がある。「震災時は車は使用しない。運転中の時には車両を左に寄せてキーをつけたまま車を離れる」というものだ。
 
 東京都の場合、震度6弱以上の地震発生で、環状七号線の内側は全面通行止めとなる。国道16号線から東は進入禁止などが決められている。
 
 これは渋滞防止に加え、緊急車両の通行に大きな支障が出るのを防ぐためだ。主要道路には「震災時この道路は車両通行止めになります」と表示があるが、震度6弱ではなかったとはいえ虚しい結果となった。
 
 実際に阪神淡路大震災の時には車が渋滞を起こした。通行規制をしようにも、警察官は別件に対処せざるを得ない状況であり、そこまで人員を割けなかった。
 
 被災地で車に乗って津波から逃れようとした人を非難することはできない。急いで可能な限り遠くへ、そう思われたに違いない。しかし首都圏での車の使用は中止すべきであった。あの混沌とした状況の中で大事故がおきれば警察も消防も動けない。帰宅困難者のみならず、車両を扱う人たちも有事の際の行動を考えなくてはならない。
 
 
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★ 津波被害、避難車の渋滞で拡大 「車で逃げるな」(共同通信・11/5/1)
★ 避難渋滞、津波被害を拡大 促しても車降りる人少数(朝日新聞・11/4/1)
★ 【01】道路交通 阪神・淡路大震災教訓情報資料集(内閣府)
★ 東京都震災対策条例
 
 

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