大阪地検特捜部主任検事を逮捕 郵便不正事件を巡り証拠FDデータ改ざん 最高検察庁

 こんなことがあり得るのかと思う事件が起きた。厚生労働省の元局長、村木厚子さんが郵便不正割引事件を巡り無罪になった事件を巡り、証拠品だったフロッピーディスクのデータを改ざんした疑いが強まったとして、最高検察庁は21日、大阪地検特捜部主任検事の男の容疑者(43)を証拠隠滅の疑いで逮捕した。フロッピーの改ざんは、村木元局長の弁護側が独自に解析をした過程で判明した。
 
 最高検察庁の伊藤鉄男次長検事は「重大かつ深刻に受け止めている。早急かつ厳正に対処する所存であります」と記者会見で発表。終始神妙な面持ちであった。先日無罪判決の出た、村木元局長対する控訴を断念。これにより村木元局長の無罪が確定することとなった。
 
 村木元局長は「こんなことがあり得るのか。こういうことが起こるのなら何を頼りにしたらよいのか分からない。本当に怖かったです。今回の事件全体について、(逮捕された検事)一個人の問題とせずに真相を解明して欲しい」と記者会見で語っている。
 
 フロッピーディスクは、村木元局長の元部下で係長だった、男性被告(41)=虚偽有印公文書作成・同行使罪で公判中=の自宅から押収された。この中には被告が作成したとされる偽の証明書データが保存され、データの最終更新日時が昨年5月の押収時には2004年6月1日だった。しかしその後の7月になって6月8日に書き換えられていた。このデータの改ざんで検察の描いた構図に合致することとなった。
 
 また朝日新聞社によると、被告があの承諾を得てFDの内容を確認したところ「04年6月8日午後9時10分56秒」という最終更新日となっており、大阪地検特捜部が捜査報告書に記した最終更新日時と食い違いが発覚。同新聞社が大手情報セキュリティ会社にFDの解析を依頼したところ、本来「6月1日」であるべき最終更新日時が「6月8日」と書き換えられていた。その書き換え日時は昨年の7月13日午後であったことが判明した。
 
 最高検は証拠品改ざん疑惑の出た21日に緊急の記者会見を開き「報道を素直に見れば、何らかの犯罪になる疑いが濃い。もはや捜査せざるを得ない」と述べ、最高検検事を主任とする特捜チームを立ち上げたうえで、東京高検、東京地検の検事らを大阪に派遣。大阪府枚方市内の容疑者の自宅や地検執務室などの家宅捜索令状を取っていた。
 
 容疑者は一度捜査となれば、地検部長、副部長の次に捜査の指揮を執る司令官となる。これまでに、音楽プロデューサー小室哲哉氏による詐欺事件、民主党・小沢元幹事長公設第一秘書の取り調べなどの大きな事件の捜査を担当した。検察官が証拠を改ざんして捜査をゆがめたという事態に検察幹部は大きな衝撃を受けている。
 
 警察による不手際はこれまでにあったが、それを精査するはずの検察が証拠品に手を加えたということで検察の信頼は大きく揺らぐことになる。人の人生を左右しかねないことをいとも簡単に”操作”しようとした容疑者は「誤ってデータを書き換えてしまった」などと供述しているが、フロッピーディスクの書き換えなど誤ってできることではない。
 
 今後は特捜部の上司ら組織的関与についても捜査のメスが入ることになり、鉄壁の捜査組織である地検特別捜査部に身内である最高検察庁が捜査する前代未聞の事態となった。地検は無実の人を犯人に仕立て上げるべく証拠をねつ造したということになる。村木元局長の弁護側も証拠隠滅容疑で告訴することを検討している。
 
 証拠隠滅罪は、2年以下の懲役または20万円以下の罰金と刑法で定められている。
 
 
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