自転車の死亡ひき逃げは「ひったくり」 少年逮捕 大阪・柏原(2009.6.12)
大阪府柏原市の路上で、無職の女性(73)が自転車にはねられて死亡したひき逃げ事件は、少年によるひったくりによる事故だったことが分かった。府内の少年(16)が女性のカバンを奪おうとして転倒させ、死亡させた疑いがあるとして、大阪府警交通捜査課と柏原署は強盗致死容疑でこの少年を逮捕した。
大阪府内はひったくりが多いことで悪名高い。大阪府警も防犯ネットや雑誌を自転車のかごに載せるなど防犯指導に当たっているが、ひったくりの被害はあまり減っていない。今回のように、ひったくり(窃盗)目的が、強盗致死事件に発展した例は他にもある。99年12月、東京都大田区内で69歳の女性がバイクに追い抜きざまにカバンをひったくられて転倒、女性が死亡する事件が発生、警視庁田園調布署で捜査しているが未解決のままである。
一方で高校生の活躍がまたあった。ひったくり犯を捕まえて逮捕に協力したとして、私立修道高校3年生の二反田淳春さん(18)が広島県警広島中央署から感謝状を贈られた。二反田さんは「怖かったが、いいことをしたのかな」と笑顔を見せたという。
二反田さんは同市中区の路上を家族と一緒に車で通りかかったときに、ハンドバッグを奪われた女性の「泥棒」という悲鳴に気付き、車から降りて、逃走する無職の男(35)を追跡した。元サッカー部員であったので、二反田さんはすぐに男に追いついた。
追跡しているときに男は「見逃してくれ」などと言ったが、二反田さんは「悪いことをしたんだから見逃せない」というと、男は観念して立ち止まった。この間に父の淳二さん(56)が110番通報し、男は強盗致傷の容疑で現場に到着した同署員に逮捕された。男は連行される際に「お兄ちゃんのお陰で人生やり直せる」と二反田さんに握手を求めた。
二反田さんが見逃していたら男は犯罪者のままであった。「正義は勝つ」というが、それだけではなく、罪を犯した者を善意ある人間に導くこともあるのだ。
☆ 真の勇気は、第三者の目撃者のいない場合に示される。(ラ=ロシュフーコー)
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