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インド人学生自殺はいじめか 人権救済申し立て 追手門学院大学は当時調査せず

 07年6月8日、追手門学院大学(大阪府茨木市)に通う在日インド人の男子学生(当時20歳)が大学でいじめを受けたとする遺書を残して自殺した。この件について母親が詳細を調査するように大学側に求めたが、大学側は調査をしなかった。このため母親は大学を運営する学校法人・追手門学院大学を相手取り、大阪弁護士会に人権救済を申し立てた。
 
 母親の代理人弁護士によると、男子学生は「学校で受け続けたイジメ。もう限界です。僕には居場所がありません」などと遺書を残して神戸市内の自宅マンションから飛び降り自殺した。母親は原因究明を大学に求めたが、大学側はこれを放置。今年の2月に「見舞金」30万円を母親に渡し、「相互に何らの債権債務がないことを確認した」とする「合意書」への署名を求めた。遺族は日本語が堪能ではないため、趣旨が分からないまま署名をした。
 
 産経新聞の取材によれば、
・遺族はゼミ担当教授らにいじめの調査を依頼。この教授が再三にわたり、大学側に早期の調査を求めたが「調査対象の学生の親から苦情が出る」として大学側は調査をしなかった。
  
・大学側は自殺から半年後に、相談した弁護士からも「調査すべきだ」と進言を受けたが「大学と小中高(のいじめ)は異なる」、「別の弁護士は調査の必要がないと言った」などとしてさらに放置。
 
・遺族の窓口となっていたゼミ担当教授をこの問題から外し、09年10月の学内人権啓発委員会でも取り上げられたが、それでも調査を放置。
 
 大学側は産経新聞の取材に対して「遺族から要望がなかったので調査しなかった」としているが、同新聞が入手した内部資料によると、大学幹部らは、「遺族は調べて欲しいと言っている」、「(いじめをした)問題であろう学生の名前は分かっている」などという発言があったという。産経新聞は「取材に対し、平然と虚偽の説明をする大学側の対応には根深い隠蔽体質を感じざるを得ない」と結んでいる。
 男子学生は父親が経営するインド料理店を継ぐのが夢だった。店は繁盛していた時期もあったが、父親が病気で療養してからは、男子学生がアルバイトをするなどして生計を支えていた。その父親も「息子に会いにいく」と言って同じ場所から飛び降りて自殺した。
 
 いじめのある大学が存在すること自体が驚きだが、学生の死に対して真摯に向き合うことをせず、遺族の訴えを無視し続けた大学側の姿勢は、最高学府という場所を汚す行為として愚の骨頂である。
 
 大学は31日に記者会見をし、「合意書を取り交わしたことで、解決の一つの区切りが付いたと理解している」などとした。しかし「互いに債権債務がないことを確認した」とする合意書は一体何のために必要だったのか。合意書の存在そのものが調査をしないという大学側の「債務免除」の意思表示そのものではないか。
 
 調査を怠ったことで遺族の権利を侵害した可能性がある。いじめの加害者、その後の大学の対応をかんがみて、不法行為に基づく損害賠償請求(民法709条)が成されることも考えられる。希望を抱いて入学した大学が、男子学生にとって苦しみの場所でしかなかったことは悲しみにたえない。大学が命を冒涜する場であることの恐ろしさである。
 
 
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★ 大学が「いじめ自殺」を隠蔽 「息子に会いに・・」父も後追い自殺(産経新聞・10/8/31)
★ インド人大学生、いじめで?自殺 大学は当時調査せず(朝日新聞・10/8/31)
★ 損害賠償請求の話(2)不法行為責任 (法、納得!どっとこむ)
 
 

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