言葉のリサイクル

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鉄ちゃんよ、”鉄道マニア”になれ。

 マニアとかオタクと呼ばれるといい気はしないと思うが、そう呼ばれることによって世間からある意味において放置されるため、世間の誰にも邪魔されずに自分の趣味に没頭できることがある。かつてパソコンはそれこそ”マニア”ではないと操作できないような感があった。かつてパソコン部に在籍していた私だが、男ばかりの空間であり、女の子が来ると言ったら唯一、文化祭の時にパソコンで占いをやったときであった。
 
 パソコン以外でも、一般の人では興味を持つことのないような代物についての情報を専門誌で得る。そうして”独学”したら、秋葉原に行って店員さんに確認をする。ここで重要なことは、アンダーグラウンドなものであればあるほど、事前に学習していくことがルールであるということだ。店員さんに一から十まで聞くのはルール違反だという暗黙の了解が存在したのである。「これって俗に言う○○ですよね」、「ああ、いわゆる○○ですねぇ(笑)」というように、数少ない言葉のやりとりで大意はつかめたものである。
 
 マニアという言葉と関係はないが、ヤフーオークションもかつては無料で出品・落札ができた。相手とはメールでのやりとりをするので、真摯なやりとりが行われて実にほのぼのした時期であった。しかし利用者が増加してくると、そこには必ず悪のニッチ産業(すき間産業)が栄える。その一つがネットオークション詐欺の出現である。今では当初と比べるとかなり厳格なオークションとなってしまった。
 
 閑話休題。
 
 マニアやオタクであったがゆえに、ある種の趣味を堪能できたのである。ところが最近では”オタク”が一般的になってしまい、守られていたはずの様式や良識がおざなりになっていることが残念である。その一例がかつて”鉄道マニア”と呼ばれ、今は”鉄ちゃん”と呼ばれている人たちであり、その一部が暴走して脱線しているというものだ。
 
 大阪府柏原市のJR関西線で14日、線路脇にカメラの三脚を立てた4、5人がいるのを運転士が発見し、50メートル手前で電車を止めた。事なきを得たが、JR西日本の社員が行った”鉄ちゃん”への説得は30分に及んだ。別の場所では同様の内容で死亡事故も起きている。このほかにも駅構内で列車の写真撮影をするために、ホームに人があふれたり一般客が迷惑したりと不穏な空気が漂っている昨今であるという。
 
 列車に近づくという行為は危険であり、ひとたび事故が起きれば取り返しの付かないことになる。だから鉄ちゃんに言いたい。プライドのある鉄道マニアであれ、と。
 
  
☆ 床の上で自分の子供の電気機関車をいじくって三十分を空費することのできる男は、どんな男でも実際は悪い人間ではない(シメオン・ストランスキー)
 
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★ 暴走鉄道ファン、列車止める 線路脇で撮影(読売新聞・10/2/15)
 
 

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