「事業仕分け人」対 官僚の攻防戦

 
 簿記について明るくはないが、仕訳作業の中に売掛金という勘定科目がある。いわゆる「ツケ払い」のことだ。目に見える収入ではないが、将来に入ってくるかもしれない収入として売り上げ計上される。
 
 事業仕分け人と官僚の攻防が終わった。侃侃諤諤の議論には賛否がある。スーパーコンピュータの予算削減には科学者たちが異議を唱えた。仕分け人の「1位じゃなくて2位じゃダメなんですか?」には閉口した。競争社会、とりわけ、技術立国の日本がわざわざ2位に甘んじることのほうが難しい。科学分野はすぐに答えの出るものばかりではない。研究成果が出るのは先のことだ。英語ノートの廃止についても文科省の担当者は「深い議論の末に決まったことを、たったの60分でカットしてしまうとは」と憤った。
 
 しかし「予算は必要」と言うべき側の「プレゼンテーション能力の欠如」が指摘されている。矢継ぎ早に質問する仕分け人相手に即答できないのはプレゼン能力だけの問題ではなく、コスト意識が低いからだ。職員にコストに関する危機意識がないから質問に対して即答できない。
 
 例えば民間であれば、売り上げが前月比で1割落ちれば経営者は策を練る。商店主であれば、店先で声を張り上げるであろう。公務に携わる人は不況であろうと何であろうと、とりあえず倒産の心配はない。納税が国民の義務とはいえ、「ぜひ、納税を」と街で声をからす人はいない。退職金を自主的に辞退する自治体の長は少数だ。毎年、会計検査院から省庁に対して無駄遣いに対して是正勧告がなされても、国民には一言、「税金を上げます」の施策ばかりに思えてならない。
 
 今回の事業仕分けでは、予算削減された側の怒りも当然だが、無駄の削減をガラス張りにしたことには一定の評価がある。しかし、教育やスポーツ、科学などの分野はすぐに答えの出せるものばかりではないのである。そうしたものに対しては売掛金、すなわちツケ払いとして予算計上してほしかった。
 
 そのプレゼン能力の無かった側の敗北だが、無駄だからカットするだけではなく、もったいないからとっておく、という予算編成もお願いしたい。売掛金が回収できないときは、帳簿にマイナス収支となるが、教育や科学の分野ではそれをマイナスとは言わない。未来への投資は、売掛金以上のプラスの要素を回収できることもあるからである。 
 
 
☆ 日本の損失、そして我が社の損失、非常に残念です。(出典不明・仕事を辞める時、職場の上司からのこのひとこと)
 
☆ 人気ブログランキング(国内ニュース)に参加しています。クリックのご協力をお願いいたします。
 
 
 

(Visited 5 times, 1 visits today)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA