庶民感覚
麻生首相が参院外交防衛委員会で、「カップラーメンは400円くらい?」と答弁した。この答弁に対して「庶民感覚とずれている」と批判があるという。さらには連夜のホテルのバー通いも批判が出ているようである。なぜ防衛を話し合う場において、カップ麺の実勢価格に口角泡を飛ばす必要があるのか分からないが、カップ麺の値段を即答できる組織の長というのはどれほどいるのだろう。
もし、国の首長が「近所のスーパーでは138円で売っている。毎週水曜日は98円になるものもある」なんていう発言をしたらそちらのほうが問題だ。首相だって時にはガード下の赤ちょうちんで飲みたいこともあるかもしれない。和民や白木屋に行きたいかもしれない。これをわざわざ実現しようとしたら、警備側も大変だし、一般客は店から追い出されるであろう。
そもそもカップ麺を庶民的のバロメータとするのもおかしい。この1年ほどの間にカップ麺を食べた記憶がなく、実勢価格を知らない。コンビニで138円ほどのものが、昨今の値上げで150円くらいと推測するが、庶民的思考であろうか。
立場があからさまに違う人を、庶民レベルに引きずり下ろそうとする発想が乱暴だ。会社の社長さんに「一緒に社食で食え」とか「マクドナルドへ行け」と言っているようなものである。「ダブルチーズバーガーセット」の価格を言える感覚が国民の総意ではない。そうした感覚を捨てなければ維持できないものもある。
国防を話し合う委員会で「カップ麺の値段はいくらか」と質問をした民主党議員のほうが庶民感覚とずれている。「お昼の代名詞といえば即席麺です」と言っていたが、いつからそんな代名詞が出来たのだ。
せっかくなので、ここで400円のカップ麺を開発するのも一考の価値があるかもしれない。政府が何となく公認している。そしてカップ麺の値段を知るよりも、保管場所に注意しなければ健康被害が出るということを知るほうが、庶民にとって大切である。
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