マルチ商法
勧誘されやすい顔なのかどうかは分からないが、宗教やマルチ商法に勧誘されてうんざりしたことがある。「悩み事がないか」と聞かれれば、誰でも多かれ少なかれあるに決まっている。「具体化させたい夢を持っているか」と聞かれても同じ事である。冷静さを失った聞き手の心に入り込むのがそうしたものである。
経産省は、マルチ商法でインターネット機器を売っていた「ユナイテッドパワー」が特定商取引法に違反していたとして、業務停止命令を出した。「絶対に儲かる」などと事実と異なる説明で勧誘をしていた。
マルチ商法は、特定商取引法で定義されている連鎖販売取引のことである。ネズミ講が金銭利益を主体にしたものであるのに対し、マルチ商法は品物や役務(サービス)を販売し、そのマージンを受け取ることにある。マルチ商法は悪いイメージがあるが、それ自体は違法ではない。
元の会社があり、その組織に仕える勧誘者が消費者に物を売るという行為は、携帯電話販売店や保険代理業などさまざまなところで散見できる。本ブログに貼ってあるアフェリエイトも全く同じ理屈である。
問題なのは、携帯屋やアフェリエイトが消費者の「直接」の意志で商品を購入するのに対して、マルチ商法は消費者の直接の意志に持っていくのに錯誤(勘違い)させる恐れがあることである。「絶対に儲かる」という文言はなんの根拠もないので違法であるし、副業が禁じられている公務員がそれをすれば違法、友人を招待し、自社商品の購入に誘導する「料理パーティ」なども特定商取引法に違反(ブラインド勧誘の禁止)である。
人を説得して物やサービスを売るというのは技術である。それだけの技術に長けている人は、自ら販売業を起こすか、営業職にでも就けばよいのである。違法なネズミ講と違法でないマルチ商法を一括りに出来るのは、友人関係を崩壊させる危険があることである。そして夢をたたき売りするとは何とも許し難い。
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★ マルチ商法業者に業務停止命令 特商法違反で経産省(朝日新聞・07/8/10)