言葉のリサイクル

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61歳、”ウルフ”の死

 
 昭和の時代に”ウルフ”として親しまれ、平成3年に引退した、元横綱・千代の富士、九重親方が61歳で亡くなった。角界ではあまりの早い死に衝撃を受けている。
 
 千代の富士は、他の力士が圧倒的な体格を誇っていたにもかかわらず、小柄な身体で攻撃的な相撲を繰り広げた。小さい力士が巨漢に立ち向かう姿に支持を得た。
 
 海外での公演でも、小さな力士が大きな力士を投げ飛ばすと歓声が上がる。誰しも、小さな人の偉業に目を見張ることもあるだろう。
 
 九重親方逝去のニュースでは、弟弟子であった日本相撲協会の八角理事長がコメントしていた。「ゆっくり・・・・また二人で飲みたかった」と落胆した表情であった。アナウンサーがその訃報から次のニュースを読もうとしたとき、わずかな時間、沈黙をした。
 
 今年に入ってからのニュースで、取り組みに入る直前に「両こぶしを地面にしっかり付ける」ということを、もっと明確するよう各力士へと通達があった。それまでは両こぶしがついていなくても、その場の雰囲気で取り組みに入ることが暗黙の了解とされていた。つまり、向かい合った二人の呼吸や間合いで取り組みが始まった。
 
 理事長の「ゆっくり・・・」という沈黙、アナウンサーの沈黙、取り組む力士の間合い。人と人との喜怒哀楽のぶつかり合いというのは、こうした「時」で決まる。このような人たちの「時」に「間」が生まれるから、人間であり、時間である。亡き狼の御霊に思いを寄せて。
 
 
 

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