6日目に見つかった男の子 北海道
冒険というと女性よりも男性にその傾向があるような気がする。小さいころに自転車を手に入れて遠くに移動できた。少年になってバイクを手に入れてもっと遠くに移動できた。成人になって車を手に入れて今まで行けなかった遠くに移動ができた。
最近では鉄道に乗り一人旅をする女性も話題となっている。どこへ行くにも交通網が発達して便利な世の中になった。携帯電話やインターネットといった通信手段で繋がっていることも一人での行動を後押ししてくれる。
北海道七飯(ななえ)町の山林で行方不明になっていた男児(7)が隣接する鹿部町で無事保護された。不明現場から数キロ離れた普段は無人の自衛隊の宿舎で過ごしていたようで、発見した隊員によれば元気な様子であったという。
男児は親御さんの言うことを聞かなかったためにお仕置きとして置き去りにされた。一度は車に乗せた父親も、少し進んだ所でもう一度下ろしてその場を離れた。数分後に現場に戻ってきたときは男児の姿は無かった。
現場は草木が茂っている山林地帯でクマの出没も懸念された。所持品なども発見されず、警察や消防の他に自衛隊も投入されたが何の手がかりも無く6日目を迎えたところだった。
この件が海外で報道されていたことに驚いた。特にイギリスBBCは連日報道し、男児の発見時には速報を出した。子どもの教育に関心の高いがゆえの反応である。
しかし大人でも困難である現場を男児はどうやってたどったのだろう。男児は携帯電話などを所持しておらず、その足取りをたどることは不可能である。冒険心のある本能が体力を維持させたのだろうか。
もし、男の子の軌跡をたどれるのであれば調べてみたい。どんなスピードで山道をたどったのか。そしてもっと戻せるならば、置き去り現場となった所に戻ってお父さんに忠告したい。「お子さん、いなくなっちゃうかもしれませんよ」と。そして、もっと戻せるのならば、いたずらをして叱られていた男の子に注意したい。「家族と離ればなれになるかもしれないよ」と。
男の子がいつかこの件を振り返ったときに、たくさんの人たちが捜索に関わったことを忘れることはないだろう。捜索のために尽力した関係者と無事発見を祈っていた多くの人たち、そして一人で行動して耐えた男の子の大和魂を垣間見ることのできた一件だった。
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★ 大和君はどうやって生き延びたのか 行方不明の7日間(BBC NEWS JAPAN・2016/6/3)