介護のお話
知人の話。
今までは介護といえば、「食事補助」、「入浴」、「排泄」のいわゆる「三大介護」が誰でもできる介護として認知されてきた。これは主に家族が行っていたが、家族が核家族となり、サザエさんからドラえもんのような家が増えてきたことにより事情が変わってきた。
昔は行政が介護についての流れを導いていたため、本人及び、家族の選択肢がなかった。2000年に介護保険が登場。現在ではケアマネージャーがいて、本人や家族の選択により介護サービスを選べるようになった。
現在の問題点といえば、人手不足、介護職員の教育の不徹底、社会的認知度の低さに起因する低賃金、それによる利用者が享受するサービスの質の低下、行政の周知不足による、問題を抱えた世帯がサービスに届かないこと(利用できることを知らない)などがある。
介護保険で利用できるサービスは以下のようなものがある。
・デイサービス(施設に行ってサービスを利用し夕方に帰宅)
・特別養護老人施設(医療スタッフがいて長期入所可能)
・ショートステイ(短期利用者)
・訪問介護
・訪問リハビリテーション
・福祉用具のレンタル
・住宅の改修(手すりやバリアフリーのための工事)
資金に余裕のある利用者には、民間が運営する有料養護老人ホームなどがある。
今の介護は自立支援、すなわち、できないことをしてもらうのではなく、できることを見つけて生活の質(QOL=Quolity Of Life)の向上を目指す。そして、利用者の尊厳を維持することを重要視する。その人らしい生活へと導くことは、その人の生い立ちから現在の生活環境を理解することにあり、最後までその人らしい生き方を支援する。それが現在の介護である、とのことだ。
知人は言った。「こうした理念に基づいて運営されている事業所で働ける私は恵まれている。給料は安いけどね」と。なるほど、そこで働いている人が恵まれていれば、おのずと利用者も恵まれることになるであろう。
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