都内から富士山見えたのは126日 明治並みに戻る 成蹊気象観測所
静岡県の人に言わせると、県内から富士山が見えることは何ら面白いことでもないようだ。東京都内から富士山が見える日が半世紀ぶりに倍増して明治時代並みに戻った。成蹊気象観測所(東京・武蔵野市)が明らかにした。大気汚染対策に加え、ヒートアイランド現象により、空気が乾燥したことが要因だという。
同観測所の宮下敦教諭らは、毎日午前9時、4階建ての校舎屋上から調査を行っている。1963年は49日で65年には22日まで落ち込んだ。大気汚染が悪化した67〜71年は、東京タワーが見える日数が富士山よりも下回ったという。
空気がきれいになることは良いことである。高度経済成長期には汚染対策よりも経済優先に大きく舵が切られたことだろう。
空気は澄んできたようであるが、明治時代とは違うことがある。かつて近所から見えるはずだった富士山が見えなくなってきたという話もある。全国には「富士見」と名のつく地名や坂がたくさんあるが、都内に限っていうと、実際に富士山の見える場所がどんどん減っているという。それまで無かった高層建築物が多く建てられているのが原因だ。
都内で富士山が見えることがその地名の地位を確立するわけではない。地名や坂というのはそこに住む住人のなじみ深い日常であるからだ。内陸部で遠くが見える一つの指標が富士山なのである。
背の高い建物からの眺望は素晴らしい。しかしそれは富士山が見えるからではない。日常生活で、何キロも先まで眺めるような機会がないからである。あなたは遠くを見つめて、何が見え、何をさがし、何を想う。
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★ 富士山:都内からの眺望戻った 昨年126日、明治並みに(毎日新聞・13/5/15)