低料金を割りきって使う考え方を
航空会社スカイマークのサービスコンセプトという文書が機内にあるようで話題になっている。以下抜粋。
1. お客様の荷物はお客様の責任において収納を。客室乗務員は収納の援助をしない。
2. 客室乗務員には丁寧な言葉遣いを義務づけていない。安全のために厳しい口調で注意をすることもある。
3. 客室乗務員のメイクやヘアスタイルなどに関しては「自由」。服装はポロシャツとウインドブレーカーを義務づけているがそれ以外は自由。
4. 客室乗務員は保安要員であり、接客は補助的なもの。お客様に直接関わりのない苦情については受けない。
5. 幼児の泣き声等に関する苦情は一切受けない。密封された航空機はさまざまなお客様が乗っている。
6. 機内での苦情は一切受け付けない。ご理解いただけないお客様には退出していただく。ご不満があれば「スカイマークお客様相談センター」か「消費者生活センター」に連絡を。
ということで度肝を抜かれる。つまり、低料金を維持するのだから余計なコストはかけないということだ。思い切ったことではあるが、これも一つのサービスの形である。
どの業種でも価格競争があり、「安くて良いものを」というコンセプトであった。しかし低い利益はそこで働く人の給料を低くさせる。その結果、低賃金で過大なサービスを強いられる割に合わない職場環境で働いている人も多いかもしれない。
某牛丼店で細かい苦情を言っている客がいたが、500円でおつりが来るお店での飲食にどれくらいのサービスを期待するのであろうか。100円ショップで買った物が壊れたからと家まで謝罪に来させる客も理解できない。100円でもお客様であるのは当然である。しかし消費者も買った品物に見合ったサービスを期待しなくてはならない。過剰なサービスを期待することは、そこで働く人を疲弊させる行為である。
生活保護費の問題が話題となっている。同時に、働くよりも生活保護の方が高いという逆転現象も起きている。この場合、生活保護制度に問題があるのではなく、生活保護費を下回る低賃金が問題なのである。政府はなりふり構わない増税論よりも、雇用や景気対策を今すぐにしなくてはならない。お金が潤うことで世の中の問題の多くは解決できるはずである。生きがいを無くせば何のために働き、何のために生きているのかが分からなくなる。
スカイマーク社のようなサービスが気に入らなければ、航空運賃もサービスも高い会社を利用すればよいことである。低運賃を甘受したければ、利用者側の意識も変えればよいのだ。多様な生産価値が示されることは消費者にとってよいことだ。そして消費者も消費価値を見極める時が来ている。
屋台の飲食店にビルの最上階で食べる数万円のフルコースのサービスを求めるのは筋違いだ。サービスを求めるのであれば、そのぶんお金を払いましょう。
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★ SKYMARK
※ low wage industry = 低賃金産業