言葉のリサイクル

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大好きだったCM 「もし鳥だったら・・」

 予備校だか家庭教師だったか忘れたが大好きだったCMがある。防波堤に立つ制服姿の女の子。まっすぐに立っていた女の子が大きな声で言う。”If I were a bird, I could fly !” である。
 
 この文の読みと意味は、イフ アイワーラ バード、アイ クドゥ フライ= もし鳥だったら空を飛べるのに、である。これは英文法で言うところの仮定法である。そしてこの文は仮定法を習うと例文として頻繁に出てくるので、英語学習者なら何度か目にしたこともあるはずだ。
 
 仮定法は事実に反することを仮定していう文法であり、動詞の変化に特徴がある。例えば前述の文章であれば人が鳥になることはあり得ないので、実際に起こりうる可能性がほとんどないことを意味の中に含んでいる。
 
 これを「仮定法過去」というが、現在のことを言っている。動詞が過去形になるので「仮定法過去」と覚えるといい。「仮定法過去完了」も同様で時制が過去形より1つ前にずれて過去完了形になる。
 
 ところで冒頭のCMが好きなのは仮定法が好きだからではない。防波堤の上に立った女の子が、”I could fly !”と言った後に両手両足を広げて大の字になる。制服や髪が潮風に少し流れて、それは本当に若さが飛び立ちそうな、躍動感のある映像だからである。
 
 うつむいて言う後悔ではなく、空を見上げて「もし・ならば」というのはいつも持っていたい。そうすればきっと、ためらいが解き放たれて希望が飛び立つ。
 
 
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