結構毛だらけネコ灰だらけ
寅年だからということではないが、録画していた「男はつらいよ・噂の寅次郎」(1978年12月公開)を見た。昭和53年のこの年に出てくる“マドンナ”は大原麗子さん。32歳の時である。
旅から帰ってきた寅さんに、団子屋「とらや」の皆は焦ってしまう。というのも、大原さん演じる”美人の”早苗がとらやで働くことになっていたからだ。初めて寅さんと早苗がとらやの店先で会うと、寅さんはボーッとしてしまい、いつものように舞い上がってしまう。
早苗は訳ありの身であったが、そうとは知らず寅さんはいつものように明るく振る舞う。旅先で出会った女性がとらやに現れたときの「寅さんってもてるのね」という早苗の笑顔が、大原さんの笑顔がとても可愛らしい。
早苗のように少しばかり困難にぶつかっている人。例えば「どうしたの?」と尋ねたときに「ちょっとね」と表情を曇らせるが、次の瞬間に笑顔になる人。少し苦労を背負っている人というのは素朴な輝きがある。そんな人にわずかな幸せを見つけることもある。小さな自分、それを大きく見せる余裕のある人というのは、努めて幸せになろうとしているから素晴らしい。
最近「頑張らない」という言葉も耳にするようになった。でも頑張るべきだと思う。頑張るというのは自分のできないことをするだけではない。自分のできる範囲で能力を最大限活用することだ。挫折する人の多くは自分の力を最大限に使うことをせずに諦めてしまう。それは自分を飾らず、偽らず、格好をつけない寅さんのように己の道を歩いて行くことだ。世の中、牙をむいて威厳を保つトラばかりではない。
先日一緒に飲んだ友人が「最近白髪が多くてさあ」と笑った。それは人生の年輪を重ねている証拠。年を取ることで幸運なことは、かつての失敗を「あれは若かったから」とごまかせることにある。過去の自分よりも今の自分の方が確実に偉くなっているはず。
さて、2度と出会えない今日という日と、どんなふうに向き合いますか。
☆ 「明るい話題・・・私の人生で、寅さんに出会えたことです」(早苗=大原麗子『男はつらいよ・噂の寅次郎』)
※ 明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。 Nono
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