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鳩山新政権の即効力に期待 通信鳩のように活躍できるか

 
 ハトレースというのがある。一定の距離までハトを運んで空に放し、ハトの帰巣本能で鳩舎に戻る時間を競う。かつて7〜8割だった帰還率も今では半分程度もしくはそれ以下に落ち込んでいる。英国の「王立ハトレース協会」のピーター・ブライアント会長がその理由の1つとして「携帯電話」を挙げている。ハトの帰還率が低下した時期と携帯電話が普及した時期が重なるのだという。
 
 日本のハトレースも同様である。春と秋に行われるレースで、帰還しなかったために次のレースに出せない鳩舎もある。はっきりとした原因は分かっていないが、イギリス同様に携帯電話の電磁波説が根強く言われている。ハトは嗅覚や視覚、磁気を感知して帰巣する。ゆえにレースの最中に地震が発生すると地球の磁場が乱れ、帰還率が落ちることも知られているという。(※)
 
 かつて新聞社の通信手段にこの「通信鳩」が重要な役割を担っていた。古くは電報や電話しか使えなかった昭和初期、最高時速100キロで飛んでいってくれるハトは重要であり、写真のネガや原稿などをセルロイド製の筒に入れて現場から本社に飛ばした。しかし途中で迷子になったり、タカやワシなどの猛禽類に襲われるなどして帰還できないハトもいる。そのために一羽ではなく数羽を飛ばすことが慣例だった。新聞社の屋上には鳩舎があって、ハト係まで存在したというから、携帯電話を片手に世界に向けて画像を発信できる今では考えられない話である。
 
 その後、通信・物流手段の発達で1969年をピークに「通信鳩」などに登録されていたハトは減少した。通信手段は電話、ファックス、インターネットに携帯電話へと変わっていった。
 
 「伝書鳩—-もうひとつのIT」(文春新書)の著者である黒岩比佐子さんによれば、新聞社にはハトの「成績表」なるものが存在し、記者もスクープを狙って優秀なハトを連れて行ったのだという。ハトの寿命は10年、長生きするものは20年であるが、新聞社の「通信鳩」は平均5、6年。黒岩さんが取材したハト係の人は「よく働いてくれたハトほど短命で、鳴かず飛ばずのハトは長生きした」とのことである。
 
 衆議院選で圧勝した民主党、鳩山政権が始動することとなる。マニフェストを読むと、夢のような日本が描かれているが、すぐには手をつけられるものではない。これまであった体制を変えていくのは困難が多い。そして決断力や実行力というのは速さが大切である。それと同時に確実に国民に政策が届かなければ意味がない。有益な政策が迷うことなく放たれて、家に戻ってくるのを国民は待っている。それは短命で終わるか、長生きするかよりも重要な部分である。
 
 
 
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(※参考=読売新聞・98/10/13・東京朝刊) 
★ 暑いので伝書鳩の話(11)新聞社ではたらく通信鳩の悲哀(古書の森日記by Hisako・05/8/18) 
 
 

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