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福岡県警巡査部長を飲酒ひき逃げで逮捕 容疑否認(2009.8.26)

 福岡県飯塚市の国道200号線で24日午後、対向車線をはみ出してきた乗用車が対向車と衝突する事故があった。衝突した車はそのまま逃走、衝突された50代の女性は顔面打撲などのけがを負った。福岡県警飯塚署は間もなく、事故を起こした県警の巡査部長の男の容疑者(49)を道路交通法違反(ひき逃げ)と自動車運転過失傷害容疑で緊急逮捕した。身柄確保時に酒の匂いがしていたが、任意による飲酒検査を拒否、逮捕容疑についても「全く関係ない。車は盗まれた」などと、運転と飲酒の両方を否認している。
 
 このため県警では、身体検査令状をとって血液を採取したところ、血液1ミリリットルから基準値0.3ミリグラムの4倍以上に相当する1.27ミリグラムのアルコール分が検出された。このため県警では、道交法違反(酒酔い運転)と危険運転致傷容疑でも立件する方針。
 
 8月25日は3年前に、福岡市職員による飲酒運転追突3児死亡事故が起きた日。県警では「飲酒運転撲滅運動」などを行っていた。県警の真田稔警務部長は「痛恨の極みであり、県民の皆様に心からお詫びする。事案の重大性にかんがみ厳正に対処する」と頭を下げた。
 3年前の事件を契機にして、ドライバーのみならず、酒を提供した飲食店や同乗者が飲酒運転のほう助で次々と摘発されている。
 
 警察官は一般の人が想像する以上に多くの無惨な遺体を目の当たりにしている。報道で車にひかれた被害者が「体を強く打って死亡」と書かれていれば、それは肢体が無惨にも揃っていない状態を意味する。その警察官のモラル以前のものが欠落していることが腹ただしい。
 
 九州地方のあるベテラン白バイ隊員は、新人女性白バイ隊員をある場所に連れて行った。そこには交通事故防止の石碑があった。かつてこの場所で16歳の少年が事故で死亡したのだという。
 
 ベテラン隊員は「キップを切るために取り締まるのではない。未来ある子供たちが事故に遭わないよう、その一心でで取り締まりに当たらなければならない」と新人隊員に言った。その亡くなった少年とは、ベテラン隊員の甥っ子だった。それを聞いた新人隊員はうつむいて目を赤くした。
 
 交通取り締まりは警察と一般人が接する1つの機会だ。違反者は「これくらいの違反で・・」「なぜ私だけが・・」と思うかもしれない。しかしそれは「これくらいの違反で済んだ」「私だけ助かった」と思うべきである。交通違反は犯罪ではない。だが、小さな違反も気がゆるむと大きな犯罪へと方向転換することを忘れてはならない。
 
 こうした警察官の不祥事で、ひき逃げ事件を捜査している一線の捜査員が気の毒でならない。「飲んだら乗るな」のスローガンは、それを言う必要のない人が声を上げ、聞かなければいけない者が聞こうとしていない現実がある。
 
 
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★ ひき逃げ:福岡県警の巡査部長を逮捕 飲酒の疑いも(毎日新聞・09/8/25)
★ 福岡幼児3人死亡事故 懲役20年 危険運転致死傷罪はこれでいいのか(本ブログ・09/5/15)
 
 

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