地図、読めますか? GPS精度低下の恐れ 米監察院報告

 一昔前、ドライバーが欲しいモノのトップは老若男女問わず「カーナビゲーションシステム」であった。これがあれば地図とにらめっこして、東西南北に混乱させられることなく目的地までスムーズに行ける画期的なもの。現在ではその当時に比べて精度も上がり、現在地により近い表示をしてくれるようになった。しかし、そのカーナビに危機が迫っている。
 現在米軍が運営しており、車や携帯電話、航空機や船舶のナビゲーションシステムに利用されているGPS(Global Positioning System=全地球測位システム)が、早ければ来年から精度低下に陥る可能性があることが分かった。
 
 日本の会計検査院に当たる米議会の行政監察院(GAO=General Accounting Office)によると、現在のGPS衛星が老朽化し、それを補う衛星の開発が遅れているのが原因。GPSは24基以上の衛星が適性配置されることによって運用が可能となっている。
 
 しかし来年以降に寿命をむかえる衛星が次々に停止する。これらを更新するための次世代衛星の打ち上げが遅れる見通しとなっている。宇宙政策を決定する米国政府内の部局に指導力が無く、予算確保が十分でなかったことも原因となっている。
 
 もはや当たり前となっているGPS衛星を利用したサービスは多岐にわたる。現在地から近くにある飲食店を検索するサービスなどはカーナビや携帯にある。ストーカーから身を守るため、防犯のためのGPSケータイもある。
 
 そうした日常的なことに加え、もともとGPSは軍事利用が目的であったことから「ミサイルの命中精度に問題が生じる」「航空機や船舶が安全に運行できない」などといった大きな問題もはらんでいる。
 
 日本も衛星3基でGPSを補う計画があるが、これも文字通りGPSを補う役割に過ぎない。社会インフラとなったGPS。過去にはカーナビの登場で大手地図会社が倒産した。来るべき事態に備えて、地図を読めるようにしておいたほうが良いかもしれない。
 
 日常の中に当たり前のように存在するIT技術。その技術は人間を超えてSF映画の中の怪物のように襲ってくるわけではなく、実際はこのように静かに襲ってくるようだ。
 
 
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★ GPS、精度低下の恐れ 来年以降、米の衛星更新遅れ(朝日新聞・09/8/24)
 
 

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