警官、難病の生徒に暴言「おまえはタリバンか」
飲食店で働いていたころ、常連さんがいた。そのかたは両手首が何らかの事故で欠損しており、手首あたりでうまくお金を出したり、飲食物ののったトレイを持ったりしていた。別のお客さんは声帯に障害があり、ノドのあたりに特殊な機械を当てることでロボットのような声になるかただった。お二人とも最初に接客したときは驚いたが、そこは冷静に対処した。
米子市内で昨年の10月、紫外線を浴びることで皮膚が腫れ上がるなどの障害が起きる難病の「ポルフィリン症」かかっている男子生徒が黒いずきんをかぶっていたところ、鳥取県警米子署員に「おまえはタリバンか」と言われていたことが明らかになった。県議会の代表質問で自民会派の安田優子議員が明らかにし、佐藤幸一郎・鳥取県警本部長が「不適切だった」と謝罪した。
詳細は昨年10月28日の夕方、同市内で自転車の2人乗りをしていた境港市の生徒を米子署員2人が見つけた。その際に「その変な格好したやつ、止まれ。おまえはタリバンか」とずきんを取るように求めた。生徒と母親が米子署に抗議、署長らが謝罪した。県警では病気の理解を深めるため、生徒が出演して病気を紹介するDVDを全署に配布すると述べた。
ポルフィリン症は紫外線が当たることにより、皮膚がただれたり腫れ上がったりする。このため光を遮る処置を執るべく、患者は全身に紫外線が当たらないように防護服のような遮光服を着ることもある。
暴言を吐かれた生徒の学校では理解が徹底されていたことだろう。しかし警察官に病気であることを反政府武装勢力のようにからかわれたのではたまらない。患者は外見を奇異な目で見られることは慣れているかもしれないが、辛いことである。少数派の病気を知ることはなかなか難しい。しかしそうした難病が存在するかもしれないことを一つ一つ知っておかなくてはならない。そのような人に会った場合に努めて自然に接する術を知っておかなくては意図せず人を傷つけることになる。
無知と無関心と想像力の欠如によって、人はあまりにも過ちを犯すことが多い。
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★ 病気の高校生に警官「おまえはタリバンか」(産経新聞・09/3/7)
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