自治体命名権ビジネス
東京・渋谷区役所の横には「渋谷C.C.Lemonホール」があり、アーティストのライブなどでは有名だ。元々の名前は「渋谷公会堂」だ。渋谷区はこの命名権を貸し出すことにし、最終的にサントリーが命名権を取得。06年10月から5年間の契約で年間契約料8000万円となっている。有名な建物ゆえ企業にとっては有益な広告を打つことができているだろう。
自治体によっても新たな財源を確保できるということで、全国的に広まっている命名権ビジネス。渋谷区ではさらに公衆トイレ14カ所の命名権も売りに出した。渋谷区内の公衆トイレは渋谷・原宿・恵比寿など人が集まる場所が多い。企業が高い金額を提示するだけが条件ではなく、清掃等維持管理の提案があれば総合的に判断して命名権を譲る。
人気があるのが熊本市の熊本城。復元整備費に充当するために、「一口城主」の寄付金額が1月1日から31日までの一ヶ月間で全国から4600口、約6300万円が集まった。多くは1万円の「小口城主」であるが、市内の企業が1000万円を納める申し込みもあった。城主になることで、城内天守閣に名前と住所を記した芳名板が掲示され、城主証や寄付額に応じて最大で10年間無料で入城できる「城主パスポート」が贈られる。
しかし同じ熊本でも、渋谷のように公共施設の命名権を譲渡する公募が行われているが、こちらは全く問い合わせがないのだという。財政難であることから、企業も効果的な広告を打つ事が必要になり、自治体も財源の確保には頭を抱えるところである。今後もこうしたビジネスが広がっていくだろう。
名前というのは非常に重要である。渋谷公会堂が観客やステージに立つ人たちから「しぶこう」と略して呼ばれるのは、それだけ存在が身近だからだ。名前を覚えてもらえる、さらに略して呼んでもらえるということは、とても幸運なことなのである。あなたは周りの人たちからどのように呼ばれていますか?
☆ 別れる男に花の名前を一つ教えておきなさい。花は必ず毎年咲きます 。(川端康成)
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★ 一口熊本城主 人気上々 不況さなか「想定外」(西日本新聞・09/2/2)
★ 熊本城復元基金 申し込みページ(熊本市ホームページ)
★ 渋谷区、公衆トイレの命名権売ります 14カ所(朝日新聞・09/2/3)