世界に広がった特許ラーメン
発明者が新しいものを商品化するときに、特許や実用新案を特許庁に申請することがある。発明権者の利益を守るとともに、経済産業の発展に貢献させるためである。
昔、それまで存在していなかった鉛筆の発明は特許。しかし、当時の鉛筆は丸くて机の上をころころ転がってしまった。
それをのちに、六角形に改良して転がらないようにしたものが実用新案である。
身の回りにはこの特許品や実用新案の商品が多いが、その中の一つに昭和46年に発売された日清食品の「カップヌードル」がある。
「お湯をかけて3分で食べられる」という「カップヌードル」は画期的であった。しかし、先行して販売されていた「チキンラーメン」が25円だった当時、100円のカップヌードルは全く売れなかった。
しかし、ある事件がこの商品を世に知らしめることとなった。
翌年の昭和47年に、長野県軽井沢町で浅間山荘事件が発生した。人質を取った連合赤軍は警察の機動隊に対して発砲を繰り返した。寒さの厳しい冬の軽井沢。
どんな行動をとるか分からない犯人達と機動隊との対峙が続いた。その時に機動隊の食事として支給されたのがこの「カップヌードル」だったのだ。
この事件はどのテレビ局も終日生中継したために、「あの機動隊員が食べているのはなんだ」という問い合わせが殺到。この事件をきっかけに、カップヌードルは全国区となり、その後は世界へと輸出されている。
新しいものが発明されて生活が便利になっている。しかし、ものだけが発明品ではない。生を授かった瞬間に類比のない発明品は、この私たちである。
☆ 人間はあらゆるものを発明することが出来る。ただし幸福になる術を除いては(ナポレオン)
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