目の前に犯人が「あの男です!」で男を逮捕 大阪府警

 昔の新聞で窃盗犯を追っていた刑事の話が載っていた。街を歩いて犯人の手がかりを探すもなかなか見つからない。犯人も見つからない。しかし、刑事が駅のゴミ箱に捨ててあったメモを何となくとった。「刑事のカンが働いた」。そこには犯人が犯行に及んだ内容が書いてあり、犯人検挙にこぎ着けたという話だった。
 
 警察も仕事であるから、四六時中容疑者や不審者の事ばかり考えているのだろうが、被害者の訴えを何となく聞いているだけでは犯人を逃がしてしまう事になるだろう。警察以外に職権を持って動ける人もなく、国の治安は一気に悪化する事に違いない。
 
 大阪府内で、自転車に乗っていた女子生徒が後ろから来たバイクに追い抜きざまに体を触られた。警察官が被害者の女子生徒から現場で話を聞いていたところ、そこにバイクに乗った男が通過した。捜査員が何気なく「あんな感じですか?」と尋ねると女子生徒は「あの男です!」と声を上げた。バイクのナンバーから大阪府警捜査一課に逮捕されたのは、同府交野市に住む会社員の男(31)。「かわいいと思い触った」と容疑を認めているという。
 
 女子生徒も悔しく怖い思いをした事であろう。そんな時に警察官が親身に話を聞いてくれるのは心強かったはずである。泣き寝入りしなかった女子生徒と、迅速な捜査をした警察官の大勝利である。
 
 
★ 世の中は狭い 犯人を見つけた目撃者(本ブログ・10/6/14)
★ 世の中は狭い 交通違反で同じ警察官にご用 茨城(本ブログ・12/7/23)
★ 捜査員「あんな感じの男ですか?」女子高生「あの男です!」”バイク痴漢”の31歳男、犯行翌日に現場で見つかり逮捕(産経新聞・14/9/17
 
 

無断で個人情報を共有していいのか 車のナンバーや監視カメラ

 
 車のナンバーを読み取ると言ったら、警察が導入しているNシステムが有名だ。事件が発生すると道路上に設置されたNシステムが該当車両のナンバープレートを読み取り、不審車両や被疑車両の割り出しに効果を発揮する。
 
 民間が同じようなシステムを開発した。商業施設駐車場にシステムを設置し、来場者車両のナンバーを読み取る。ナンバーからは「○○県△△市◇◇町」までの住所が判明するが、それ以降の番地や所有者情報までは分からない。
 
 試験的に同システムを利用してきた施設側は、「予想より遠くから来る人がいる事は分かりました」。ただ、「得られた結果は想定の範囲を大きく超えるものではなかった。今後もデータをとり続ける必要はない」とし、システムを返却するという。
 
 ところで個人情報保護の観点から言って問題はないのか。ナンバーが読み込まれている事を施設利用者は知らない。同意を得ずに来場者の情報を撮影するには疑問が残る。
 
 個人情報保護法で保護の対象となるのは、「個人を識別できる情報」である。それは氏名、生年月日、住所、そして顔写真などである。本システムは住所が不完全である事から「個人情報には当たらない」というのがシステムを運営する会社の見解である。
 
 同システム運営会社が「自動車検査登録情報サービス」や「軽自動車検査情報提供サービス」に照会し、サービス運営機関が国土交通省に照会した情報が提供される仕組みとなっている。ナンバープレートの情報は元々公開情報なので、情報取得自体は法的に問題は無い。
 
 なお、完全な住所や所有者情報等を取得する場合、ナンバープレートと車体番号等が必要になり、そうした正当な理由が無ければ、現在のシステムにおいてナンバープレートによる個人情報は入手できない。
 
 これに先立ち、今年の4月に読売新聞が取り上げた事案も興味深い。
 
 ”顔認証システム”が一部の商業施設に設置され、万引き犯やクレーマーなどの映像による個人情報が他の施設と共有されているという。
 
 スーパーマーケットなどにおける窃盗被害は深刻であろう。しかし、「監視カメラ撮影中」などと告知されている事が多いとはいえ、顔や容姿を撮影された施設利用者を一方的に「万引き犯」「クレーマー」などと”タグ付け”されたものを他店と共有するというのは、同意を得ずにに第三者に情報を提供する事を禁じた個人情報保護法に抵触する可能性もある。
 
 ”怪しい”とマークされている人物が”無罪”だったとしても、それに反論する策も無ければ、そういう目で見られている事すら気がつかないのである。
 
 顔情報というのは個人情報の最たるものである。こうした状況があちこちで起きれば、勝手な理由を付けられて監視される事もあり得る。平穏な生活を送る上で支障が出かねない。
 
 防犯上の理由であれば監視カメラは設置が認められており、ただちに法的に問題になる事は無いが、カメラ設置基準が明確に存在するわけではなく、監視カメラによる防犯活動は混沌とした過渡期の状態であると言える。
 
 カメラで監視している事を告知するのは当然だが、映像情報等管理責任者の氏名を明示し、その情報に携わる事のできる人間を厳格にしなければ、ベネッセ社の個人情報流出事件の二の舞となる事は避けられないであろう。
 
 99年、新潟県警の男性警部の女性問題を巡り、県警が警部の車での行動をNシステムで把握していた事が新潟日報によって明らかになった。本来の業務を逸脱するような使い方に、県警内からも「乱用では無いか」と声が上がったという。
 
 人は過ちを犯す動物であるし、悪意をもって物事に接する者もいる。情報は常に流出する危険があるという認識を怠っては、一個人の安全が守れないということを映像管理者側は留意すべきである。 
 
 
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★ レポート『Nシステム裁判』vol.5 目的外利用が例外だって?(レスポンス・01/3/2)
★ 車のナンバー:自動読み取りで顧客分析 進むビジネス化(毎日新聞・14/7/27)
  
 

人の心の可視化

 
 ドラマ「相棒」シリーズで、過去の冤罪を訴える話がいくつかある。
 
1. 強盗殺人罪で死刑となっている死刑囚が、刑務所内で「もういい。自分は前世で悪いことをしたからそれを償っているのだ」と達観した者。
 
2. 幼児へのわいせつ事件を疑われた神父は、「過去に捕まったが、あれは真実ではない。警察も裁判所も誰も私の話を信じてくれなかった。しかしそれも、神のお導きによるものと考えた」という者。
 
3. 殺人罪で服役したが、出所後に無実であることをほのめかした遺書を残して身を投げた者。
 
4. ひき逃げで服役したが、「嘘の目撃証言で犯人とされた。本当に目撃したのかその目撃者に会ってみたい」と言ったもの。
 
 1の結末は、死刑囚が病死したのちに真犯人が見つかる。2は、捜査過程で神父が疑われたが真実が判明する。3は、自殺後に特命係の捜査で真犯人が見つかる。4は、嘘の目撃証言のせいで、本来なら被疑者被害者にならずに済んだという話。
 
 冤罪を防ぐ目的で、取調中の録音・録画(可視化)が検討されている。しかし対象は全刑事裁判の2%程度になる見込みだという。取調室という密室で行われる自白だけに偏る捜査では冤罪が起こりうる。足利事件の犯人とされた男性も人生から長い期間が奪われてしまった。可視化は行われた方がよいであろう。
 
 さらには欧米のような司法取引の導入や通信傍受(盗聴)の対象事案の拡大も決定した。司法取引は嘘の供述がなされる懸念があるほか、通信傍受拡大は捜査当局による権利の濫用も不安視されている。
 
 冤罪事件が起きると、人が人を拘束して裁くことは本当に理にかなった行為なのか疑問に感じる。難しいことであるからこそ、可視化の導入でその証言を確実にすることであり、第三者を納得させるのは証拠であることを強く感じる。
 
 冒頭の4つの話は当然ながらフィクションである。3と4は、本来なるべきでなかった人が犯人になった。1と2はこれも運命、と腹をくくった。命を賭して、または達観して、人生を生きなければならない人たちがいるのだとすれば、彼らに罪をなすりつけた人たちというのは、一体何のために生きているのだろう。
  
 
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今日の短歌・20

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 ハイタッチ
  
 ロータッチもある
  
 交差点
  
 無駄な警備に
  
 ためらいブルー
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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【動画】築地市場で暴れる男、屈強な男たちに捕まる

 
 東京・築地市場で車に乗った男が刃物を振り回して暴れる。警察官一人が警棒で応戦。そのうち、市場で働く屈強な男たちに取り囲まれる。
 
 

 
 
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「治安崩壊」レビュー 元警視庁刑事は何を語るのか

 
 「日本は凶悪な犯罪が多発する本当に恐ろしい国になってしまった」。元警視庁刑事が書いた「治安崩壊」(河出書房新社)を読んだ。著者は交番勤務を経て、刑事事件、風俗、銃器、公安などを経験。あらゆる犯罪を見てきた。
 
 現在も未解決である「世田谷一家殺人事件」にも触れている。「ある筋から入手した情報」として、被害者は某団体から多額の寄付を要求されたが、それができなかったため「みせしめ」として殺害された、というものである。幼い子供も被害者になっていることから、「みせしめ」が意味をなすという。

 
 著者はかつて神奈川県内で起きた暴走族による殺人事件についても触れている。元新聞記者の男性が鉄の建築資材を片手に暴走族集団に立ち向かった。しかし反撃に遭い死亡した。この裁判では男性が鉄の棒を持っていたことにことさら注目が集まり、判決は懲役4年。人を殺しておいて4年。その頃の著者の刑事仲間では「日本の司法は病に冒されているのではないか」と一時騒然となったという。
 
 著者は正義感をもって職務を遂行していたようだ。繁華街で総勢120人の暴走族が乱闘していたときも、付近の警察官数人と一緒に警棒片手に戦った。しかし相手が多くて歯が立たない。ぼこぼこにされながらも戦った。その間にも無線で「近くにいる者は現場に急行せよ!」と指令が出るが応援部隊が到着したのはかなり時間が経ってからで、立つのもやっとの状態でへろへろになっていた。
 
 「後で分かったこと」とし、当時、無線を聞いていたにも関わらず、出動せずにお茶を飲んで身を隠していた同僚が数人いた。頭にきた著者はその数人を独身寮に呼び、正座させた上で、「お前ら何考えている。警察官をやめろ」と言って、一人ずつ殴ったそうだ。「先輩」もいたが、著者の怒りに目を合わせることもできなかったという。
 
 著者の名前は北芝健。早稲田大学卒業後、民間企業勤務を経て警視庁に入庁。現在は日本社会病理研究所主任研究員、助教授。伝統空手6段。
 
 他にも、犯罪に巻き込まれないためにはどうするか、巻き込まれたらどうするかということを、プロの視点でアドバイスしている。そして大切なことは危機意識を持って生活することであり、もう日本は安全ではない、という考え方を持つことが重要だと気づかされる一冊である。
 
 
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