言葉のリサイクル

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映画「君よ憤怒の河を渉れ」 レビュー

 
 ハリソン・フォード主演の「逃亡者」(1993年)を見ているように錯覚する。無実の罪を着せられた医師が護送中に逃走を図る話である。そして1976年(昭和51年)に映画化された「君よ憤怒の河を渉れ」である。主演・高倉健、中野良子、原田芳雄、西村晃、内藤武敏などの豪華な顔ぶれの話。実際にはこんな形で逃げられるわけでもないが、1976年当初だとそれも可能なのかと錯覚してしまう。
 
 東京地検検事の杜丘(高倉健)はある事件を捜査していたが、突然無実の罪で警察に連行される。その家宅捜索の途中で杜丘は逃げ出すことになり、警視庁は矢村警部(原田芳雄)らが杜丘を追うことになる。杜丘は国内を逃げ回るがやがて都内に戻ってくるが、その過程で自らに降りかかる疑惑の黒幕を探し出す。
  
 映画を見ていて懐かしいのは当時の東京を始めとする街中の風景である。当時の古き良き映像を見ることができるのはこの時代の映画のいいところである。今ではありえないとがわかるのは、東京・新宿のど真ん中で高倉健らが堂々とロケを敢行しているところである。
 
 新宿駅東口や西口で逃走劇を繰り広げる。挙句の果てには西口に機動隊を配置しているところに馬を突入させて強行突破して逃げ切るのだ。馬である。大勢のエキストラが逃げまどうシーンがあるが、この当時の映画やドラマはどこまでがエキストラでどこまでが一般の人なのかわかりにくい。
 
 この当時はまだ高層ビルも少なくて路上も空も広かった。東京の中心、丸の内付近のビルの屋上で撮影したと思われる映像で、杜丘のいう、「法律では裁けない悪がある」というセリフが印象的だった。どの時代にも悪が栄え、それを善が追いかけるという場面がある。結果がどうであれその方程式は覚えていたい。法律の抜け穴があったとしてそれを使うか使わないかという場面に立たされたとき、どう行動するかを決めるために常に学んでいくのである。
 
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