受刑者が育てた盲導犬 島根あさひ社会復帰促進センター
島根県にある「島根あさひ社会復帰促進センター」は、全国で4番目になる半官半民で運営されている刑務所だ。こうした官民協働方式をPFI(Private Finance Initiative)といい、公共の施設を民間資金力を利用して運営する方法だ。
職業訓練では陶器や和紙の制作、理容師やホームヘルパーなどの資格取得も出来るが、日本盲導犬協会の協力のもと、盲導犬育成のプログラムがあるのがユニークである。実に10ヶ月間もの間、子犬(パピー)を育てることになる。
このブログラムの元で育てられ、盲導犬として認定を受けたラブラドールレトリバー1頭が、ユーザーの男性(48)らと谷垣禎一法相を訪問した。男性は「目が悪くなる前のスピードで歩けるようになりました」と法相に語った。
盲導犬は育成に時間と費用がかかる。需要に供給が追いついていない実態がある。こうした取り組みが進むことで、目の不自由な人の生活が少しでも楽になれば良い。そしてちょっとわがままで口をきかないパピーとの共同生活で、受刑者の新たな心のより所が作られると良い。
今年の1月、同センター内にて「盲導犬パピー育成プログラム第四期修了式」が行われた。受刑者である訓練生はパピーに「元気にがんばれ」「立派な盲導犬になれよ」などと達成感に満ちた表情で送り出したという。送り出された盲導犬は約8年の間活躍することになる。
受刑者もいずれ送られる立場になる。社会に出れば辛い出来事も待ち受けているに違いない。しかしそのときに、町で犬と出会ったら、苦難を乗り越えられる辛抱強さと、自分に対して、他人に対しての優しさをきっと思い出すに違いない。そうなれば、更正などという言葉ではなく、一人の優しい人間であり続けられることは必然だ。
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★ 島根あさひ社会復帰促進センター