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愛犬チロの飼い主に死刑判決 さいたま地裁

 「まず理由から言い渡しますので、そこに座ってください」。
 08年11月に発生した元厚生事務次官宅連続襲撃事件で、殺人、同未遂、同予備、銃刀法違反の罪に問われた男性被告人(48)の判決公判がさいたま地裁で行われ、伝田喜久裁判長は男性被告に死刑を言い渡した。
 
 裁判では被告の犯行の態様や計画性に加え、結果の重大性を指摘。「生まれ変わったらまた殺す」などと述べていることから「矯正は不可能」であり、死刑を躊躇する特別な理由はないとした。犯行動機である「保健所に殺処分された愛犬チロのあだ討ち」自体が重大事件を引き起こす動機として正当化できるわけがない、とした。
 
 被告は犯行後に霞ヶ関の警視庁に出頭した。弁護側は「自首に当たる」としていたが、これも否定されることとなった。出頭すること自体が犯行の計画に入っており、これを認めることは合理的な司法判断とはいえないとした。
 
 最初の被害者であり、退官後の第二の人生を過ごそうと考えていたY夫妻に降りかかった悲劇。夫が刺されるのを見て、自分にもナイフの刃が向けられた奥さんの恐怖は察するにあまりある。恐怖の中で意識が薄れていく被害者の無念さを考えれば死刑選択は当然だといえる。第二の被害者で重傷を負った、東京・中野区のXさんの妻(73)も後遺症に苦しみ、極刑を望んでいたという。
 
 被告は即日控訴した。
 
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 山口県下関市で、殺処分5時間前に飼い主が現れ、救われた犬がいる。同市内に住む女性が飼っている、雑種で3歳の「アイ」である。
 
 アイは2月下旬に路上でケガをして鳴いているところを、私立早鞆(はやとも)高校1年である冨田由実さん(16)に見つけられた。ひき逃げされたとみられている。動物愛護管理センターに犬を引き渡したが、「飼い主や里親が現れなければ、約2週間後に殺処分される」と聞いた。
 
 冨田さんは「なぜ人間はひき逃げなんてできるん。ひかれた犬をさらに殺すなんてできるん」と思い、友人に話した。冨田さんに共感した級友が犬の飼い主捜しを始めた。犬について知っている人がいたら教えてください、というメールは次々に広がった。チラシも作り、そのチラシを目にした女性がセンターに名乗り出た。それが殺処分される5時間前だった。女性は「アイがいなくなって夜も眠れなかった。本当に感謝しています」と話す。
 
 
 アイをかわいそうと思った冨田さんとその友人、「夜も眠れなかった」という飼い主の女性。人や動物の魂を愛おしいと思うことはこういうことである。アイの発見から2週間で事なきを得た話である。
 
 その一方で、被告は34年もの間、”復讐”だけを考えて生きてきた。”チロ”を失った気持ちは同情するが、第二のチロを出さないような努力はいくらでもできたはずである。冨田さんのような発想をしようとしなかった、ただの怠慢ではないか。
  
 
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★ 【元厚生次官ら連続殺傷 判決(上)】「まず理由から」小刻みに頭を震わせる被告は裁判長の言葉に・・(産経新聞・10/3/30)
 

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