拡大教科書が不足

 新学期が始まると学校で受け取る新しい教科書は楽しみなものだ。最近の教科書はイラストや図表がふんだんに使われているようで羨ましい限りだ。ところで、視力の弱い弱視の児童・生徒のための「拡大教科書」が不足しているという。
 
 拡大教科書というのは、通常の文字などを拡大して製本されているものであるが、その大半はボランティアが手作業で行われているのが実情だ。通常の教科書を参考にして、パソコンやコピー機を使い、イラストなどは切り貼りしてレイアウトを適宜変更しながら作り、1冊(1教科)を作るのに約2ヶ月を要する。そのため、国内全ての学校に配布されている教科書を対象にするのは事実上困難である。
 
 大手教科書出版社も拡大教科書の製作を責務と感じており、一部の教科書は対応しているが全てではない。それはコスト面で難しい部分があり、さらには著作物を改編するとなると、著作権者への了承等を得る必要も生じるからだ。
 
 特別支援学校の高校生が「ここに拡大教科書がなかったら、どこにあるんだという感じですね」と笑っていたが、高校の教科書は特に深刻で、小中学校よりも内容が複雑になり情報量も増える。通常であれば文字も小さくなる。手作業ゆえに1字でも間違えてしまえば大変なことになる。
 
 こうした状況に対して文部科学省は「障害のある児童および生徒のための教科用特定図書等の普及の促進等に関する法律」(教科書バリアフリー法)を制定、今年度から適用されることになっているが、完全な制度とはなっていない。現場の声を拾い上げて、ボランティアや出版社に対して積極的な支援をすることが望まれる。
 
  
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★ 小学校・中学校・高等学校(拡大教科書等) (文部科学省ホームページ)
★ 拡大教科書の概要(全国拡大教材製作協議会)
★ 拡大教科書について(筑波大学付属視覚特別支援学校)
★ 坂戸拡大写本の会 
 
 

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