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生きる上での道しるべ

 生まれつき全盲で上野学園大学3年の、辻井伸行さん(20)が快挙を成し遂げた。「バン・クライバーン国際ピアノコンクール」の結果が日本時間8日未明に発表され、辻井さんは中国人ピアニスト張旻辰(ちょうびんしん)さんと並んで1位を勝ち取った。国際的なピアノコンクールで全盲ピアニストが1位になったのは初めて。日本人による同コンクールでの最高入賞者は、1969年の野島稔さんの2位であった。
 
 辻井さんは書類選考で残った151人から、決勝の6人に残り、ショパンのピアノ協奏曲第1番、ラフマニノフの同第2番、そしてベートーベンの「熱情」を弾いて観客を熱狂させた。「とにかく自分の力が出し切れたので幸せです。お客さんが感動してくれたのが一番嬉しい。テキサスの観客はとても温かかった」と辻井さんはコメントした。
 
 パソコンのタッチタイピングですら間違える私には信じられない快挙だが、辻井さんは1歳3ヶ月の時に母親が歌った「ジングルベル」のメロディーを覚え、すぐにおもちゃのピアノで演奏した。その後は4歳から本格的にピアノを習い、7歳で全日本盲学生音楽コンクール・ピアノの部で1位になり、10歳ではオーケストラと初共演してプロデビューした。
 日本では7日、新人音楽家の登竜門となる第28回飯塚新人音楽コンクールの本選が福岡県飯塚市であり、ピアノ部門で東京芸術大院1年の吉武優さん(23)が1位となった。吉武さんは、昨年の6月8日に東京・秋葉原で起きた連続殺傷事件の犠牲者の当時同大4年生の武藤舞さん(21)の同級生であり親友だった。亡き友への感謝と鎮魂の思いを込めて弾いたという。
 
 吉武さんは東京芸大音楽学部に進み、録音技術を学ぶ武藤さんと知り合った。いろいろな作業を手伝ってもらい「無理な頼みにもニコニコしながら応じてくれた。卒業後も一緒に仕事をしたいと思っていた」。事件後には「お葬式に出ても信じられなかった」という。8日には帰京して事件現場で結果を報告する。
 
 秋葉原の事件の加害者である加藤智大被告(26)は、社会での孤立を理由に凶行に及んだ感がある。自由とは社会になじむこともできれば、その反対に孤立することもあるのだ。五体満足に生まれた加藤被告は何の不自由もなく生きてきたはずだ。辻井さんは全盲という不自由を抱えつつも、耳で情報を集め、それを音として表現する人生を選んだ。目が見えなくても、演奏することで周りが驚き、喜んでくれることに生き甲斐を見いだしたに違いない。
 
 生きることは目で見ることではない。耳で聞くことでもない。口で話すことでもない。体感することこそが生きる上での唯一の道しるべとなりうる。社会を敵に回す犯罪者の多くは、見ようともせず、聞こうともせず、話そうともしない。こうした者の多くが、自分を変えようとする努力、それを怠る障害を抱えている。
 
     
☆ 人類には次の三つのタイプしかいない。 一つ目は、死人。二つ目は、死んでいないが、ただ生きているだけの人。三つ目は、海に向かって旅立つ人(プラトン)
 
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★ 辻井伸行さん;全盲のピアニスト、バン・クライバーン優勝(毎日新聞・09/6/8)
★ 君が支えてくれたから 亡き友に捧ぐ調べ、1位に輝く(朝日新聞・09/6/8)
★ 秋葉原殺傷事件から1年 献花台で冥福祈る(産経新聞・09/6/8)
★ 死刑は反対 〜秋葉原の無差別殺傷事件〜(本ブログ・08/6/9)
★ 東京・秋葉原で無差別殺、25歳男を逮捕(本ブログ・08/6/8)
★ 秋葉原で自殺志願の男性保護(本ブログ・07/12/22)
★ 全盲の先生(本ブログ・08/8/15)
 
 

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事件後初「漢検」実施 受験者数は昨年の7割

 前の正副理事長による背任事件後の初の試験となる「漢検」が6日に全国で実施された。検定料を100円〜500円引き下げての実施となったが、日本漢字能力検定協会によると、志願者数は62万人で、昨年同時期の約7割にとどまっている。
 
 特に混乱が見られることもなかったようで、会場となった京都産業大学附属高校(京都市上京区)では、生徒約50人が2級、準2級、3級を受験した。前理事長らの逮捕後、生徒や保護者らから中止を求める声はなかったという。同校の教頭(50)は「検定の教育的意味は十分にある。漢字を学ぶきっかけ作りのため、今後も受験を勧めたい」としている。
 
 漢字は日本人の我々でも読めない字があったり書けない字があったりする。情報伝達手段の最たるものである文字というものは大事な記号である。一部の検定関係者が起こした不祥事があったとしても、伝統ある漢字は承継されていくことだろう。
 
 もし今年「今年の漢字」が実施されるとしたら、どの漢字が選ばれるであろう。予想するに「漢」がふさわしい。「漢検」に「悪漢」は「門外漢」でしかないからだ。
 
      
☆ 言われるままに信じるだけの知識は、ただの切れ端に過ぎない。切れ端としては立派でも、それを集める人の知識の蓄えを少しも増しはしない。(ジョン・ロック)
 
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★ 新生「漢検」62万人志願 事件後初 昨年の7割(産経新聞・09/6/7)
★ 漢検協会:「今年の漢字」も架空発注 前理事長代表会社に(毎日新聞・09/5/21)
★ 父の日には「謝」(本ブログ・06/6/14)
★ ’06今年の漢字は「命」(本ブログ・06/12/28)
 
 

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児童買春教師逮捕、元同僚も強姦犯 広島県警

 ニュースサイトを見ていると「児童買春で逮捕」という見出しが珍しくない。教諭が、警官が、義父が、大学生が逮捕される。いつの事件だったか確認すると、新たな犯罪者の名前がそこにあることに辟易する。
 
 広島県警察本部は、昨年6月に女子中学生に対してわいせつな行為をしたとして、同県竹原市立小学校教諭の男(47)を児童買春・児童ポルノ法違反容疑で逮捕した。「若い女の子と関係を持ちたかった」などと容疑を認めている。同容疑者が勤務する小学校では、教え子10人に乱暴した強姦などの罪に問われている元教諭のM被告(43)も勤務していた。同被告逮捕の1ヶ月後に本件の容疑者は犯行に及んでいた。
 
 竹原市教育委員会のサイトに「竹原市立義務教育諸学校の適性配置について」というページがある。その中の「論点7 竹原市は『高質教育』の実践を」の中に、
 

「学校教育、社会教育の主たる担い手は教員であり、社会教育主事である。このいずれも、市民に必要な知識と技能、及び『生き方』を教える教育者である。それゆえに、強い責任感と使命感が求められる。(中略)現在、広島県といわず全国的に教員の『質』が厳しく問われている。(中略)児童生徒への猥褻やセクシャル・ハラスメント、体罰などを繰り返す教員、また、飲酒運転など公務員にふさわしくない行為をした者に対しては、免職等の重い懲戒処分を課す自治体も増加の傾向にある。『適切な指導』を欠く教員を児童生徒の前に立たせない措置が進んでいる」

としている。
 
 本来こうした文言を目の当たりにしなくても、教員を目指すのであれば、いかに楽しく、深く、清く、勉強というものを児童生徒に学ばせる、考えさせることに腐心するのが教員の本来の姿のはずである。子どもたちや親御さん、同僚に上司、そして市井の人たち、地域全体に背いた行為は断じて許されない。
 
 10人の児童に暴行をしたM被告の公判では、被害児童の母親が「100回死刑にしても許せない」「消えない傷を負わされ、子どもの一生はめちゃくちゃになった。(服役後に社会復帰するなら)被害者を傷つけた手を切り落として出てこい」と述べている。
 
 未来を切り開く子どもたちを作る義務の教育を担っている自覚が欠如していた。子どもの心を殺してしまった。「自分も児童生徒の心を殺すかもしれない」と不安のある先生がもしいるのであれば、潔く辞表を提出してください。
 
 
☆ 教えることのできない子供というものはない。あるのは子供達にうまく教えられない学校と教師だけである(M・アドラー)
 
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★ 女子中学生にわいせつ行為の教諭を逮捕 同僚は教え子への強姦などで公判中の小学校(産経新聞・09/5/14)
★ 「100回死刑でも許せない」 わいせつ元教師に女児母親(産経新聞・08/9/24)
 
★ わいせつ公務員の税金無駄遣い止まぬ(本ブログ・09/2/11)
★ 心の殺人犯を追う、警視庁の女性刑事(本ブログ・08/10/10)
 
 

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省エネ 緑のカーテン

 東京・板橋区内の小学校で「緑のカーテン運動」が実践されているとNHKで報じられていた。緑のカーテンとは、ゴーヤやアサガオのようにツル状に伸びる植物を窓際で育て、カーテン代わりにして夏季に涼しく過ごすことができる、そんな運動である。昨今のガーデニングブームで都内でも緑が少しずつ増えている気もするが、地球温暖化はそれを上回る勢いである。
 
 小学校のときに自宅の窓際にアサガオを育てた。ちょうど今くらいの時期に種をまくと、夏季にはツルがどんどん伸びて、花を咲かせるのである。当時は地球環境云々とは思わなかったが、これなら楽しみながら温暖化対策に貢献できる。そしてなんといっても安価で手軽だ。
 
 緑のカーテンであれば、クーラーも不要になるであろうし、緑からこぼれる風というのは涼しげな感じがして気分がいい。風情を大切にする日本人ならではのアイディアが復活したものともいえる。風鈴の音は暑い気持ちを落ち着かせてくれるし、すだれも窓の外に斜めにかけるだけで、部屋の温度は快適になるのだという。植物を使う利点は、日にさらされても熱を保つ事がないということだ。
 ツルをはわせた建物を見かけることがあるが、あれもそうした趣旨と同時に観賞用にも成りうることから一石二鳥である。最近テレビで見かけた緑のカーテンは、警視庁原宿警察署である。今年の3月に新庁舎に移転した同署であるが、何らかの事件のときの映像で同署の外観を見たとき、窓にプランターで植物が植えられていた。行政が積極的にこういう事をやると、市民への後押しになることであろう。
 
 緑のカーテンはそうした部屋の中にいる人を涼しげにしてくれるのみならず、温暖化対策にもなるという点でその意義は大きい。ところで冒頭の番組で小学生が「これで今年の夏は教室のクーラーを付けなくて済む」と言っていた。今の小学校はクーラーがあるのか。私の時代は扇風機すらなくて、下敷きをうちわ代わりにして使っていた。もちろん、昔は今ほど異常な暑さではなかったが。
 
 
 
★ 緑のカーテンコミュニティサイト 
 
 

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小学生に大ブーム 国語辞書

 電子辞書の内容がまだ頼りなかったころ、紙の辞書を使っていた。頼りないというのは例えば、英和電子辞書で知らない単語を調べても、その意味が載っているだけ。動詞であれば、用法や文例が欲しいところであるが、そういった解説は皆無に等しかった。
 
 ところが最近の電子辞書はそうではない。文例や文法についても詳しく載っていて、紙の辞書に引けを取らない。それが国語辞書、漢和辞典、その他外国語の辞書などがまとめて片手で持ち運べる便利な時代になった。
 
 しかし何か物足りないところがある。それは他の言葉との偶然の”出会い”だ。電子辞書だと調べたい言葉を入力して、その隣近所の言葉を接することはほとんど無い。紙の辞書の場合はその一覧性が威力を発揮する。調べたい言葉を見つけると、その前後にある言葉や単語、隣のページの単語まで目が行ってしまい、かなり寄り道をしてしまうことがある。
  
 電子辞書でも百科事典並みにイラストや写真が入っている物もあるが、そこは大きな紙の辞書の方が見やすいことは間違いがない。少し大きめの英英辞書を使っているが、こちらも適度にカラーが施されており、ページをめくることで勉強をしたような気分にも浸れる利点がある。
 
 そのように勉強した気になるようなアイディアが生かされ、最近小学生の間で紙の国語辞書がブームになっているのだという。やりかたは単純で、調べた言葉に付箋を貼るというものだ。これをすることで引いた”履歴”が目に見えて分かるので、子どもたちも競争よろしくやる気が出るのだという。
 
 発案者は立命館小学校(京都市)の深谷圭助校長(43)。「この学習法は知的好奇心を身につけるのに役立つ。遊び感覚でやる気を引き出し、やればやるだけ自信にもつながる」「頑張った分だけ付箋が増え辞書はふくらむ。目に見える成果が出ると、子どもたちはますます引きたくなるものです」と言う。
 
 三省堂の宣伝広報部長、瀧本多加志さん(47)によると、辞書の売れ行きはこの10年で約半分に落ち込んだが、小学生向けの辞書に限っては販売部数が伸びているという。
  
 三省堂というと「新明解国語辞典」が有名だ。その表現の仕方が独特なのである。
 
 例えば、Macに入っている「大辞泉」で「恋愛」の項を引くと、
「特定の異性に特別の愛情を感じて恋い慕うこと。また、男女が互いにそのような感情を持つこと」
とある。
 
 電子辞書の「広辞苑」で引いてみると、
「男女が互いに相手をこいしたうこと。また、その感情」
とある。ほとんど同じである。
 
 そして「新明解国語辞典」だとこうなる。
「特定の異性に特別の愛情をいだいて、二人だけで一緒に居たい、出来るなら合体したいという気持ちを持ちながら、それが、常にはかなえられないで、ひどく心を苦しめる・(まれにかなえられて歓喜する)状態」
となっている。
 
 国語辞典というと、「〜のさまをあらわす」などとなるが、「新明解国語辞典」だと、「〜のようだ」という表記も特徴的だ。
 
 勉強のみならず、仕事でも知的好奇心旺盛な方が面白い。すぐに答えが分かるスピード感もいいが、ゆっくり検証したり寄り道したりして余計な知識を得るのも悪くない。
 
 知的好奇心というのは恋愛に似ている。”相手”のことを知りたいと思った時に、スピード感でタイミングを見計らって答えを知るか、じっくり考えて思いを巡らせて答えを出すか。それは”かみ”のみぞ知るといったところであろう。
 
 
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★ 国語辞書が小学生に大ブーム 売上倍増の辞書も(産経新聞・09/4/21)
★ 新明解国語辞典を読む 万省堂
 

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拡大教科書が不足

 新学期が始まると学校で受け取る新しい教科書は楽しみなものだ。最近の教科書はイラストや図表がふんだんに使われているようで羨ましい限りだ。ところで、視力の弱い弱視の児童・生徒のための「拡大教科書」が不足しているという。
 
 拡大教科書というのは、通常の文字などを拡大して製本されているものであるが、その大半はボランティアが手作業で行われているのが実情だ。通常の教科書を参考にして、パソコンやコピー機を使い、イラストなどは切り貼りしてレイアウトを適宜変更しながら作り、1冊(1教科)を作るのに約2ヶ月を要する。そのため、国内全ての学校に配布されている教科書を対象にするのは事実上困難である。
 
 大手教科書出版社も拡大教科書の製作を責務と感じており、一部の教科書は対応しているが全てではない。それはコスト面で難しい部分があり、さらには著作物を改編するとなると、著作権者への了承等を得る必要も生じるからだ。
 
 特別支援学校の高校生が「ここに拡大教科書がなかったら、どこにあるんだという感じですね」と笑っていたが、高校の教科書は特に深刻で、小中学校よりも内容が複雑になり情報量も増える。通常であれば文字も小さくなる。手作業ゆえに1字でも間違えてしまえば大変なことになる。
 
 こうした状況に対して文部科学省は「障害のある児童および生徒のための教科用特定図書等の普及の促進等に関する法律」(教科書バリアフリー法)を制定、今年度から適用されることになっているが、完全な制度とはなっていない。現場の声を拾い上げて、ボランティアや出版社に対して積極的な支援をすることが望まれる。
 
  
☆ 目の見える人間は、見えるという幸福を知らずにいる(ジッド)
 
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★ 小学校・中学校・高等学校(拡大教科書等) (文部科学省ホームページ)
★ 拡大教科書の概要(全国拡大教材製作協議会)
★ 拡大教科書について(筑波大学付属視覚特別支援学校)
★ 坂戸拡大写本の会 
 
 

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ガン闘病の延地和子さん、副読本に掲載

 昨年3月9日のエントリ「余命半年の元校長 最後の授業」で、大阪府吹田市の前教育長であった延地和子さんの「最後の授業」を取り上げた。校内暴力が吹き荒れた時代に生徒と正面からぶつかり、「大変だったけど、楽しかった」と語った。離婚、そして24歳の娘さんの突然死。そうした事を乗り越えて教育畑一筋でがんばってきた延地さん。
 
 そんな延地さんが校長を務めたことのある中学校で、いのちの大切さを説いた「最後の授業」が、中学3年生の道徳の副読本に掲載されることとなった。4ページ2500字の文章にちりばめられているという。執筆したのは、大阪府和泉市立教育研究所の指導員、高井建次さん(61)。「内容をどうするか迷ったが、結局引用部分が三分の二以上になった」という。
 
 『人間が生きていくっていうことは、いろんな試練があってね、それを乗り越えるっていうのは本当に大変なことです。でも、1人じゃない、仲間がいる、仲間と支え合ってこの世の中で生きているんだ、そう私は思っています』
 
 生きている人に質問をすれば答えが返ってくる。死期が近づいている人の教えに対して、僕たちは何を問い、何を答えとして導き出さなくてはならないかを考えて生きて行かなくてはならない。
 
 延地さんは昨年4月1日に亡くなった。「最後の授業」をした3月7日から25日後のことだった。
 
 
☆ 学校で学んだことを一切忘れてしまった時に、なお残っているもの、それこそ教育だ。(アインシュタイン)
 
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★ 命の授業 永遠 ガン闘病の故延地さんの言葉、副読本に(朝日新聞・08/12/11)
★ 余命半年の元校長 最後の授業(本ブログ・08/3/9)
 

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痛い!

KY少年、漢字間違えて違反発覚

 「祐」という漢字を使う友達がいる。その人に「電話などで、その漢字の説明をするときはどうするの?」と聞いたところ、「カタカナの『ネ』に『右』だ」と言った。「『しめすへん』に『右』ではないの?」と聞くと、「最近は『しめすへん』と言っても分からない人が多い」とのことだった。
 
 松山市内で信号無視をして摘発された飲食店店員の少年(18)が、無免許運転を免許証不携帯と偽ったうえ、反則切符に兄(19)の名前で署名をした。ところが松山東署員があとで調べたところ、署名された兄の名前に使われている漢字の「裕」の「ころもへん」が「しめすへん」になっていたところから自宅に連絡、少年が犯行を認めたため、有印私文書偽造などの疑いで逮捕した。
 
 「しめすへん」に「てん」が付いていなかったことだが、漢字を知らないことよりもむしろ、兄弟の名前を漢字で正確に書けないことが情けない。兄弟であれば、間違えそうな名前は余計に注意して書きそうなものである。
 「てん」の要不要というのは、名前を書くときに話題になることだ。私も「恵」の右上に「てん」を付けていたこともあり、その名の友人に「てんは要らないよ」と何度も注意された。「荒」にも要らぬ所に「てん」を付けてしまい友人に叱られた。
 
 注意をしてくれるのが友人ならありがたいことだが、これが知らない人だと恥ずかしいことである。逮捕された少年も日常的に使う漢字くらいは勉強した方がよいだろう。大人になってから”みぞゆう*”の失態を”ふしゅう*”することがあってはならないのだ。
 
 大学のある授業の初日、名簿ができていなかったことから、出席簿代わりに先生が一人一人に名前を聞いたことがあった。男子学生が自分の名前を説明するのに、「小室哲哉の『や』です」と説明したが、先生は首をかしげる。「あぁ、木村拓哉の『や』です」と言っても分からない様子の先生。「志賀直哉の『哉』です」というと、「あっ、それなら分かる」と言って笑いながら名前を書き込んでいた。身近な人たちが、私の名前を漢字で書けますように・・・・。
 
 
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★ 違反切符に兄の名、漢字間違えて発覚 無免許運転の少年(産経新聞・09/1/7)
★ 麻生効果でバカ売れ 漢字本、来週にも1位(イザ!・09/1/8)
★ ウソ読み辞典(本ブログ・07/3/4)
★ 名前を書けない友人(本ブログ・05/10/20)
 
 

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