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個人的なウェブログ

消せない電話帳

 ときどき携帯電話の電話帳整理をする。合わせてMacと連携している連絡先も整理する。長期にわたって通話やメールがなかった人たちを削除し、新たに知り合いになった人の情報を整理する。
 
 最近はLINEを利用することが多いが、「友達に追加」することで、古くなった電話番号が全く知らない人の手に渡っていることが分かる。残念ながら古い知り合いの連絡先は削除する。
 
 新たに連絡先に追加した人たちは、タグ付けをして分類する。仕事関係の人、同級生、昔のアルバイト先などなどである。連絡先には可能な限り、画像を貼り付けることで、電話帳を見やすくしている。
 
 もう不要なことが明白でありながら、消せない連絡先というのがある。しかし古い友人の中には希に接触する機会があるので、一気に削除することは難しい。
 
 そしてもう一人、よく電話をする相手の中にいる男性は消すことができない。60代後半の写真は衰えがありながらも近影であり身近な表情である。
 
 その連絡先の携帯電話を解約したのは私であるから、もう通じることはないと分かっているが、そう簡単に消すことはできない。
 
 電話帳を整理する時、データを削除するのは勇気の要る作業だ。本当に繋がりがこれで消えてしまうかも知れないと考えると躊躇することもある。しかし、インターネットの普及のおかげで、連絡先が途絶えたとしても、各SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を通じて再会することもできる。最近も久しぶりに連絡を取り合えたのは楽しかった。
  
 しかしどうしても連絡が取れない人もいる。時には夢に出てくることもあるが、何も話してくれないこともある。もう会うことが不可能である場合は、その人を知る人達と話をすればよい。そこでは会えなくなったことで色々後悔するのではなく、もしその人に明日があったら、ということを語ればよい。
 
 寒い日が続くが悪いことばかりではない。明け方は空色だけのグラデーションで大気は染まり、夕暮れ時には赤色だけのグラデーションが闇に別れを告げる。一日の時間は短いが、人の一生というのは実に長い。しかし、毎日の時間や色の流れを感じなければ、それはもったいないことである。
 
 
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★ 本ブログ 12/11/11
 
 

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透明な募金箱

 アメリカに行った時、コンビニのレジ横に透明なプラスチックの箱があった。てっきり募金箱だと思っていたが、こちらは「チップ入れ」。小銭が余った時に入れてはいたが、入れなくても何の問題もなかった。しかし飲食をした後、支払いとなったらチップのことを考えなくてはならない。これが不慣れなために面倒で、ジャパニーズレストランで食事をした後にチップを支払い忘れたところ、店から従業員が出てきて催促されたものだった。
 
 「東北地方太平洋沖地震の募金をお願いします!」という募金活動が行われていた。2011年3月11日の直後のことである。東京もかなりの揺れを感じ、映像で津波の恐ろしさを知ることになった。募金には積極的に協力した。
 
 宮城学院女子大学心理行動科学科の1年生グループが取り組んだ調査結果が面白い。透明の募金箱と半透明の募金額だと、前者が4140円、後者が297円の募金額が集まり、さらに透明な箱に千円札が入った後には1人あたりの募金額が増えた。その他にも、被災前と被災後の被災地の写真を置いたところ、被災後のほうが人数と金額が増えたという。
 
 なかなか興味深い調査研究である。特に千円札が見えた後には募金額が増えたというのは、何とも人間の集団心理の一部を垣間見ることができる。
 
 人への投資も同じである。中身を見せない人よりも、曇り無く見せる人に惹きつけられる。そういう人には人が集まる。人が集まっているのを見ると他の人も集まる。魅力ある人には時間やお金というコストを共有したいと感じる。そして透明でいる人というのは、募金をする人と同じく集まることを発信しているのであって、ただ無機質に置かれた箱ではないのだ。
 
 311の直後に行われていた募金活動で、駅前で若い人たちが横一列に並んで募金を呼びかけていた。私は一人の女の子の前に行った。それは、持っていた箱は透明ではなかったが、心が透明そうな、一番背の低い小学生の女の子であった。
 
 
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★ 義援金集め、募金箱透明なら額14倍 宮城学院女子大生調査(河北新報・12/12/7)
 

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お手紙交換

 若い時に一人暮らしをしていたころの水道光熱費を調べていた。水道光熱費は今とさほど変わらないが、むかし無くて今あるものはネット・携帯電話関連の支出である。
 
 時々古い友人と話すことがある。若い頃に携帯やネットがあったら楽しかったな、と。女子の家に電話するのもお父さんが出るととても緊張することになり、「お、お、お世話になってます、Nonoと申します・・・」と気合いを入れて言ったものである。
 
 しかし携帯が無くても楽しかったのでそれでよいのだ。携帯やネットの有無にかかわらず、楽しい思い出がなかった、今も楽しくないという方が問題である。こんな便利な道具があるのに、人間関係がうまく築けないというのは問題である。
 
 14年ほど前、メールの送受信にお金がかかっていたころ、一通のメールの文が長いことに驚いた。かつては友人間のメールもそれだけ気合いを入れて送り、受信が本当に楽しみだった。そう考えると、ネット代が安くなったのは良いとはいえ、丁寧なメールを送信することがいい加減になってきた。
 
 昔もらった手紙の類も取ってある。その人の筆圧や文字の大きさ、これを書いて投函するまでに相当の時間がかかっていることが想像できるから、手紙というのは本当に貴重品だ。古くから存在するこの手紙というのは今でも重要なインフラになっている。
 
 その”親書”のやりとりを巡って、日本と韓国がぎくしゃくしている。信書は手紙を意味するが、親書というのは特に個人間の重要なやりとりに使われるものである。特に外交上重要な役割を示すものであり、メールと違って記録として残せるものである。その大事な物を”受け取り拒否”するというのは真摯な対応ではない。
 
 メールやファックスと違って、相手のことを考えて書き上げた物であると言うことを再認識すべきである。その記録物が、いつか両国の未来発展の礎となることを願う。記録すると記憶になる。記憶の積み重ねは忘れないことになり、両国の発展に必ず寄与する。
  
 
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ロンドンオリンピック終わる

 
 1位アメリカ(32.7)、2位中国(140)、3位イギリス(253)、4位ロシア(8.2)、5位韓国(485)、6位ドイツ(230)、7位フランス(113)、8位イタリア(199)、9位ハンガリー(107)、10位オーストラリア(2.8)、11位日本(336)。
 
 ロンドンオリンピックが閉幕した。日本は全部で38このメダルを獲得し、過去最高記録となった。メダルの数が気になるのは仕方ないが、一方でメダルの数や色なんて気にしなくても良いじゃないかという意見もある。ただ選手にとっては世界の舞台で金メダルを取るために時間を費やした部分もある。メダル取得では悲喜こもごもであった。
 
 日本が凄いと思うのが、色々な競技に選手が出ていることである。アーチェリーにまで参戦していたとは気がつかなくて申し訳ないくらいだ。さまざまな競技に出場していて凄いと思うのが、この狭い日本で練習する場所を確保していたことだ。
 
 どこで練習するにも費用がかかる。特に屋内競技は施設の維持にも費用がかかるため、練習場所を探すのは大変なことである。今夏では公営プールが閉鎖されたところが多いと聞く。維持するための費用対効果が望めないためだという。五輪効果でこうした施設が再び盛り上がりを見せればよい。
 
 ということで、上に示した順位は各国のメダル獲得数順であるが、カッコの中の数字はその国の人口密度(人/k㎡)である。そして単純に人口密度の高い国でメダル獲得が困難であると考えた場合、「狭いのによく頑張った」順位は下記のようになる。
 
1. 韓国 2. 日本 3. イタリア 4. ハンガリー 5. ドイツ 6. イギリス 7. フランス 8. 中国 9. アメリカ 10. ロシア 11. オーストラリア
 
 
 そして、本稿最後にご紹介する数字は、50人。これは地球全体での1k㎡あたりの人口密度である。普段はこれだけの密度が世界で袖触れ合っている。そして、老いも若きも肌の色も障碍の有無も超越する「メダルの卵」が隠れているかも知れない数字である。
  
 
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【巨人】工藤公康投手 200勝目前にして初のホームラン

 2004年8月17日の話。巨人に在籍していた工藤公康投手(当時41)はプロ通算200勝達成を控えていた。勿論ファンは200勝達成を願っていた。
 
 対ヤクルト戦7回裏、2対2の同点で巨人の攻撃。ツーアウトランナー2塁に阿部。バッターはピッチャー工藤となった。勝ち越しのチャンスであり、通常であればバッター交代させるところであるが、200勝のかかった工藤を外すわけにはいかない。ツーアウトなので送りバントもできない。フォアボールを選ばせてくれるほど相手ピッチャーも甘くない。
 
 何ともいえない雰囲気の中、工藤はバッターボックスに立ち、投球カウント、ワンストライク・スリーボールの5球目に奇跡が起こった。工藤が大きく振ったバットにボールが大きく当たり、ライトスタンドに直撃するツーランホームランとなったのだ。
 
 飛び跳ねながら走塁する工藤。総立ちの観客席。見ているこちらは鳥肌であった。このゲームは結局工藤のホームランが決勝点となり巨人が勝ち、工藤は200勝を飾ることとなった。試合後のヒーローインタビューで工藤は「最高っす!」と言ったのを覚えている。このホームランは工藤にとってプロ入りしてから初のホームランでもある。
 
 41歳3か月での200勝は当時の史上最年長記録。2012年に引退し、現在ではスポーツ解説者・キャスターとして活躍している。
 
 奇跡が起こった、と書いたが、バッターボックスに立つだけでホームランを打つ可能性は誰にでもある。偶然だろうと必然だろうとバッターボックスに立てばよいのだ。
 
 つまり、バッターボックスに入ることから逃げ出せば、奇跡は起こせない。逃げることなく、真摯に向き合う姿勢が日常では大切なのだ。
 
 プロ野球も変わった。近年では国内野球も、メジャーリーグと遜色のない好プレーを見ることができる。しかし昔から変わらないのは、白い球をひたすら追い続ける情熱である。情熱はいつの時代も色あせない。
 
 

 
 

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PTSDにかかる警察官、自衛官、テレビスタッフ ケアが急務 東日本大震災

 ずっと気になっていた。
 
 東日本大震災で被災した東北3県(岩手、宮城、福島)の警察官がPTSD(Post Traumatic Stress Disorder=心的外傷後ストレス障害)を発症する例が出てきている。凄惨な現場に慣れているはずの警察官も、想像を絶する光景に心労がピークに達している。こうした現場で働く人たちのケアが急務だ。
 
 昨年の産経新聞の記事では、報道で映像に携わるスタッフも体調が悪くなった人が増えたと書かれている。テレビでは放映されない遺体の映った映像などを編集すれば、体調が悪くなることも想像できる。
 
 陸上自衛官でも派遣された隊員のうち3.3%がPTSDのリスクにさらされているという調査結果が出ている。弱音を吐けない自衛官の特性から正直に話せない隊員もいると見られている。
 
 被災地の3県警では、408人の警察職員にPTSDの傾向があることが警察庁のまとめで分かった。「寝付きが悪い」「活動にともなう夢をよく見る」という回答項目に対する結果だという。福島県警に限ると、沿岸部の浜通りで7.1%と高く、中通りや会津地方の倍以上にのぼる。津波に加えて原発事故対応も影響している。
 
 自衛隊では遺体捜索活動に当たった隊員に対して上官が「任務はどうだったか」という質問をしていた。隊員は「子供の遺体を収容した時、自分の子供を思い浮かべた」などと話していた。
 
 みんな優しい。人の痛みを感じようとするから悲しい。そして無念の運命となった人を考えるから苦しい。辛い体験は話すことで和らぐ。悲しい時や辛い時にその話を共有してもらうことは恥ずかしいことではない。積極的に話を聞く姿勢も求められる。
 
 辛い経験は辛いばかりだ。しかし、いつかその記憶を乗り越えて、冷静に向き合える時は必ず来ます。
 
 
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★ 「寝付き悪い」「夢よく見る」被災3県警 408人がPTSDの傾向(産経新聞・12/5/24)
★ 被災地派遣の陸自隊員 3.3%がPTSD発症のリスク(産経新聞・12/3/7)
★ 報道映像がトラウマ テレビ局スタッフもPTSDに(産経新聞・11/3/28))
★ ワゴン突っ込み16人死傷 埼玉・川口(本ブログ・06/9/26)
 

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80年日記

 4月11日の読売新聞読者投稿欄「気流」に80歳の男性の投稿があった。物忘れ防止のために「2日前日記」をつける習慣を始めているのだという。その日の出来事は簡単にメモしておいて、2日後にメモを参考に日記を仕上げる。そろそろ慣れてきたのでメモなしで挑戦したい、と結んだ。
 
 確かに2日前の出来事は厄介だ。3回の食事を思い出すのも難しい。しかし最近では、インターネット上で日記をつけることが簡単である。写真もアップできるから、その日何があったかを明確に記録に残せる。手近なところで小さなメモ帳に日記をつけるのもいいだろう。
 
 しかし、記録と記憶は違う。
 
 携帯電話の普及で人の電話番号を覚えなくなったばかりか、漢字すら怪しくなってきた。紙に下書きをしてると危機感すら覚える。100歩譲って、そうした機会を甘受しよう。その上で忘れてはならないことがある。
 
 嫌なことを言われたら、その人の名前は忘れてしまおう。そして良いことをされたら、「昼間会った人は親切だった」ではなくて、「東京で会ったスズキさんは○○をしてくれてとても親切だった」と、その人の名前を忘れずにきちんと伝えたい。
 
 人に感謝することを口にすることは、それを話している間は自分も幸せでいることができる。人生80年。これまでの人生で、お世話になった人の名を何人挙げられるであろう。これからの人生で、どれくらい多くの人の幸せに貢献できるだろう。
 
 
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平成23年3月11日東北地方太平洋沖地震から1年

 今でも、多くの生還した人が自分の取った行動に疑問を感じて自責の念に駆られている。「目の前で女性が腕を伸ばしていたが、自分も動くことができなかった」「目の前で友人が流された」「大好きだった先生が亡くなった」「明日に助けに行くと言ったのに行けなかった」「危うく仲間を津波の被害に巻き込むところだった」。
 
 東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)は地震の被害そのものよりも、津波の被害が甚大であった。これまで津波になれていたはずの沿岸部周辺住民ですら飲み込まれた。一度は高台に避難した人が、自宅に帰って津波にのまれた。車や飛行機を流し、建物すら破壊した巨大津波。
 
 街が新しく生まれ変わったときに、少しでも気持ちの区切りになるかもしれない。それには、まだまだ多くの支援が必要である。東日本大震災では死者・行方不明者が1万9千人。津波にのみ込まれた人が流したかも知れない涙も、海の水に紛れてしまった。冷たい海に飲まれたかたたちに慰めとなるようにすべきことは何であろうか。
 
 
 3月11日に起きた悲劇を決して忘れてはいけません。そこには、思い出すことが辛い過去もあるかもしれません。ただ、思い出して良い過去もあります。それは、3月11日午後2時46分になる前の時間であり、想い出です。楽しかったとき、つまらなかったとき、寂しかった瞬間、心ときめいた人がいたこと、尊敬する人がいたこと、頼りになる人がいたこと、愛する人がいたこと。
 
 震災を知るものとして、後世に伝える伝達者として、私たちは生きていきます。英語では「伝達者」のことを、”bearer”といいます。bearerにはその意味の他に、「担う人」や「花のなる草木」という意味もあります。悲しみをいっぱい吸い取って、被災した地域の沿岸に、たくさんの花が咲きますように。悲しみが癒える大きな花が咲きますように。
 
 
 
 
 
 
★ 巨大地震(読売新聞)
★ 東日本大震災(毎日新聞)
★ 東日本大震災 パノラマ写真館(産経新聞)
★ 東日本大震災 ニュース特集(朝日新聞)
 
※東日本大震災関連の本ブログエントリ
★ 本ブログ「災害」タグのついたエントリ一覧
 
★ 死者10489人、不明者16621人 東北地方太平洋沖地震(本ブログ・11/3/27)
★ 死亡・行方不明者2万2千人に 東北地方太平洋沖地震(本ブログ・11/3/23)
★ ”火事場の泥棒”を許すな・2 気仙沼の信金から4000万円盗まれる:東北地方太平洋沖地震(本ブログ・11/3/22)
★ 元気な空気を作りたい 東北地方太平洋沖地震(本ブログ・11/3/20)
★ プロの仕事に敬服 東北地方太平洋沖地震(本ブログ・11/3/19)
★ ツイッター トップリツイートにみる世相・8(本ブログ・11/3/17)
★ ”火事場の泥棒”を許すな 東北地方太平洋沖地震に便乗(本ブログ・11/3/16)
★ 死者・行方不明者は千人超える 岩手・陸前高田市は壊滅状態 東北地方太平洋沖地震(本ブログ・11/3/12)
★ 国内最大規模、東北地方太平洋沖地震 M8.8と気象庁 死者20人以上、行方不明者数十人(本ブログ・11/3/11)
 
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