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自殺、孤独死、衰弱死は社会の盲点なのか 絶えない看取られない死

 痛ましいというのは簡単であるがこうした事例は社会の盲点なのであろうか。
 
 さいたま市内で60代の夫婦と30代の息子と見られる男女3人の遺体が見つかった。3人は餓死したとみられるが、住民登録もなければ生活保護の申請もしていなかった。貧困年代が低年齢化している現実を我々は突きつけられている。
 
 3人が住んでいたさいたま市内のアパートの中には食料が無く、水の入ったペットボトルがあった。現金は一円玉が数枚のみ。アパート管理会社などによれば、昨夏から家賃が滞納され、昨年末にはガスと電気が止められた。
 
 厚労省は電気やガスなどを止める場合は、事業者と自治体が連携を取り、生活保護の受給を勧めるなどの対応を取るように通知。しかしそれは機能しなかった。生活問題に詳しい小久保哲郎弁護士は「高齢者や障害者が社会的弱者とされてきたが、不況が長く続き、若くても職が無く困窮してしまう場合も多い」と語る。
 
 住民登録もされなかった点についてさいたま市は、「今後も同様のことが起きた時に対応できるかは難しいところだ」とする。その後の調べで3人は秋田県大館市から移住してきたことが分かった。
 
 札幌市では知的障害のある姉妹が区役所に出向いて生活が苦しいことを訴えたものの、生活保護申請はしなかった。小久保弁護士は「生活保護受給への風当たりが強いことが申請に気後れさせたこともある」と指摘する。
 
 東京・立川市のマンションでは母親(45)と障害のある息子(4)が死亡しているのが見つかった。母親は病死とみられ、長男は助けを呼べなかったとみられている。市のおむつ支給サービスを受けていたが、委託業者が届けに行った1月は親子から応答がなかった。連絡を受けてケースワーカーが訪問したが、オートロック式だったので中に入れずに安否の確認ができなかった。なぜ、そこでやめてしまったのか。高齢者向けの弁当宅配業者の一部では、お年寄りの安否確認の意味もこめて活動している事業所もある。
 
 プライバシー保護との兼ね合いがあるのも分かる。しかし生活困窮状態が明らかなのであれば、緊急避難的に立ち入るべきだったのではないだろうか。プライバシーという見えない概念を尊重するよりも、生活している人という見えている実体を重んじるべきである。
 
 例えば、アパートの大家さんは普段、勝手に賃借人の部屋に入ってはいけないが、客観的に見て明らかに異常な場合は入ることが許されていることが契約上多い。それは火の手が上がっている場合や、玄関から水が流れているという第三者が見ても異常事態と推測できる場合だ。
 
 社会的弱者はそうした大きなサインを外には発しない。発しないことや応答がないことが緊急事態と捉え、権限がないのであれば警察官立ち会いのもとで確かめればいいことである。それで無事が確認されればいいのである。それは行政のミスとして非難はされない。何かしたことによる無事の発見と、何もしなかったことによる手遅れの状態ではどちらがいいのかは明白である。
 
 この手の事件は「都会の盲点」などと言われる。しかし盲点ではない。目を開こうとしなかったか、視線を絶望した人たちに向けなかっただけではないだろうか。人間関係が希薄になったいま、プライバシーに踏み込めるのは同じ赤の他人でも行政だけである。こうした悲劇が繰り返されないように対策が立てられることに切に望む。是非、プライバシーを確認しに行ってください。
 
  
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★ 一円玉数枚のみ 国の「通知」生きず 都会の盲点 さいたま3人餓死?(産経新聞・12/2/22)
★ 衰弱死:障害児、自宅で 母病死 2ヵ月気付かれず 東京(毎日新聞・12/2/22)
★ 神戸のマンションで発見の遺体は住人の80代夫婦 夫の頭から出血、妻は死後数日超(産経新聞・12/2/23)
 
★ 老老介護の現実  進行する高齢化の問題(本ブログ・09/9/8)
★ 死にたい、生活苦しい 相談機関検索サイトにアクセス殺到 24時間で20万回アクセス〔本ブログ・11/3/5)
 
 

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遺族がいないと家主の自腹 賃貸オーナー向け保険が売れ行き好調 今後も増える孤独死

 孤独死が持ち家の中ならともかく、賃貸物件であるとその大家さんの負担というのは大変だ。家賃収入が一定期間途絶えること、そして遺品の片付け。一番大変なのは遺体で汚れてしまった部屋の修繕である。通常のクリーニングではだめで、専門の業者に連絡をすることになる。これが数百万単位の負担になるので馬鹿にならない。
 
 一般に夏季のほうが遺体の損傷が激しいと考えられているが、実情は逆であり、暖房が効いている冬場の遺体のほうが損傷が激しいとのことである。遺体が崩壊していくのが頭部と腹部からであり、その流れ出たものは部屋に染みついて通常の洗剤では取れないのだ。発生する異臭も尋常ではなくなるから大変だ。
 
 ここで専門業者に遺品の整理や部屋のクリーニングを依頼するのであるが、これが百万円ほどかかるとされ、ひどい場合は500万円近くかかる。大家さんは遺族に対して金額を請求することになるのだが、拒否されるなどした場合は自腹でしなくてはならないのだ。これは大きな打撃である。
 
 アパートなどを経営している大家さんは儲けているというイメージがあるが、実際はそうでもない。不動産業者に全てを任せれば家賃から手数料を引かれる。支払いの残っている物件であれば決して楽な経営状態ではない。そこに所有物件の管理にかかる費用や家賃の延滞、夜逃げなどがあれば大打撃だ。自殺などの”事故物件”は契約時に率先して説明することが宅建業法で決まっている。家賃は当然安く設定せざるを得ない。そして今後急速に増えると思われる”孤独死”対策が急務である。
 
 エース損害保険は「オーナーズ・セーフティ」という保険商品を売り出した。年額3,350円で家賃6万円の30平方メートル以下の住宅で原状回復に100万円、空室期間中の家賃保証などをおこなう。(一例)「予想以上に反響が大きい」のだという。
 
 高齢化と非婚化により、単身世代が増えてくる。アパートマンションを経営している大家さんの一助となりうる商品である。そして同時に、持病を持った人が緊急通報できるシステムなどを備えたアパートの登場などに期待したい。最後まで生きることを諦めなかった人たちが最後のセーフティーネット(安全網)を呼ぶシステムを構築するのは急務である。
  
  
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★ 損保初の家主向け保険が好調 背景は賃貸での孤独死急増(ダイヤモンド・オンライン・12/2/22)
 
★ エース損害保険株式会社
★ 遺品整理はおまかせ!遺品整理のかたづけや本舗
 

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盗難の日本人青年の自転車、ネットユーザー5万人が発見 中国・武漢

 中国で自転車を盗まれた日本人男性がいた。ところがおよそ5万人の市民がインターネットを使って自転車を発見する出来事が起きた。男性は「武漢の人々やメディアに感謝したい」と話している。
 
 看護師の河原啓一郎さん(27)=長野県出身=は、自転車でボランティア活動をしながら世界一周の旅をするために昨年10月日本を出発。中国からアフリカなどを数年かけて回る予定だった。3日に武漢に到着して献血を呼びかけるボランティアをしていた。
 
 ところが湖北省武漢市内で自転車を盗まれた。20万円以上するもので、17日午後に市内の駐輪場に止めていたが夜に盗まれた。警察に届けたところ地元メディアが報道し、中国版ツイッター「微博」で「世界旅行中の人の自転車が中国でなくなるとは。中国人のメンツに関わる」などという書き込みが相次ぎ、警察が当面の自転車をレンタルするなど反響が広がった。
 
 河原さんはSNS「フェイスブック」で「武漢中が僕のために、僕の自転車のために動いてくれている」とコメント。自転車は闇市場で売られていたが、購入した市民が「微博」を見て河原さんのものと気付いて届け出た。
 
 中国での盗難で見つかることは奇跡的であるとされている。広州紙、羊城晩報は「人々の意識の中には、外国人はいつも文明的に進んでいるが中国人は立ち遅れているという感覚がある」と指摘。
 
 インターネット人口は言論統制のある中国でも広がっている。規制があるとはいえ、ネットから垣間見える海外の生の声に中国人は意識改革をされたのではないだろうか。
 
 それにしても自転車1台のために動いた静かな人たち5万人という数は凄い。そして「つぶやき」をみて、買い取った自転車を正直に届け出た人も素晴らしい。
 
 海外に行って困るのは盗難である。日本国内であれば、盗難・紛失で見つかる可能性は結構高いが海外では絶望的である。世界一周を試みた一人の日本人青年にとって、最初の収穫が中国での出来事であるのは間違いない。
 
 
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★ 中国:日本人の自転車盗難 ネットで5万人が大捜索(毎日新聞・12/2/21)
 
 

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短い手紙「第9回新一筆啓上賞」発表 福井県坂井市

 福井県坂井市の丸岡町文化振興事業団は、大切な人に40文字以内で思いを伝える手紙のコンクールの大賞5作品を発表。テーマは「明日」で、国内外から3万5千通ほどの応募があった。およそ4割は東日本大震災関連だった。
 
 今回の作品はまだ公開となっていないが、過去の作品からすこしだけご紹介。
 
 第一回 日本一小さな物語「母」との往復書簡
 
(往)「子から母へ」 
お母さんへ 私はしばらく家出します。さがさないでください。
(復)「母から子へ」
いってらっしゃい。晩ご飯までには帰ってくるのよ。今日はハンバーグだからね。

 
(東京都・15歳女性)
 
 ※小学生の女の子がひどく叱られて置き手紙。母は家出を気にせず、隣に住んでいる仲良しの女の子の家に行っているだろうとお見通しだったので、その子の家に手紙を届けた。手紙をわざわざ届ける母親の愛情です。
 
 
 第2回 日本一小さな物語「家族」との往復書簡
 
(往) 「母から子へ」
産んだときから、あなたの声が聞けなくて、内緒話もできないね。
(復) 「子から母へ」
そうだね。でも気付いてた?手話の分かる人少ないから、毎日が内緒話だったんだよ。

 
(北海道・高校3年生女性)
 
 ※周りに手話ができる人が増えて内緒話に困るような、そんな優しい社会になったらいいですね。
 
 
 第3回 日本一小さな物語「愛」の往復書簡
 
(往) 「妻、ローズへ」
国も違うし・・・僕には子供がいる。それでもオーケーしてくれますか・・・。
(復) 「夫へ」
ワタシニ、コドモガイタラ、アナタ、プロポーズ、シナカッタ?

 
(福井県・48歳男性)
 
 ※ 国際結婚は大変なのでしょうが、国は違えど1人に対する愛情はいつも1つです。
 
 
 第4回 日本一小さな物語「父」との往復書簡
 
(往)「お父さんへ」
僕のテストの成績が悪いのは遺伝やと思てるんやけど。
(復)「息子へ」
失礼な奴やな。後で2階へ来い。お母さんの成績表見せたる。

 
(福井県・13歳男性)
 
 ※ きっと息子さんにも遺伝することでしょう。
 
 
 第6回 日本一短い手紙「夢」
 
「ゆめの国のお友達」へ
いつも、あそんでるとちゅうでバイバイ。ごめんね、朝、ママがおこしにきちゃうんだ。

 
(福井県・8歳の女の子)
 
 ※ そしたら夜になったら、ゆめの国のお友達を待たせないように早く寝ましょう。
 
 
 140文字で伝えると言ったらツイッターですが、人に伝える方法に文字数は関係ないようです。手紙は、送る相手がいることが楽しい。受け取る立場でいられることが嬉しい。なぜ口頭ではなく手紙がいいのでしょう。きっと、時間をかけて伝えたい事というのは、それだけ相手への思いが強いからなのでしょう。
 
 
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★ 29年前のビンが漂着 青森(本ブログ・09/1/30)
★ 短い手紙、4割が大震災関連 大賞「行方不明の娘に」など発表(47NEWS・12/1/27)
★ 財団法人 丸岡町文化振興事業団/新一筆啓上賞
 
 

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第146回芥川賞受賞の田中慎弥さん 終始憮然とした会見「とって当然」

 第146回芥川賞を受賞した田中慎弥さんは山口県下関市生まれ。県立下関中央工業高卒。平成20年には川端康成文学賞と三島由紀夫賞を受賞。地元で母(68)と暮らしながら、小説を書き続け、5度目の候補で受賞。
 
 会見では終始ぶぜんとした表情だった。「シャーリーマクレーン(Shirley MacLaine)だったと思いますが、アカデミー賞を何度も候補になって、最後にもらったときに『私がもらって当然だ』と言ったと思いますが、だいたいそういう感じです」と話すと、記者からは笑いと拍手が起きた。
 
 「4回も落とされた後ですから、ここらで断ってやるのが礼儀と言えば礼儀なのですが、私は礼儀を知らないので、もし断ったと聞いて気の小さい選考委員が倒れたりなんかしたら都政が混乱しますんで、都知事閣下と東京都民各位のためにもらっといてやる」と話した。候補作品について酷評した都知事への攻撃だったのか。
 
 記者が「(郷里である)下関の恩師や街のかたが喜びの声を上げていますが」については、「それはウソですね。教師に嫌われてましたから」と語ると記者からは笑い声が上がった。
 
「とっとと終わりましょう」、「(会見の前に)ワインを2杯飲んだ」とも話している。
 
 能力が認められずに「何を今さら」と言った著名人は多い。それが受賞することで認められるのか、数が多いからその質を認められるのか。時に本当に良質な物事を見極める方法を見失っていることがあるかも知れない。「誰かが言っていたから」ではなく、自分が信じたから、という物事を選びたい。根拠に基づいて判断したい。
 
 それにしても記者の方というのは質問する声が小さい。自信のある著名人は誰しも声を大きくして話をする。信念や宗教を持っている人というのは実に自信たっぷりに話すので、声の大きさは人の器の大きさを表す1つの指針になりうる。
 
 田中さんには「おめでとうございます」と書くべきなのだろうが、「とってつけたような言葉は要らない」とでも言われそうなのでやめておく。
 
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★ 芥川賞に円城塔さんと田中慎弥さん、直木賞は葉室麟さん 第146回芥川賞・直木賞(産経新聞・12/1/17)
★ 「都知事閣下と都民各位のために、もらっといてやる」 田中慎弥さんの受賞会見(産経新聞・12/1/17)
★ 芥川賞候補作は「バカみたいな作品ばかり」 選考委員の石原都知事(産経新聞・12/1/6)
 

 
 

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女性研修医がクリスマスデート前に心肺停止の男性を救う 大阪・枚方

 先月25日、研修医の女性(24)が京阪本線の電車内で心肺停止状態に陥った男性を救った。蘇生措置を施し、自動体外式除細動器(AED=Automated External Defibrillator)を使う機転を利かせた。男性は快方に向かっているという。女性はクリスマスのデートに向かう途中だった。
 
 関西医科大学付属枚方病院(大阪府枚方市)の研修医、山室裕香さんは、当直明けの午後1時45分ごろ、枚方市内の光善寺駅に停車中の車内で急病人のアナウンスを聞き駆けつけると、男性(71)=大阪府寝屋川市=が倒れており、心肺蘇生術を試みた。11月までの3カ月間に救命救急の研修を受けたばかりだった。
 
 京阪電鉄では同駅での救急車要請をしていたが、山室さんの「一刻も早くAEDを」との訴えに応じ、1つ先の香里園駅に向かわせた。車内では5分以上の心臓マッサージをし、駅に到着するとAEDを操作。呼吸が戻った男性を救急隊に引き渡した。
 
 男性は手術を受けて回復。山室さんの見舞いに「当時のことは覚えていない。ありがたかった。感謝感激です」と涙を流した。山室さんは「元気そうで良かった。焦らずゆっくり治して下さい」と声をかけた。
 
 クリスマスデートのほうはというと、全身汗だくになりながら遅刻したが、後に交際相手からも「よかったな」と褒められたという。枚方寝屋川消防組合は山室さんらに感謝状を贈る予定だ。
 
 躊躇のない行動に加え、無関心でいなかったための人命救助だった。昨夏、とある駅で年配の男性がしゃがみ込んでいたところに女性が、「ご気分でも悪いのではないですか?病院まで行きましょうか」と声をかけていた。もしかすると医療関係者だったのかも知れない。山室さんやそうした人たちの善意が街に溢れることで救われる命も増えることであろう。
 
 助かった男性にとって、この上ない大きなクリスマスプレゼントであった。白衣を着たサンタクロースの贈り物は、一生記憶に残るプレゼントとなったに違いない。
  
  
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★ クリスマス:デート前の女性研修医、電車内で急病人救う(毎日新聞・12/1/12)
★ 高校生、火事から夫婦救出 消防総監感謝状(本ブログ・08/12/25)
 
 

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2011年3月11日

 3月11日午後、翌日に引越を控えていた私は部屋の中を整理をする。段ボールが10箱積まれ、ベッドとパソコンデスクだけが出してある。ノートパソコンを開いて交流サイト「mixi」をのぞく。好きなアーティストが「あしあと」をつけてくれたことがとても嬉しい。
 
 時間など気にせずネットをしているとマンションが揺れる。いつもの地震だと思いすぐに済むと予想する。しかし揺れは大きくなり止まらない。携帯と札入れと上着を持ち出して表の駐車場に避難する。
 
 目で確認できるほどの強い揺れは一向に止まる気配がない。どこで何が起きているのか。ネットや通話はダメだろうと思いワンセグで確認する。画面の隅に日本地図があり、そこには「大津波警報」と書かれている。 
 
 東北地方太平洋沖地震はこれまで経験したことのないような甚大な被害となる。震度7、マグニニュード9・0と最大規模である。大きな地震は津波を引き起こす。10メートルを超える津波が東北の街をのみ込む。川をさかのぼって襲う。
 
 夜になると気仙沼の街が火に包まれる。船などから流れ出た油が引火する。暗闇に写るのは全く整然としない炎の列。
 
 夜が明けると想像もできない光景が広がる。街が根こそぎ流されている。そして電源焼失の東京電力福島原子力発電所で事故が起きる。放射性物質が大量に飛散する。
 
 未曾有の大震災は今後長期的な支援が必要となる。「がんばろう日本」、そのスローガンを掲げて励ますのであれば、それは一過性のものであってはならない。無知や無関心は人間を残酷なものにする。生きていくということは、亡くなった人たちやその家族のかたたちの悲しみに寄り添うことである。
 
 「いつまでも下を向いていられないから、一歩ずつ進んでいきたい」という被災者の言葉に心を打たれた。悲しんでいる人に心のエスコートをいつまでも。
 
 
 本年も本ブログをお読みいただきありがとうございました。来年が皆さまにとって素晴らしい年であることをお祈りいたします。どうぞよいお年をお迎えください。
 
 
Nono
  
 
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★ 2011年、来年の目標は・・(本ブログ・2010/12/31)
 
 

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世田谷一家殺害事件被害者の母死去 事件の第一発見者

 2000年12月30日、東京都世田谷区上祖師谷で宮沢みきおさん(当時44)一家が殺害された事件で、妻の泰子さん(当時41)の母が82歳で亡くなった。病床では「早く逝きたい」とつぶやいていたという。10日、都内で開かれた一家の追悼集会で、泰子さんの姉(54)が明らかにした。事件は未解決のまま30日で発生から11年となる。
 
 事件当日、母親は電話に出ない泰子さんを不審に思い、隣の宮沢さん宅に訪れた。そこでは物色されたタンス、書類の散乱、階段上の踊り場で倒れていた孫娘(当時8)を思わず抱き上げたという。その後すぐに「大変だ」といって自宅に戻り、同居していた姉夫妻に話した。姉もすぐに宮沢さん宅に行こうとしたが夫に制止された。
 
 母親は警察の事情聴取以外でマスコミなどと対応することはなかった。「事件後は何もいいことがない」とこぼしていたという。2年前から体調を崩して失明していた。姉は昨年、夫を60歳で亡くした。妹家族の死、夫の死、そして母親の死と続くことになってしまった。
 
 この事件では犯人が指紋や足跡といった多くの物証を残している。殺害現場からすぐに離れずに、朝方までの長時間滞在していたことも分かっている。現在まで犯人の特定・検挙に至っていない。この事件は捜査特別報奨金制度の対象となっている。警視庁成城署では情報の提供をよびかけている。
 
 被害者は勿論、その遺族にも事件・事故の悲しみはのしかかる。第一発見者であった母親も、犯人が捕まらないまま最期を迎えることが無念だったに違いない。悲しみまで繰り返される無情な事件の歴史が断ち切られることはないのだろうか。
 
 幼い子の命にまで手をかけたこの事件の犯人は捕まらなければならない。それは犯人のためでもなければ社会正義実現のためでもない。凄惨な現場を見て、無念のまま旅立った老いた魂へのなぐさめのためである。
 
 
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★ 世田谷一家殺害:祖母逝く 家族だけに惨状語り続け(毎日新聞・11/12/25)
★ 上祖師谷三丁目一家4人強盗殺人事件(警視庁)
 
 

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