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【巨人】工藤公康投手 200勝目前にして初のホームラン

 2004年8月17日の話。巨人に在籍していた工藤公康投手(当時41)はプロ通算200勝達成を控えていた。勿論ファンは200勝達成を願っていた。
 
 対ヤクルト戦7回裏、2対2の同点で巨人の攻撃。ツーアウトランナー2塁に阿部。バッターはピッチャー工藤となった。勝ち越しのチャンスであり、通常であればバッター交代させるところであるが、200勝のかかった工藤を外すわけにはいかない。ツーアウトなので送りバントもできない。フォアボールを選ばせてくれるほど相手ピッチャーも甘くない。
 
 何ともいえない雰囲気の中、工藤はバッターボックスに立ち、投球カウント、ワンストライク・スリーボールの5球目に奇跡が起こった。工藤が大きく振ったバットにボールが大きく当たり、ライトスタンドに直撃するツーランホームランとなったのだ。
 
 飛び跳ねながら走塁する工藤。総立ちの観客席。見ているこちらは鳥肌であった。このゲームは結局工藤のホームランが決勝点となり巨人が勝ち、工藤は200勝を飾ることとなった。試合後のヒーローインタビューで工藤は「最高っす!」と言ったのを覚えている。このホームランは工藤にとってプロ入りしてから初のホームランでもある。
 
 41歳3か月での200勝は当時の史上最年長記録。2012年に引退し、現在ではスポーツ解説者・キャスターとして活躍している。
 
 奇跡が起こった、と書いたが、バッターボックスに立つだけでホームランを打つ可能性は誰にでもある。偶然だろうと必然だろうとバッターボックスに立てばよいのだ。
 
 つまり、バッターボックスに入ることから逃げ出せば、奇跡は起こせない。逃げることなく、真摯に向き合う姿勢が日常では大切なのだ。
 
 プロ野球も変わった。近年では国内野球も、メジャーリーグと遜色のない好プレーを見ることができる。しかし昔から変わらないのは、白い球をひたすら追い続ける情熱である。情熱はいつの時代も色あせない。
 
 

 
 

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