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「治安崩壊」レビュー 元警視庁刑事は何を語るのか

 
 「日本は凶悪な犯罪が多発する本当に恐ろしい国になってしまった」。元警視庁刑事が書いた「治安崩壊」(河出書房新社)を読んだ。著者は交番勤務を経て、刑事事件、風俗、銃器、公安などを経験。あらゆる犯罪を見てきた。
 
 現在も未解決である「世田谷一家殺人事件」にも触れている。「ある筋から入手した情報」として、被害者は某団体から多額の寄付を要求されたが、それができなかったため「みせしめ」として殺害された、というものである。幼い子供も被害者になっていることから、「みせしめ」が意味をなすという。
 
 著者はかつて神奈川県内で起きた暴走族による殺人事件についても触れている。元新聞記者の男性が鉄の建築資材を片手に暴走族集団に立ち向かった。しかし反撃に遭い死亡した。この裁判では男性が鉄の棒を持っていたことにことさら注目が集まり、判決は懲役4年。人を殺しておいて4年。その頃の著者の刑事仲間では「日本の司法は病に冒されているのではないか」と一時騒然となったという。
 
 著者は正義感をもって職務を遂行していたようだ。繁華街で総勢120人の暴走族が乱闘していたときも、付近の警察官数人と一緒に警棒片手に戦った。しかし相手が多くて歯が立たない。ぼこぼこにされながらも戦った。その間にも無線で「近くにいる者は現場に急行せよ!」と指令が出るが応援部隊が到着したのはかなり時間が経ってからで、立つのもやっとの状態でへろへろになっていた。
 
 「後で分かったこと」とし、当時、無線を聞いていたにも関わらず、出動せずにお茶を飲んで身を隠していた同僚が数人いた。頭にきた著者はその数人を独身寮に呼び、正座させた上で、「お前ら何考えている。警察官をやめろ」と言って、一人ずつ殴ったそうだ。「先輩」もいたが、著者の怒りに目を合わせることもできなかったという。
 
 著者の名前は北芝健。早稲田大学卒業後、民間企業勤務を経て警視庁に入庁。現在は日本社会病理研究所主任研究員、助教授。伝統空手6段。
 
 他にも、犯罪に巻き込まれないためにはどうするか、巻き込まれたらどうするかということを、プロの視点でアドバイスしている。そして大切なことは危機意識を持って生活することであり、もう日本は安全ではない、という考え方を持つことが重要だと気づかされる一冊である。
 
 
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真実の魅力

 他人の作曲であったり論文が盗用であったりと、何かと嘘の多い世の中のようである。こうしたウソ騒動というのは今に始まったことでもない。
 
 論文盗用はたびたび問題になっているし、ゴーストライターも芸能界ではさほど珍しい事案ではないようだ。消費期限の改ざん、産地偽造、食材の偽表示など、前から問題が公になっていたにも関わらず、発覚したら謝る、公にならないのならそのままでいい、という風潮は何故無くならないのだろう。
 
 誰でも公の場に身を置けば自分を演じることがある。しかし偽りの演技というのは評価されることはない。虚構の世に身を置く人というのは、己の真実に魅力を感じないのだろうか。
 
 先日、女優の遊井亮子さんに逢いに行くために秋葉原へ足を運んだ。一日消防署長を演じていた彼女であったが、ドラマで見る彼女と違って違和感があった。最初から最後までセリフがあって、歩き方から身振りまで全てが演技ではない。どちらかと言えばアドリブの方が多かったのである。
 
 彼女のアドリブとは、スタッフの人たちと談笑している姿であり、大きな帽子をかぶっててくてく歩く姿であり、お辞儀をしている姿は品格を感じた。
 
 我々は社会を構成する者として自分の役割を演じている。まずはそれを肝に銘じなくてはならない。学生なら勉強をし、親であれば子供の世話をし、役者なら演じ、歌手なら唱い、大臣なら国民のために動き、看護師なら倒れる人に手を差し伸べるべきである。
 
 しかしながら、大切なのはアドリブである。台本から遠ざかったとき、あなたは誰のための自分でいられるのか、ということである。
 
 
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★ 東京・秋葉原で消防演習 一日消防署長に女優の遊井亮子さん(本ブログ・14/3/7)
 
 

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譲りたい気持ち・2

 
 自分以外の人を100%理解することは難しい。同じ経験があれば楽しさや苦しさを共有できるが、経験や知識が無い場合は徹底的に他人の気持ちを考え抜かなくてはならない。
 
 思い切って質問することも必要だ。知り合いの義足の女性に聞いたことがある。「その脚はどの程度開くんですか?」それに対して彼女は、「結構開くわよ」と答えて笑った。長距離移動は杖が必要なときもあるが、そうではない時には杖なしで歩行していた。
 
 耳の不自由な人に出会ったときも、筆談と耳元で大きめの声を出して会話をした。とりあえず習得したのは手話による自己紹介。以前、手話サークルに入っていた人に「指文字」を教わったことがあるので、自分の名前、すなわち固有名詞を名乗るときは便利であった。聞いた話では、手話は日常的な会話ができるまでに3年かかり、外国語の習得と同じだという。
 
 ゴーストライター問題で話題の人となった男性は会見を行い、「全く聞こえない」事に関して嘘をついていたことを謝罪した。全く聞こえないのではなく、中度の「感音性難聴」なのだという。
 
 時同じくして、「マタニティマーク」を付けている女性が誹謗中傷される事案があることを知った。このキーホルダーを付けていることで、わざと蹴られたり腹を押されたりする嫌がらせがあるのだという。また、電車内で肘うちされたり、「妊婦が電車なんかのんなよ!」などと暴言も吐かれたというのだ。
 
 病気を患っている人や妊娠している人の中には体調が優れない人もいる。席に座っているのが元気そうな人に見えてもそうじゃないこともある。他人に対して実に厳しくなってしまった乾燥している人の気持ち。
 
 佐村河内氏問題をきっかけに、同じような病態で苦しむ人の気持ちを考えられるようになればいい。大きな病院の待合室にいると一見元気そうだが、ほとんどが患者さんなのである。病院なら起きそうもないいざこざが、世の中では平気で起きている。
 
 2月に大雪が降ったとき、町では多くの人が雪かきで汗を流していた。協力し合っていた人たちを見て、隠し持っている優しさがこれだけ世の中にはあるのかと感じた。
 
 知人の義足の女性に足の開き具合を聞いたのは、地震が起きたら背負って逃げるつもりだったからである。背負うことに問題が無いことも確認できた。
 
 その女性は街のバリアフリーに対して不満を感じていた。「階段に手すりがあるが途中で切れてしまっていることがある」ということだ。手すりさえあれば良いのだろう、と考えていたが違うようである。積極的にそうした不満の声を上げて、拾う姿勢があること。風通しの悪いバリアがあることこそが弊害なのだ。
 
 人を傷つけることが簡単であるのと同様に、人に優しくすることも実践できるはずである。
 
 
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★ 「マタニティマーク」は危険?(R25・14/2/28)
★ 耳の聞こえない男性 運転免許取得(本ブログ・08/11/12)
★ 聴覚障害者詐欺、27億円を詐取(本ブログ・07/2/16)
★ 譲りたい気持ち(本ブログ・11/2/17)
 
 

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「相棒」にみるドラマの表現

 ネットで検索すれば「放送中止」になった番組がたくさん出てくる。興味のあるかたは検索をして戴きたい。
 
 ドラマとはいえ、作り手のモラルが問われることがある。刑事ドラマの「相棒」のシリーズ3の第7話「夢を喰う女」では、「相棒」の二人(杉下・亀山)が図書館司書から利用者の貸し出し履歴情報を見せてもらうシーンがある。これに日本図書館協会から抗議があった。個人情報を令状なしに刑事に見せることはない、ということだ。このためこの話は欠番となり、再放送もされずDVDにも収録されていないという。(参考:Wikipedia「相棒」)
 
 次に、抗議があったわけではないが、犯罪になりそうな事を咎めるシーンは作り手の慎重さを感じる。以下はすべて「相棒」の話である。
 
・ 制服警察官が道ばたの花をちぎって、人が倒れていた状況を再現したが、花をちぎる行為に対して杉下が、「おやおや、いけませんねぇ」という。
 
・ 聞き込みをしていた杉下に、町内の人が「刑事さん、こっちですよ!」と自転車の後ろに乗せようとする。杉下は後ろに乗ろうとするが、「ああ、二人乗りはいけません」と言って歩き出す。
 
・ 小野田公顕(岸部一徳)の孫の男児が「おしっこしたい」というので公園の雑木林へ連れて行く。そこで立ち小便をさせる際、「じいじ、(警視監という)立場上まずんだよな。でも、今回は緊急避難ということで」と独り言を言う。
 
・ 賭将棋士に事情を聞いていた相棒の二人。その男が対戦相手から勝って得た金を取って立ち去る。賭博の現行犯ということになり、亀山が「ちょっと、おいおい」と言うが、杉下が亀山を抑える。男に対しては別の事件の聴取で来ていたので、それ以外の追求はしたくないためである。
 
 テレビというのは基本的にスイッチを入れれば無料で見ることのできるものだ。それゆえに、その影響力は大きい。ドラマが基本的にフィクションであるとはいえ、作り手が内容に現実性の付与にこだわるように、視聴者もその話の中に没頭することになる。つまり、感情移入する。それゆえに、作り手側には見る側に対しての背信行為がないように留意すべきである。
 
 「相棒」のある話の最後で犯人が杉下・亀山に対して犯行を告白するシーンがある。通常であればそこで任意同行ということになるが、亀山が「右京さん、自首にしませんか?自首でいいでしょ?」とお願いする。杉下は言う。「いつも君がそばにいてくれて助かります。僕には、君のようなしなやかさが欠けています」。
 
 実際の警察が逃走するかもしれない犯人を目前にし、自首をさせるということは無いに違いない。しかしきっと、この場面では制作者側が視聴者の感情移入に助け船を出し、感情を共有することにしたことだろう。「半沢直樹」がそうであったように、真摯に制作すれば番組というのは素直に受け入れられる余地がたくさん有る。作り手にも受け手にも「しなやかさ」が必要だ。
 
 

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テイクアウト

sora
 ファーストフードにいったとき、レジ付近にいた店員さんが奥の店員さんに「今のお客さんにポテト入れた?」と聞いた。奥の店員さんは「いや・・・入れて・・ないです・・・」。テイクアウトの時の入れ忘れである。
 
 私も経験がある。入れ忘れに気づくと「追いかけて!」となり、急いで店外に出てお客さんを捜す。こういうときのお客さんというのはとても速く、そして遠くにいらっしゃる。見つけることができたときは幸運だが、発見に至らないとクレームになる。商品本体の入れ忘れが最悪だが、ガムシロップの入れ忘れ、ストローの入れ忘れ、ナプキンの入れ忘れでもクレームになった。
 
 原因は確認を徹底しなかったことという単純なことだ。提供前にポテトを入れたかどうかを確認すれば防げた。
 
 仕事でも勉強でもそうだが、たいていのミスというのは確認を怠ったことによって危険が高まる。「まあいいか」を思った瞬間にその危険度が増す。単純な思考がもたらす作業というのはこつこつ実行することで時間がかかっても成果が出るが、時間に追われたり環境に余裕がない状況であると簡単な工程を省いてしまうことが危険なのである。
 
 他方、いつしか時間に余裕のない現代社会の中に生きていることに気づく。気づける時間があるのはいい方だが、それすらない場合は仕事そのものを動かす人に歪みが生じるのではないかと不安になる。流行語に「ブラック企業」というのがあるが、人は何故ロボットのごとく人を使い、使われるようになってしまったか。それを享受しなければならない環境に慣れてしまったのだろうか。
 
 今年、千葉県内の工場で爆発事故があった。工場の生産過程は「安全第一」が唱われているはずだ。その次に続く「品質第二」「生産第三」の順番が狂うと事故に直結する。我々はこの順番をいつしか勝手に入れ替えてしまっている。是非、「ゼロ災」の精神を忘れないようにしたい。
 
 冒頭の「ポテト入れ忘れ事件」だが、10分くらいしてからお客さんが入れ忘れに気づいて戻ってきた。店員さんが「ああ、お客様、申し訳ございません」と平謝り。ただお客さんは笑顔でいて怒っていなかった。店員さんにしてみれば、お客さんが戻ってこなければ、嫌な気分で年越しになってしまったであろうし、お客さんも自宅で気づいたら不快であったに違いない。
 
 新しい年に嫌なものを持ち越さないように、一つ一つ丁寧に実行したい。来年にテイクアウトしていいものがあるとすれば、失敗に対して揺るがなかった正しい気持ちだけである。
 
 
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2013年 今年のニュースを振り返る【乳児取り違え事件】

 
 夜のニュースでの一報は衝撃的だった。60年前、東京都内の産婦人科で男性Aさん(60)とBさん(60)が何らかの理由で取り違えられた。Aさん側は貧乏暮らしを余儀なくされ苦痛を受けたとして、東京地裁に提訴。DNA鑑定により裁判では病院側に3000万円あまりの賠償を命じる判決が出た。
 
 Aさんはきょうだい2人と共に幼いころから母親一人に育てられ、家電製品も満足にそろっていない家で育った。中学卒業後には就職して働きながら定時制高校に通った。現在はトラック運転手をしながら兄の介護をしている。
 
 もう一人の被害者であるBさんときょうだいは教育熱心な両親に育てられ、全員大学に進学した後に有名企業に就職もし、特に不自由もなく人生を送ってきた。
 
 この裁判が起こされたきっかけというのは、Aさんの実のきょうだいが”兄”であるBさんの容姿や性格が似ていないことに違和感を憶えたことによる。両親が他界したことにより遺産相続となり、白黒はっきりさせなくてはならないことから実の兄であるAさんを捜すことになった。
 
 病院がどういう経緯で取り違えたのかは残念ながら分かっていない。しかし60年もの長期にわたる遺失利益を考えれば、3000万円超の賠償金というのはあまりに安すぎる。
 
 そもそもお金の問題ではなく、60年という時間である。お金は稼いで貯金もできるが、失った時間だけは取り戻せない。Aさんは60年間良くしてくれた育ての親やきょうだいに感謝しているという。しかし実の両親に会えなかったことに涙しているという。
 
 無くなった時間を取り戻せるとしたらどんな方法があるだろう。これからの人生で、今までしてこれたかもしれない時間をなぞることが慰めにはならないか。賠償金を手にして、実子として他界した両親からの遺産も相続する権利が発生する。Aさんに余裕ができたら、学校に通うとか、きょうだいとの生活も作って戴けたらと思う。
 
 AさんもBさんも何ら落ち度がない。人は平等だと言っても境遇を選ぶことは出来ない点で不平等である。神様が2人に与えた宿命は一体何を意味するのか。お二人にとって、これからの人生に大きな意味をもって歩まれることを切に願います。
 
 
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★ 赤ちゃん取り違えは何故起きた(NHKニュースWEB・13/11/28)
 
 

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食材誤表示・虚偽表示狂想曲

 食品食材の誤表示・虚偽表示が問題になっている。かつて消費期限の牛乳を使い回ししたり、その期限表示の改ざん、三次表示の偽装などがあれほど問題になったにも関わらず、また食材について消費者を欺くこととなった。
 
 企業側の罪意識が低いのは、消費期限偽装がJAS法(農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律)違反で罰則が厳しいのに対し、食材誤表示は景表法(不当景品類及び不当表示防止法)違反で軽微な違反であるという論調だ。
 
 「○○産」の表示に価値を見いだすのは、ブランドに対してお金を払うことが一つの消費者の流儀だからである。「○×産」よりも味のいい「○○産」の方がおいしいと考えるからだ。
 
 名前に対して価値を見いだすのは消費者にとっての優越感や安心感を享受するだけではなく、その商標を守るための企業努力が利益につながることで、市場における需要と供給が符合してよりよい経済活動につながるからだ。ゆえに、誤表示は許されない。
 
 その一方で感じることがある。「○×エビ」が「△○エビ」であろうと、「おふくろの味」を男性コックが作ろうと、食される食材に言わせれば、「美味しいと食べていたではないか」と嘲笑されるということである。
 
 ミシュランは、今回の騒動について、「星の数や評価に影響しない」とコメントした。我々は、ブランドに目がくらんで、もしかすると味オンチになってはいないだろうか。もっとも味の評価は食材の産地だけではなく、その調理法でも魅力が増すのだ。
 
 食材が聞いている。あなたの舌が褒めるのは、食材ですか、それとも調理法ですか。
 
 
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★ 偽装会社は食材に感謝を(本ブログ・07/10/24)
 
 

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婚外子差別規定は憲法違反 裁判官14人全員一致で最高裁決定 115年間続いた民法改正へ

 結婚していない男女の間に生まれた子供(婚外子)への遺産相続分を巡り、結婚した夫婦のこの半分しか相続できない民法の規定が「法の下の平等」を保証した憲法に違反するか否か。最高裁判所大法廷は14人の裁判官の全員一致で「憲法違反」と決定を下した。
 
 裁判長の竹崎博允長官は、「家族形態の多様化や国民意識の変化などを考慮すると、親が結婚していないという選択の余地がない理由で子に不利益を及ぼすことは許されない」と判断を示した。
 
 これまでこの種の訴訟では憲法違反ではないとされてきたが、時代の変化に反応した最高裁決定なのだろう。時代の変化に法律が追いつくのは後になることが多い。守るべき判例法やその時の考え方が「差別ではなく合憲」としてきたに違いない。
 
 今回の決定を歓迎する声がある一方で、「家族の絆が壊れる」という声もある。しかし家族の絆とは本来法令が整備することではない。明文化できないのが人と人とのつながりである。
 
 大阪市内で一人息子(4)を育てる会社員の西崎麻衣さんは未婚の母。母子世帯向けの「寡婦控除」にも納得できないという。夫と離別などで子供を一人で養う女性が対象で、婚姻歴のない西崎さんには適用されない。控除のない分、年間74000円ほどの税負担を強いられる。
 
 西崎さんは「それほど悪いことをしたのか。ペナルティとしか思えない」と語る。西崎さんが心配するのは一人息子が成人したとき。「自分を否定し、責めることをすると思う。そんな思いだけはさせたくない」と声を詰まらせた。
 
 今回の決定により、民法規定を改正する必要があり、谷垣法相は「できるだけ早く法整備に着手する」と述べた。
 
 法律を作るのも運用するのも人間である。何のための法律かといえば、人が平穏に過ごすためのものである。「子供は親を選べない」と、今回最高裁が下した決定は、子供の福祉を優先的に考慮した画期的なものであった。
  
 
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※ 法律的には「非嫡出子」であるが、差別的な響きがあるため「婚外子」が広く認められている。
 
★ 婚外子相続格差は違憲「家族形態は多様化」 民法規定巡り初判断・最高裁大法廷(時事通信・13/9/4)
★ 婚外子「ペナルティ?」 相続格差以外にも差別(毎日新聞・13/9/4)
 
★ BABY A:BABY B(本ブログ・06/10/1)
 
 

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