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缶ビール552本、堂々と盗む 宮崎・都城

 かつて量販店で携帯電話の販売をしていたときに、臨時で神奈川県内の店舗に応援に行った。売り場担当者の方と挨拶をすると開口一番、「うちは万引が多い。不審者がいたら教えてください」とのことだった。比較的小さな店舗であったが、店内は大混雑。近くにカーナビ商品がヒモに縛られた状態で山積みされていたが、これらも「堂々と持って行かれる」のだという。
 
 宮崎県都城市内のスーパーから、552本もの缶ビール(23箱分=約10万円相当)を万引きした会社経営者ら5人が、窃盗容疑で宮崎県警都城署に逮捕された。スーパーの営業中、カートに入れたビールを堂々と店外に持ち出すという、あまりに大胆な犯行であったために警備員が気付いたという。 
  
 2人がトラックの運転席で待機、1人が店の出入り口で見張り、残る2人が店内から缶ビールを盗み出すという役割分担であった。トラックの荷台に積み込んでいたところを警備員が問い詰め、2人をその場で捕捉、他の3人は逃げたが都城署員が1人を逮捕、残りの2人は後になって同署に出頭した。
 
 私はいくつかの量販店を渡り歩いたが、どの店舗でも怪しい人間が出没したときの連絡体制が整っている。隠語を使った店内放送や、品物に張るテープ・紙の色などもに日にちによって変えている。私服警備員がいた店もあった。
 
 最近では高齢者の店内での窃盗が増えているという。専門家によれば「独居老人などが増えたことで、社会との繋がりが減り、社会に対する規範意識が薄れている。社会参加させることが重要」だという。
 
 孤独には2つのタイプがある。試練としてその身を置くものもいれば、自らの存在意義を見失ってしまう孤独である。前者はいずれ社会に参加することであろう。後者は日の当たらない暗闇のままで社会と対峙することになるであろう。しかし日が当たらなくても社会参加している人などたくさんいる。特別なことをする必要はない。善悪の中間に身を置くことこそ、社会のルールに沿って生きる最善の方法だ。
 
 窃盗罪は10年以下の懲役、または50万円以下の罰金という犯罪である。
 
 
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★ 第三十六章 窃盗及び強盗の罪(電子政府の総合窓口)
★ 万引き親子に裁判官が苦言(本ブログ・06/6/30)
★ 被害額「3銭」 駅コンセントで携帯充電の女性摘発(本ブログ・08/9/10)
★ 「大麻欲しさに万引き」の被告に、「バカ」と裁判官(本ブログ・09/4/17)
★ 万引、カメラが検知し警告 リテールサポート本格販売へ(産経新聞・09/6/21)
 

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京都教育大生の集団準強姦、目撃の元学生が小学校教諭に?

 京都教育大学の男子学生6人=逮捕=による女子学生に対する集団準強姦事件で、現場となった居酒屋の部屋などの近くに居合わせた男子学生3人のうち1人が、今春から奈良県内の小学校教員として勤務していることが16日、捜査関係者などへの産経新聞による取材で分かった。この教員は、京都府警の任意の事情聴取に対し「部屋には入っていない」と話しているが、他の関係者の説明と食い違う部分も多いといい、京都府警は当時の状況について慎重に裏付け捜査を進めている。
 
 京都教育大学は3人について、暴行を目撃したのに止めなかったとして、訓告処分としたが、うち1人は今春大学を卒業後、奈良県内の小学校教員になった。
 
 捜査関係者によると、府警は元学生である3人に対して任意の事情聴取を実施、元学生は「コンパ後に2次会の話になった」「犯行のあった階には立ち寄ったが、暴行が行われていたかどうかは知らなかった」と説明した。しかしこれらの話は、他の学生らの供述や説明と食い違う部分が多く、事件が起きていた際に元学生である教員が一緒にいた可能性もあるとみている。
 
 教員を目指すはずの学生が起こした破廉恥な事件であるが、直接の実行犯ではなくても現場にいれば共犯として犯罪が成立する可能性もある。そして教員を含めた公務員というのは、事件を目撃したら捜査機関に通報する義務がある。
 
 先生が教えるのは勉強である。勉強を教えるということは、勉強に対する姿勢を教えることもある。姿勢を教えるということは、学習者に倫理観を持たせなくてはならない。大学と事件を起こした学生側にそうした心構えが果たしてあったのだろうか。
 
 
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★ 京教大集団準強姦事件 「目撃」の元学生、小学校教諭に(産経新聞・09/6/17)
★ 京都教育大生、集団準強姦容疑で逮捕 大学側は当初非公表(本ブログ・09/6/1)
★ 京都教育大学 ホームページ
 
 

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海外に流れる日本の廃家電

 中国広東省で、日本製の中古家電製品がゴミと化している。家電製品の中には有害物質が多く含まれるために、環境汚染・健康被害の問題が起きている。壊れた中古品は修理すれば使えるものもあるだろうが、もともと日本からの中古品として流れてきた品には商品保証も修理も何もない。
 
 そうなれば不法に投棄されるが、有害物質の垂れ流しで健康被害が拡大するのは時間の問題であろう。しかしこの問題は中国だけではない。東南アジアやアフリカにも中古品は流れており、壊れたら最後、ゴミの山と化す。現地では修理やリサイクルの設備が整っていないので、ゴミとなるしかない。
 
 ところで、この廃家電は本来ならばリサイクル(再生利用)されるはずである。我々はテレビや冷蔵庫、洗濯機を購入する際に、家電リサイクル法に従って手数料を支払っている。リサイクルされると思うから、この法律には賛同できるし、リサイクル手数料を払うのである。
 
 しかし大手量販店の一部などでは、引き取った中古品を”再販”している。国内や海外に横流ししているのである。我々は前述の理由で手数料を支払っているのであって、”リユース”(再利用)されるのであれば、むしろ買い取ってもらいたいほどである。
 
 2005年5月に東京で行われた国際的な環境会議で、南アフリカの大臣は「先進国は中古品を製品として押しつけ、ゴミを増やしている」と非難している。平成11年12月には、栃木県の産廃処理業者が、古紙と称してフィリピンに輸出した貨物の中から、注射針や使用済み紙おむつが発見される事件も起きた。
 
 日本では「リサイクル」という言葉が「再生利用」という意味ではなく、「回収」という意味に過ぎないように思える。いずれにせよ、廃家電についての回収、リサイクルについて明確なルートを明確にしなければ、国際社会から非難が集中することになりかねない。削減しなくてはならないのは温室効果ガスだけではなく、こうした廃家電もそうである。京都議定書のホスト国がこれでは何をするにしても実効性に疑問を持たれる日が来るであろう。そして我々も、ゴミを出さない工夫を常に考えることが重要である。
 
 地上デジタル放送が始まると、アナログ放送にしか対応していないテレビが大量処分される恐れがある。この問題は産業先進国としての喫緊の命題である。
 
 
 
 
★ 世界の「電子ゴミ」、7割が中国へ 中国メディア(レコードチャイナ・09/6/9)
★ 廃家電4万台を不適切処理 環境省などが適正処理を勧告(産経新聞・09/4/27)
★ 化学物質問題市民研究会 ・有害廃棄物の輸出問題(09年3月、PDFファイル)
★ 廃家電、アジアむしばむ(朝日新聞・08/1/8)
★ ピリピン環境保護団体が日本の廃棄物投棄に反対する集会が行われる(independent media center・07/2/24)
★ 家電量販店2社引き取りの廃家電 約8,800台分で不正処理の可能性(EICネット・04/3/10)
★ 環境白書(環境省)=ページ下部に「フィリピンへの注射針事件」についての記述
 
 
 

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多い死体遺棄事件

 ここのところ死体遺棄事件が多いような気がする。親が死んだが葬儀代がなくて放置したという事件や、山口県下関市では民家の床下から3人の女性の遺体が見つかった。以前には神奈川県平塚市で乳児ばかり3遺体が見つかり、母親が死体遺棄容疑で逮捕された。
 
 死体遺棄罪は何らかの事情で人が死んだ場合、当局に届けずに遺体を動かして隠したり捨てたりする行為である。こうした行為をすることによって、その後の警察の捜査に支障を来す場合がある。そして本来火葬されるべき遺体を放置することは、個人の尊厳をも踏みにじる行為となる。
 
 死体遺棄現場を発見した捜査当局が、殺人事件が起きたと推定することもある。死体遺棄容疑で容疑者を逮捕してから、殺人容疑で取調べが行われることが多くなった。
 
 昨年4月に発生した「江東区女性会社員バラバラ殺人事件」では、犯人の男は被害者の遺体を損壊し、トイレやゴミ集積所に捨てるなどした。遺族にとってみれば、自分の子どもの遺体をまともに確認できない状態にされ、この上ない怒りと悲しみがあったに違いない。
 
 しかし死体遺棄罪は最高で3年、死体損壊罪は5年である。残虐な行為の割には法定刑としてはさほど厳しくないのが現状である。従ってこの事件では最高刑に死刑のある殺人罪について検察側が厳しく死刑を求めたが、判決では被告が反省している、計画的な殺人ではなく発作的であった、という部分が斟酌されて無期懲役判決となった。
 
 人間の遺体が遺棄されるわけではなく、名誉や尊厳が軽々しく捨てられている現状がある。本来、畏怖の念を持って接するべき人間の魂を見ようとしない、そんな風潮がまかり通ることは実に恐ろしいことである。1人の人間ではなく、集団として扱われれば多くの人が犠牲になる戦争や紛争になり、たった1つの魂などの存在はもはや無視されてしまう現実である。
  
    
☆ 大切なのはどれだけ相手を愛するかではなく、相手にとって自分は何かを知ることだ 。(ローレンス・カスダン )
 
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★ 鳥取男女不明:税理士の部下逮捕 死体遺棄容疑で(毎日新聞・09/6/3)
 
 

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旺文社の英検参考書に警告 公正取引委員会

 旺文社(東京都新宿区)が発行している実用英語技能検定試験(英検)対策の参考書の帯に「合格者の80%が使っている」などと表記しているのは景品表示法違反(優良誤認)に当たる恐れがあるとして、公正取引委員会は同社に対して警告をした。警告対象になったのは7シリーズ45種類の書籍やCD。これらの商品の帯に「合格者の80%が使用」と表記したが、実際には合格者にアンケートを採るなどしておらず、公取委の調査に対して数字の根拠を示すことができなかった。
 
 同社の英検対策本を持っているので調べてみると、2冊のうち1冊が該当した。でもそのような帯が付いていたかどうかは不明だ。そもそも帯を見て本を選ぶわけではない。中味を見て自分に適しているか否かで選んでいる。
 
 とはいえ、面陳列・平置きされている本の帯が購買意欲をそそるのは事実だ。「○○さんも推薦!」「今話題のベストセラー!」と書かれていればとりあえず手にしたくなる。ましてや英検の場合、主催関連団体が旺文社であるがゆえ、その旺文社発行の参考書なら信ぴょう性も増すことになる。
 
 英語の参考書の類は星の数ほど出ているが、結局は自分にあったものを選ぶのが一番であるし、周りの評判も良く、先生が薦めるようなものがよいのであろう。学問に王道はない。あるのは合格目指して歩く険しい道のりだけだ。
 
 
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★ 英検参考書で旺文社に警告「合格者の80%以上使う」 数字に根拠無し・公取委(時事通信・09/6/2)
★ 英検ー日本英語検定協会
★ 旺文社 
 
 

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臓器移植 「死」の定義とは

 子どもが難病にかかり残された手段は臓器移植しかない、そんなとき、海外での臓器移植手術を選択することになる。海外渡航費、滞在費、手術費用などは高額になり、多くは寄付を募って渡航することになる。そしてそんな親御さんからはこういう声が挙がる。
 
 「なぜ日本人の子どもを日本国内で助けられないのか」
 
 それには臓器移植法により、15歳に満たない子どもの臓器移植はできないからだ。15歳という年齢は、民法における子どもの遺言の意思表示可能年齢に準じたものとなっている。臓器提供者(ドナー)の明確な意思表示が事前にあってこそ成り立つのが日本国内における臓器移植である。最近では臓器移植法改正に向けた議論が重ねられており、15歳未満ではなく12歳未満に引き下げるという考えもある。
 
 しかし年齢はもとより、「死」の定義に対して根強い異論があることも知らなくてはならない。脳死が「死」に値する状態なのかということだ。
 
 「長期脳死児」と呼ばれる子どもたちがいる。医師から「脳死状態」を告げられるが、その後も1ヶ月以上生き続ける子どもたちのことだ。人工呼吸器をつけて「生きている」のだという。母親は男児の皮膚を清浄綿で拭き、半開きになるまぶたを閉じて目の乾燥を防ぐ。3時間に1度の体位交換。栄養は鼻のチューブから。この6年間で身長は36センチ伸びて110センチになり、体重は7キロ増えて16キロに成長し、顔つきもすっかり男の子らしくなった。暑ければ汗をかき、排便時は顔を真っ赤にして踏ん張る。「苦には感じない。毎日一緒にいられることが幸せ」と母親は言う。
 
 脳死=死と定義させられれば、上記のような「生きている」子どもの存在が危うくなる。臓器移植を口実とした終末医療がカットされる恐れもある。「生きている」子どもから臓器が奪われる可能性すら危惧される。
 
 どういう状態をもって「死」と判断するのか、誰が、いつ、どのようにそれを決めるのか、人の尊厳が関わっているだけに、議論は尽くされるべきだ。しかし世界保健機構(WHO)では臓器移植目的の海外渡航を禁止する方針であり、あまり時間が残されていない。
 
 本当は、移植を必要とする子も長期脳死児という子に対しても、子どもの命を助けたいという親の願いが、先進医療を後押しすることを望む。
 
 
★ 人生の悲劇は、まだ生きているのに心が死んでいるということである(アルベルト・シュバイツァー)
 
 
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★ 脳死=死?臓器移植法改正の問題点(サンデー毎日09/5/10・17合併号=毎日新聞)
★ 臓器移植法改正を考える(LIFESTUDIES.ORG/JP 08/3/28)←エントリ内の男児の話はこちらからの引用です。
★ 東京の2歳児心臓移植、米コロンビア大が拒否(読売新聞・09/4/15)
★ 脳死や小児移植に多様な声 臓器移植法改正で討論会(09/5/19)
★ 臓器移植法改正案:自・民有志、「第4案」提出 15歳未満、条件付き容認(毎日新聞・09/5/16)
 
 

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児童買春教師逮捕、元同僚も強姦犯 広島県警

 ニュースサイトを見ていると「児童買春で逮捕」という見出しが珍しくない。教諭が、警官が、義父が、大学生が逮捕される。いつの事件だったか確認すると、新たな犯罪者の名前がそこにあることに辟易する。
 
 広島県警察本部は、昨年6月に女子中学生に対してわいせつな行為をしたとして、同県竹原市立小学校教諭の男(47)を児童買春・児童ポルノ法違反容疑で逮捕した。「若い女の子と関係を持ちたかった」などと容疑を認めている。同容疑者が勤務する小学校では、教え子10人に乱暴した強姦などの罪に問われている元教諭のM被告(43)も勤務していた。同被告逮捕の1ヶ月後に本件の容疑者は犯行に及んでいた。
 
 竹原市教育委員会のサイトに「竹原市立義務教育諸学校の適性配置について」というページがある。その中の「論点7 竹原市は『高質教育』の実践を」の中に、
 

「学校教育、社会教育の主たる担い手は教員であり、社会教育主事である。このいずれも、市民に必要な知識と技能、及び『生き方』を教える教育者である。それゆえに、強い責任感と使命感が求められる。(中略)現在、広島県といわず全国的に教員の『質』が厳しく問われている。(中略)児童生徒への猥褻やセクシャル・ハラスメント、体罰などを繰り返す教員、また、飲酒運転など公務員にふさわしくない行為をした者に対しては、免職等の重い懲戒処分を課す自治体も増加の傾向にある。『適切な指導』を欠く教員を児童生徒の前に立たせない措置が進んでいる」

としている。
 
 本来こうした文言を目の当たりにしなくても、教員を目指すのであれば、いかに楽しく、深く、清く、勉強というものを児童生徒に学ばせる、考えさせることに腐心するのが教員の本来の姿のはずである。子どもたちや親御さん、同僚に上司、そして市井の人たち、地域全体に背いた行為は断じて許されない。
 
 10人の児童に暴行をしたM被告の公判では、被害児童の母親が「100回死刑にしても許せない」「消えない傷を負わされ、子どもの一生はめちゃくちゃになった。(服役後に社会復帰するなら)被害者を傷つけた手を切り落として出てこい」と述べている。
 
 未来を切り開く子どもたちを作る義務の教育を担っている自覚が欠如していた。子どもの心を殺してしまった。「自分も児童生徒の心を殺すかもしれない」と不安のある先生がもしいるのであれば、潔く辞表を提出してください。
 
 
☆ 教えることのできない子供というものはない。あるのは子供達にうまく教えられない学校と教師だけである(M・アドラー)
 
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★ 女子中学生にわいせつ行為の教諭を逮捕 同僚は教え子への強姦などで公判中の小学校(産経新聞・09/5/14)
★ 「100回死刑でも許せない」 わいせつ元教師に女児母親(産経新聞・08/9/24)
 
★ わいせつ公務員の税金無駄遣い止まぬ(本ブログ・09/2/11)
★ 心の殺人犯を追う、警視庁の女性刑事(本ブログ・08/10/10)
 
 

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草なぎ君事件に見る泥酔者と警察 赤坂署に”襲撃予告”も

 かつて都内には、鳥居坂、日本堤、早稲田、三鷹の4カ所に”泥酔者保護所”という所があった。酔ってしまいどうにもならない”大トラ”を収容する警視庁の施設で、そこで勤務するのは警視庁の警察官であった。唯一、”白衣を着た警察官”のいる場所だ。大トラはそこで一泊し、翌朝には「ご迷惑おかけしました」とケロッとして帰って行くのであった。70年代には都内で3万人以上保護した泥酔者も近年は1万人を割った。そのためこの施設も近年廃止され、泥酔者は最寄りの警察署で保護されることとなったのである。
 
 知人は以前、酔って大暴れをした挙げ句、駆けつけた警察官に激しく抵抗したために手錠をかけられて拘束された。警察署で一泊である。公務執行妨害で逮捕されなかったのは、そのときの状況に依ることになるであろう。
 
 警察で泥酔者を保護するのは、彼らの身を危険から遠ざけるとともに、周囲に迷惑にならないようにするためである。スマップの草なぎ君が保護シートに巻かれたというのも、警察官に対して相当の抵抗があったことが推測できる。
 
 そういう状態であるので、公の場所で全裸でいた彼が公然わいせつ罪で捕まるのは当然であり、警察官との意思疎通が困難な状況であれば、酒気帯び検査に薬物検査が行われて家宅捜索を受けるのも不思議なことではない。
 
 草なぎ君を逮捕した赤坂署や、留置した原宿署には抗議の電話が多数寄せられているという。しかしそれはお門違いであり、全裸で多量のアルコール摂取していた彼の身を案じる方が重要である。警察によって拘束されなければ、酔って自身の身体を傷つけていた可能性もあり、さらには他人にも迷惑をかけていた可能性もある。もっとも「酔っぱらいがうるさい」と通報されており、迷惑はかけてしまったのである。
 
 そんな中で、赤坂署を”襲撃”する書き込みがネット上「ウィキピディア」で見つかった。「赤坂警察署に警告だ」と題され、
 

「不適切な捜索を行ったことを記者会見開いた上認めなければ、赤坂署に手榴弾を投げつける。『YAHOOのJAPAN本社に放火しに行く』と同時に同署の警察官をダガーナイフで殉職させるのもありだ。もちろん、警官が駆けつけて来なければYAHOOは犠牲になる。それらを犠牲にしたくなければ、殉職覚悟でかかってこい!!記者会見開催の期限は今日の21時までだ。それまでなら待つ。この時間までに開かなければ、明日15時にゲーム開始だ」

 
などと、支離滅裂な内容となっている。警視庁は脅迫・威力業務妨害などの容疑で捜査を始めた。ファンの逆恨みか、騒ぎに便乗した者の犯行であろう。
 
 成熟したファンであれば「何故逮捕するのか」ではなく、草なぎ君に対して「もう二度とこんなことしないで」と思うべきであろう。脅迫罪は「2年以下の懲役または30万円以下の罰金」、威力業務妨害罪は「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」である。公然わいせつ罪の「6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金または拘留もしくは科料」よりも刑罰は重く悪質な犯罪である。
 
 
☆ 復讐で得られる満足は一時しか続かないが、寛大さで得られる満足は永遠に続く。 (アンリ4世) 
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★ ネットに「赤坂署に手りゅう弾」 草なぎさん宅捜索で(朝日新聞・09/4/27)
★ 業務妨害罪とは(威力業務妨害・偽計業務妨害) 法律用語-法、納得 どっとこむ
★ 脅迫(第三十二章 脅迫の罪) 電子政府の総合窓口
★ 公然わいせつ(第二十二章 わいせつ、姦淫及び重婚の罪) 電子政府の総合窓口
 
 

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