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年の瀬

 
 お坊さんが忙しくなることから、12月は師走と呼ばれる。今年は師走を待たずして師の職業の一つである、学校の先生方が忙しかった。
 
 いじめ問題、必修科目未履修問題と、抱える案件が多かったことだろう。卒業を控える高校三年生の中には、この冬休みに未履修の必修科目の補習をする生徒も多い。大変だとは思うけれども、長い人生から見たらわずかな瞬間。頑張って乗り切って欲しい。
 
 いじめ問題も多くの影を落としている。いじめる側に罪の意識が薄いこと、教師がいじめに加担していたこと、突然命を絶ったお子さんの家族は辛いクリスマスになってしまった。
 
 教育というのは大事なことである。多くの国であらゆる犯罪が起きているけれども、規範意識の根底にあるのは教育だ。経済的にどうであれ、規範意識がしっかりしていれば、事件や事故、紛争などは起きないであろう。
 
 それでは教育現場とはどこにあるか。それは学校だけじゃない。家族が第一であり、友人関係であり、社会が担うものであり、それぞれに個々が依存している。
 
 
☆ 樹木にとって最も大切なものは何かと問うたら、それは果実だと誰もが答えるだろう。しかし実際には、種なのだ。 (フリードリッヒ・ニーチェ)
 
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★ 小学生の校内暴力(本ブログ・06/6/14)
★ 幼稚な大学生、増える(本ブログ・06/8/22)
 
 

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都知事への予告文はウソくさい

 
 石原都知事に自殺予告の手紙が届いたそうだが、これはうそ臭い。文科省に届いた最初に一通は「予告」といっても、本心は「助けてください」と言っているように思えた。
 
 これだけ連日の報道がなされると、「模倣犯」が出てくる可能性は高い。
 
・いじめを受けていた
 
・都知事の「自殺予告は愉快犯だね」の発言を見聞きした。
 
・都知事に自殺予告を書くためにハガキを手にする。
 
・実際に手紙を書く。
 
・ポストに投函する。
 
 本当に「行動」に出ようと思っている人が、わざわざここまでの過程を踏むとは思えない。死ぬ前に胃薬を飲むほど不自然なことだ。いたずらの自殺予告は断じて許されない。
 
 実際に「行動」に出た子供たちの前日は、
 
「お母さんの作ってくれる鍋はおいしいね」と言った子。
 
「カラオケに行きたい」と、好きなアニメソングを歌って楽しんでいた子。
 
「お父さん、ケーキ買ってきてくれないかな」「明日は焼き肉がいいな」と、次の日が誕生日だった子。
 
と、あまりにも日常過ぎて家族も気づいてあげることが出来なかった。
 
周りにとって不本意な死が、日常に近づいていたことに誰も気がつかなかったのだ。
 
 
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★ <自殺予告>石原知事発言で追い詰められた 高2からはがき(毎日新聞・06/11/14)
 
 

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都知事「自殺予告は愉快犯」

 石原都知事は「自殺予告」が文科省に届いた問題に触れ、「大人の文章だね。愉快犯っていうか。今の中学生にあんな文章力はない」という見方を示した。「自殺なんか、予告して死ぬなって。甘ったれているというか」「ファイティングスピリットがなければ、一生どこへ行ってもいじめられるんじゃないの」などとした。
 
 こらえ性がないとされるのは、昨今の若者気質かもしれない。ただ、学校というハコの中の出来事というのは、閉鎖的で陰湿だ。暴力は「いじめ」という言葉で隠蔽され、恐喝は「たかり」という言葉に置き換えられている。
 
 子供同士のケンカの類は昔は簡単に片付けられていた。「いじめ」という言葉になっており、その悲惨さが分かりにくいのも子供のケンカ、そういう解釈がまかり通っているからかもしれない。
 
 学校というハコを社会というハコに置き換えれば、暴力も恐喝も犯罪だ。大人なら逃げる術をいくらでも知っているが、学校と家の往復しかない子供たちに「逃げろ」といっても、どうすればよいか分からないだろう。
 
 いじめる側の気質も変わってきている。昔であれば、いじめる限度というのを知っていた。一本筋の通っていたこともあった。しかし、今の若者は限度を知らない。1体1ではなく、集団で暴力を浴びせる。「いじめた」とは言わずに「知らない」と平気でウソをつく。被害者がこれに堪えろ、ということは時代錯誤だ。ただ、都知事はこの問題の最後で「陰湿なのは、教師がいじめること」と批判している。
 
 「いじめる側が悪い」が半数以下、というアンケート調査も公表されている。暴力を肯定することになったら、この国で何を否定していいのか分からなくなるではないか。
 
 
★ 石原都知事記者会見(東京都公式ホームページ・知事の部屋(上部11/10よりご覧下さい))
 
★ 慎太郎知事「愉快犯」…文科省に届けられた「自殺証明書」11日期日(スポーツ報知・06/11/11)
★ いじめ調査:やる方が「悪い」は半数以下 希薄な罪の意識(毎日新聞・06/11/7)
 
 

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いじめをとめる先生

 小学校の林間学校の時、一人の男の子がバスの中で容姿についていじめられていた。その時の先生はしらんぷり。気づいていないものだと思っていた。その夜、男の子の部屋に遊びに来た女の子が、そのまま悪ガキの一部に「軟禁」された。すぐに解放されたが、これに担任の先生は怒った。
 
 「全員一列に正座しろ」
 
「女の子に手を出したものは手を挙げろ」
 
 恐る恐る手を挙げる数名の男子児童。
 すぐに何発かのビンタが飛ぶ。
 
「バスの中で○○君の悪口を言っていたものは手を挙げろ」
 
 また数発のビンタが飛んだ。
 
 先生はバスの出来事を知っていた。
 
 どの学校の先生も多かれ少なかれ、いじめの問題が存在していることは分かっているはず。それに対して実際に動いてくれるかどうかで、いじめの被害者が助かるかどうか分かれる。
 
 メディアの多くで「死なないで」「悩まずに相談して」のメッセージを見かける。一人でも多くの子供たちを救うことができたらいい。そして併せて発信して欲しいメッセージがある。「いじめる側へのメッセージ」だ。人の命をもてあそぶものを減らして欲しい。いじめを知っている周りの子供たちも、どんどん先生や親に報告して欲しい。
 
 でもやはり、差し迫った危険を回避することが先だ。現場を当てにできなくなった児童・生徒は文部科学省に最後の賭けに出ている。八百長ではなく、大人たちの真剣勝負が望まれる。
 
 
☆ 死は人間卒業、自殺は人間廃業です(淀川長治)
 
☆ 人生を越えた何かがあるとき、人生は美しくなる(J.ドルメッソン)
 
☆ あなたはきっと、光も時間も追い越して走るときが来ます。それを忘れないで(映画 『銀河鉄道999 エターナルファンタジー』)
 
☆ 遠慮しないで生きてたら良い事あるよ(t.A.T.u.)
 
☆ 今はまったくさえない日々だが、いつかそれは古きよき日になる(ジェラルド・バーザン)
 
☆ 打ち倒す者は強いが、起き上がるものはもっと強い(フランスのことわざ)
 
☆ 愚かな人に嫌われることを喜びなさい。彼らに好かれることは侮辱でさえあるから(フィリックス・レクエア)
 
☆ 逆境の日も楽しかった。それを乗り越えて、逆境を見返したときは、なお愉快だった(吉川英治)
 
☆ 転んだ人を笑うな。彼らは歩こうとしたのだ(米倉 誠一郎)
 
☆ あなたが虚しく過ごした今日という日は、昨日死んでいった人が、あれほど生きたいと願った明日(趙 昌仁『カシコギ』)
 
 
 
 
★ 先生の一言にボロボロと涙が=落語家・柳家喬太郎さん(毎日新聞・06/11/6)
★ やがて気付く日のため(読売新聞・06/11/7)
★ 生徒のいじめ動画がネットに…学校は知りながら放置(産経新聞・06/11/9)
★ いじめ自殺予告、都が緊急アピール「相談する勇気を」(読売新聞・06/11/8)
★ 文科相にまた自殺予告手紙、女子高生名乗り渋谷の消印(読売新聞・06/11/9)
★ いじめ・メッセージ/1(その1)=作家・あさのあつこさん(毎日新聞・06/11/9)
★ やらせ質問:タウンミーティング 定着一転、存続の危機(毎日新聞・06/11/9)
 
 

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いじめ自殺「予告」 文科省に届く

 二十歳の青年の主張するところや怒りの沸点というのは、往々にして間違っていることが多い。若者特有の正義感というものが働く。しかしそうした主張をすることで大人に成長していく。
 
 たちが悪いのは、そうした若者をひきずって大人になってしまった場合である。大人が逆ギレをし、大人が万引きをし、大人が子供の見ている前で赤信号を渡る。
 
 人というのは考える足だと言われるが、考えることを放棄したら四本足の下等動物と大差が無くなる。いや、もしかすると社会を混乱させない四本足の動物のほうがシンプルに進化しているのかもしれない。
 
 文部科学省に「いじめが原因で自殺する」という内容の手紙が届いた。差出人は男の子と見られるという。文科省は消印を手がかりに、該当する全国39市町村の教育委員会に調査を指示した。
 
 発展途上の若者は謙虚でいることが大切だ。好奇心があったら聞けばいい。聞いて分からなかったら努力する。努力してもだめなら従ってほしい。
 
 もし命を絶っても、加害者側はいつか手紙の差出人のことは忘れる可能性がある。
 
 そして残された家族は一生悲しみに暮れることになる。一生だ。
 
 謙虚でいたためにいじめられた、先生に相談してもだめだった、我慢するように努力した。だから従って欲しい。嫌ならば学校から逃げてください。嫌な学校で死を選ぶよりも、そこから逃げて命を守ることの方が大切なことです。死は生きていくのに必要な選択肢ではなくて、自然と訪れることなのです。
 
 昭和生まれが、平成生まれの君たちの訃報を聞くのは非常に悲しいのです。
 
 
☆ 言葉というものがあるのを初めて悟った日の晩、ベットの中で私は嬉しくて嬉しくて、この時はじめて早く明日になればいいと思いました 。(ヘレンケラー)
 
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「前科」回避 未履修問題

 一般に、軽微な交通違反を犯すと通称「青切符」が切られ、反則金を納付することになる。反則金のことを罰金と勘違いしやすいが、罰金というのは裁判所から出される刑の種類の一つであり、禁固刑や懲役刑などと同じいわゆる「前科」がついてしまう。反則金としているのは、国民の大半を「前科者」にしないためであろう。
 
 必修科目を履修しなかった問題は、卒業認定取り消し(罰金)ではなく、補修を講ずること(反則金)で収拾の方向に向かった。必修単位(違反点数)はなんとかなりそうであり、多くの未履修の生徒を前科者にしなくて済んだ。
 
 しかしどうもしっくりこないのは、やはり真面目に履修していた生徒との間に不公平感が生じるからであろう。渋滞の高速道路をみな我慢するが、路肩を強行突破する者がいることを時々見かける。未履修問題は路肩を走ってはならないことを知らされていなかった生徒を救済するしかなかった。
 
 責任の所在も難しい。いつから行われていたのか、教師か、学校か、教育委員会か。過去の生徒はどうなる、今の二年生はどうする、といった具合に一度ルールが崩壊すると混乱状態になる。
 
 「交通ルール」を無視させた側の責任は大きい。なお、無免許運転、飲酒運転、ひき逃げなどは、反則金ではなく罰金になる。度が過ぎると「前科」がつくことを忘れてはいけない。
 
 
☆ 苦いものを味わったことのない人間は、甘いものがどんなものであるか分からない。(ドイツの諺)
 
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★ 未履修問題、今回限りの特例 文科省が通知(産経新聞・06/11/2)
 
 

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小6男児特許取得 全国初

 東京・警視庁では昨年1年間で213万件の落とし物が届けられた。最も多く届けられるのが傘で、その数35万本だ。続いて財布類(19万)、携帯電話(9万)と続く。傘は雨天時必要なわけだが、屋内にいる間に晴れてしまうとその存在を忘れてしまうことが多い。2番目の財布は意外にも持ち主へ無事に戻ることが多いという。
 
 「傘を置き忘れないように警告する装置」という特許を、富山市内の小学6年の男児(12)が取得した。特許庁によれば、小学生の特許取得は全国初だという。出入り口付近に人が通るとセンサーが反応し、備え付けの装置傘が開閉して注意を促す仕組みだ。
 
 サービス業などでは、置き忘れた傘を持て余していることが多いと思われる。この装置が役に立って、行き場を失った傘が減ればよいだろう。
 
 今週は東日本では天気があまりよくない。傘の置き忘れではなく、飛ばされないように気をつけたほうがよいかもしれない。
 
 忘れられることのない幸せな傘と言えば、価値のある傘か、相合い傘のどちらかである。
 
 
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★ エジソンになれるかな? 全国初、小6が特許取得(産経新聞・06/10/25)
 
★ 警視庁 落とし物はどこへ行くの?
★ 気象庁 週間天気予報
★ 旅行の最後に(本ブログ・05/1/10)
★ もっと民間を見習って(本ブログ・04/12/7)
 
 

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いじめを苦に自殺 福岡県筑前町(2006.10.16)

 昭和61年の2月、東京都中野区立富士見中学校2年生、当時13歳だった男子生徒が自殺した。「このままじゃ生きジゴクになっちゃうよ」と遺書を残して命を絶った。
 
 クラスメートがいじめるだけではなく、担任もそれに加担した。男子生徒の机の上には供え物や花、色紙に「安らかに」と担任を含めた他の教師の添え書きもある「葬式ごっこ」が行われていたのである。
 
 この時代はそれまで、器物損壊や教師に対する暴力が横行する「校内暴力」が問題になっていたが、それが「いじめ問題」へと移行していった時期であった。
 校内暴力は警察に頼れば一時的には解決するし、暴れていた生徒もそれを認識するようになり、対象が教師からいじめやすい生徒に移っていったものと思われる。しかし、いじめも暴力事件に他ならない。ましてや教師までもが加担したとなると、子供を預けている地域の親御さんはどうすればよいのだろうか。
 
 福岡県筑前町立三輪中学2年生男子生徒がいじめを苦に自殺した。同級生のみならず、担任教師もいじめをしていたことが明らかになった。校長は謝罪したが、「教師の言動が自殺の誘因になったとは思うが、主因となったかどうかは分からない」とした。
 
 しかし主因は誘因がきっかけになる。いじめの事件はこれまで数多く報道されているのに、教師のするいじめの誘因が許されるはずがない。
 
 読売新聞の「Do!コンポ」というコーナーに、女子中学生(14)が「友人に冗談で『死ね』と言ったことを後悔しています。今も相手が気にしていないか気がかりです」と投稿していた。
 
 平成生まれの子供が後悔しているのに、昭和生まれのプロの教師は何を考えていたのかを知りたい。
 
 
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★ いじめか、中2自殺 遺書に「耐え切れない」 福岡(朝日新聞・06/10/14)
★ いじめ、教師の言動影響「自殺の誘因」 福岡の中2自殺(朝日新聞・06/10/16)
★ 盗撮した先生(本ブログ・06/9/23)
★ 921「痛」のメール(本ブログ・06/3/28)
★ 顧問の女子生徒を30回殴った教師(本ブログ・05/10/6)
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